↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/108

スイカ斬り

 俺たちはサイトリアで二日目を迎える。

 昨日やるべき事は処理したので、今日からは遊びまくるぞ!


「今日から何日かは俺がこの街を案内してやる!」


「何か心配ですね。兄さんプランニングが下手ですから」


 今の発言はスルーして、俺は頭の中で最終確認に入る。

 このサイトリアは観光都市というだけあって、観光スポットが山のようにある。

 俺たちは一週間という期間を設けているので、全部回る事も可能だろう。

 しかし、どのような順路で観光するかによって、効率が変わってくる。

 だから完璧なプランニングをしたのだ(結構ギルドマスターに手伝ってもらったが)。


 まずは当然、


「海だ!」


『おお〜!』


 ここ、サイトリアは沿岸部に位置していて、とても大きいビーチがある。

 海の透明度は高く、沖縄やハワイを思い浮かべて頂ければいい。


「俺はパラソルもらってくるから、誰か荷物見張っててくれ!」


「マスター、私がやります」


「馬鹿野郎、お前の歓迎会も兼ねてるって言っただろう。そんな奴が荷物番なんかしてどうする」


「私やるよ!」


「じゃあミル、頼んだ。カーミラ、ちゃんと遊ぶんだぞ?これは命令だ」


 こういえば、遊ぶだろう。

 まぁ本人はあまり喜ばないだろうが、まずはカーミラの使用人意識を無くさねばならないと思っている。

 そうしなければいつまで経っても、お互い近い距離で接することが出来ないだろう。


 いや〜、それにしても絶景だわ。

 あ、海の方じゃなくて、水着の方な。

 色とりどりのビキニを着た女の子が戯れる姿、これを見ることができるだけで来た甲斐があったってもんだ。


 おっと、見惚れるのも程々にして、さっさと設営作業に入ろう。


「ハヤト、それが終わったら私に日焼け止め塗ってくれませんか?」


 いきなり、レベルの高いのが来た。


「あ、ああ、分かった。ちょっと待ってて」


 俺は高速で設営を終える。

 しっかりとシートも引いてある。これで準備は万端。

 それでは、お触りさせて頂きましょうかねえ!


「じゃ、じゃあ、行きます!」


 俺はゆっくりとユリシアさんの背中に触れる。


「ひゃっ!?」


 変な声上げないで!余計にドキドキしてくる!


「しっかり手で温めてから塗って下さい!びっくりします!」


「はいはい」


 すみませんね、こっちも経験がないもんで。

 まぁでも良く考えると、スキンシップのつもりでやってくれてるのかもな。

 この人も意外とウブな一面があるし、恥ずかしいだろうに。


「はい、終わったぞ」


「ありがとうございます、ハヤト」


「待て!そのまま起き上がるのは!!」


「え?何ですか?」


 あー、やっちゃったな。


「その、前……」


「?…………!!?」


 すっごい急速赤面をしたユリシアさん、普通に可愛いっすよ。



「おい、皆!スイカ斬りしようぜ」


「スイカ斬りって何じゃ?」


「目隠しした状態で、スイカを斬るんだよ」


「それは中々面白そうですね」


 リリーは分かってくれるか。

 このメンバーの中には気配を感じ取ったり、風魔法とかを使って場所を当てようとする不届き者も多いから心配なんだがな。


「先鋒はカーミラな」


「団体戦方式ですか。いいですね、兄さん、私が次鋒を務めます!」


 おっ、やる気あんじゃん。カーミラはどうか。


「先鋒というのは一番槍みたいなものですね!その大役、やらせて頂きます!」


 意外とやる気!任されたことはすごいやる気あるな。


「よーし、じゃあ目隠ししてくれ。そんでもって、そこから十回その場で回ってくれ」


「了解…………完了しました!」


 すげー、最初の角度から全くズレてない!


「そこから右に九十度だ」


「あ、カーミラを惑わせる気だね?ハヤトのことは信じないで私を信じて!そこから左に九十度だよ!」


「ミル、お前卑怯だぞ!カーミラ、俺を信じろ!」


「カーミラさん、私を信じて下さい!百八十度反対です!神官の方が信用できるでしょう?」


「リリー!お前も汚いぞ!神官をダシに使うとは、お前バチが当たるぞ!」


「ハヤトさんこそ、卑怯です。ご主人様特権を使って言う事聞かせようとしてますね!」


「そんなことしようとしてないし!俺を信じろ!」


「兄さん……見苦しいですよ」


 あーあー、カーミラがめっちゃあたふたしてる。


「……私ミルさんを信じます!」


 そのまま、カーミラは左に九十度回転して……空ぶった。


「そ、そんな!?ミルさんが嘘を!?」


 信用を盾にして騙すの本当にずるいと思う。

 それにしても皆酷いなぁ。俺以外皆嘘言ってるし。

まぁそれがこの遊びなんだけどさ。


「次鋒、桐生刀香行きます!」


「ちなみに気配探るの禁止な」


「分かっています。そんな野暮なことはしません」


 流石刀香、心得てるな。

 さっきと同じ手順でスタートしたと思ったらいきなりとんでもないのが飛び出た。

 刀香の剣は届いていないはずなのに、スイカが斬れたのだ。


「刀香お前、何をした!?」


「今のは気の斬撃です。『サムライマスター』の技の一つです」


 セッコ、こいつセッコ!!


 こうして五将はミルが、中堅はユリシアさん、三将はエリナといずれも何かとセコい方法で成功させた。

 ゲームの方向性が腕自慢みたいになってしまった。


 そして、副将は俺だ!

 俺は誓って、上に挙げた人物のようなセコい方法でこのゲームの尊厳を貶めるようなことはしない。

 しっかりとルールに従ってやってやる。


「来い!」


『そのまま真っ直ぐ!』


 なん、だと!?

 これは信じるべきか、いやどう考えてもふざけている。

 しかし、それなら答えが分からない。流石にそんな鬼畜な真似はしないはず……答えは真っ直ぐだ!

 そして、俺は空ぶった。


「普通だッ!」



 そして、とうとう鳳である、主将の番となった。務めるのはリリーだ。

 こいつはそもそもずるい手を保有してないと思われるから、心配はしてない。

 しかし、その予想はあっさりと裏切られる。


 リリーは突如、剣舞を始めたのだ。

 想像して頂けると分かるだろうが、水着を着た美少女がそれはもう完成された美しい剣舞をしているのだ、違和感しかない。

 しかし、とても綺麗にスイカは斬れていっている。

 もうこれ、何やってるんだろう?


 三分ぐらい経つと剣舞が終了し、剣が納められ、恭しくお辞儀をする。

 すると、周りから歓声と拍手が起きる。

 だから、腕自慢じゃねえって。


 結局この日は一日中海で過ごした。サイトリア二日目が終わりを告げた。

 ちなみにスイカは皆で美味しく頂きました。

 この度は「異世界転生したのに魔王がいません!」を読んで頂きありがとうございます。


 御意見、御感想、御評価を頂ければ幸いです。気軽にお寄せ下さい。


 下にスクロールしていくと手軽に評価できるのでお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。