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85話

誤字脱字等ありましたら、よろしくお願いします。

 ゴゴゴゴと地面が揺れ、三跪九叩頭を終え、地面に頭をつけている状態だった俺は頭を何度も叩きつけられる。

 やがて、揺れは収まりようやく地面に頭突きをしなくてよくなった俺は額を擦りながら頭を上げた。


 ついさっきまで俺が頭を下げていた岩には人一人が通れるくらいの穴があった。穴の周りには小さい岩や石が転がっているのを見るに、今の揺れでこの穴を塞いでいた岩が崩れたんだろう。叩いても蹴ってもビクともしなかったのにな。


「これが遺跡の入り口のようですね」

「いきなり揺れ始めてビックリしましたよぉ……」


 突然の揺れで少し後ろに下がっていたユリアさんとサツキさんが俺の方にやってくる。俺なんか地面と睨めっこしたままだったんですけど。


 様子を見ながら中を覗いてみると、穴の向こうには階段が続いており、このまま地下に降りていくようだった。


「これがRPGとかなら1回街に帰って準備し直すんだけどな」

「街まで遠いですからね、ここ」

「最悪の場合、試験型転移門を使うので問題は無いと思われます。では参りましょうか」


 念のため点棒を装備した状態でいつでも敵に対応出来るようにした状態で俺を先頭に階段を降りていく。下からは冷たい風が流れてきて、どうも気味が悪い。こんな何も無い荒野の地下に一体、何があるんだろう。





 5分ほど何にも出会わず、まっすぐに階段を下っていたが、しばらくすると階段が途切れ部屋のようなフロアに出た。地下なので当然、光源が無く真っ暗だったが、ユリアさんがイベントリから松明を出してくれたおかげで、自分達が今いる場所を確認することができた。


 天井の低い縦長の部屋のようで、横幅は4、5人並べば通れなくなるくらいだ。通路も俺たちが降りてきた階段の他には反対側に続いているものしかなく、完全に一本道のようだが、先は暗くどこまで続いているのかは分からない。

 横を見てみるが壁には何の装飾なども無く、遺跡という割には随分と殺風景な部屋だ。


「こういう場所だと私の存在価値が無くなるんですよね……」


 地下みたいな狭い場所では本来の力を発揮できない爆弾魔のサツキさんがショボーンと肩を落とす。確かにこんなところで爆発させられたら巻き込まれかねないな。


「ひとまず進んでみましょう。探知にも掛かっておりませんので」

「一応、白も出しておきますね」


 装備欄に白を入れると、俺の横に光を放って白が現れる。呼び出された場所が暗かった所為か、若干驚いているみたいだった。


「ねえキントウ、ここ何処?」

「スタル荒野のとある遺跡」

「へぇー、あんな何にも無いところに遺跡ねぇ」


 白はスタル荒野に来たことがあるらしく、こんな遺跡があるなんて信じられないとでも言いたそうだ。


 細長い部屋を今度は白を先頭にして歩いていく。ユリアさんから受け取った松明は俺が持っているが、せいぜい数m先までしか照らすことが出来ず、ここでも魔力探知が頼りだ。スキル枠は余ってるし本当に俺も取っておこうかな。


 50mほど歩くと、部屋の終点に辿り着いたようで目の前には扉が松明の火に照らされていた。近づいてよく見てみると、木製の扉のようで、以前は鍵が掛かっていたようだが、現在は壊されて自由に出入りできるようになっていた。


「これ、ビビちゃんのお母さん達がやったのか?」


 だとすると、この先でお母さんは「何者か」に遭遇したことになるな。こんな地の底にどんなのがいるのやら。


 扉を潜り、更に先へ進むと今度は進行方向が真っ暗で松明の火だけでは照らせなくなってしまった。おそらくは広めの部屋とかだろう。


 手探りで壁際を探ると、左手側に火を灯す台のような物を見つけた。松明の火を移すと、ボッと火がつき、一つに火を灯すと連鎖的に火がつくようになっていたのだろう、赤い炎の線を引いて、反時計回りにボッボッと次々と台に火がついていく。


 そして赤い線が一周して俺の右手側にある台に火がつき、部屋が明るく照らされた。

 最初に入った通路のような細い部屋とは違いこの部屋は円形をしている。割と大きめの部屋で、直径で30mくらいはありそうだ。


 だが、何も無いというわけではなく、床には無数の直方体が規則正しく並べられている。造りはたぶん石かそれに近い物で、縦2m横0.5m高さ0.3mほどのちょうど人一人がスッポリ入りそうなくらいのサイズをしている。この箱も細長の部屋と同じく何の装飾も無い。


「なんか、オバケが出そうな感じですね。この箱とか棺みたいですし」

「だとすると、この遺跡は墓地というわけですか」


 地下墓地ってことか、いかにもゾンビが出そうなシチュエーションだな。言ったら出そうだから絶対言わないけど。


 箱の間を進み、部屋の中央にやってくる、中央にも箱は置かれていたが、これだけ他の箱とは違い、表面に何かの模様が彫られていた。顔を近づけて読もうとするが、日本語ではないようで、何が書かれているのかは分からなかった。


「これだけ特別のようですね」

「中、見てみます?」

「えぇ!? 止めておきましょうよ! もし墓とかだったら私たち墓荒らしじゃないですか」


 俺の提案にサツキさんが絶対に嫌だと猛反対する。

 そりゃ、確かに墓荒らしになるだろうけどさ、ビビちゃんのお母さんの呪いを解く為には必要だと思うんだよね。


 おそらくお母さんたちの調査隊も箱を調べたんだろうし、箱以外にはこれといって重要そうなものは無いしな。


「じゃあ開けてみるか、白そっち持って」

「はいはい」


 特別そうな箱の上と下に立って、縁を掴む。箱は上から閉める形で閉じてあるのでそれを持ち上げる。


「せーのっ! よいしょっ!」


 掛け声の合図で二人が見守る中、ゆっくりと蓋を持ち上げる。俺の少ないStrの所為か、随分重たく感じる。

 蓋をずらして、横に落とし中を見てみると、そこには案の定白骨化した人の姿が。


「本当に居たのですか。ダンジョンの兵士よりも綺麗ですね」

「ほらぁ、これ完全に墓荒らしですよ? きっと呪われちゃいますよ」


 ここで「キャー!」とかサツキさんあたりから悲鳴の一つでも上がるのかと思っていたが、ユリアさんはともかく、サツキさんはガイコツよりも呪いの方が心配のようだ。


 ガイコツは何かの服を着せられたままだったのか、ボロボロになった布切れが体に纏わりついている。そして指には何個かの指輪、頭には鈍い色を放つ冠がはまっていた。


 その時、突然部屋の温度が下がったような錯覚に陥った。冷たい風が肌を撫で、鳥肌を立たせる。壁の炎が不気味に揺れ、少し暗くなる。


【我が王家の墓を荒らすのは何者だ?】


 何処からかそのような声が響き、部屋の中で反響する。


「あぁ……来ちゃいました、完全にコレですよ原因は! ツタンカーメンの呪いですよ!」

「いや、今は関係ないから」


 墓+王家+呪い=エジプトっていうのは分からなくもないが、ここはゲーム内、何らかのイベントが発生したと考えていいだろう。


「えっと、ひとついいですか? 最近ここに生きた人間って来ました?」


 何処に居るのかも分からない「何か」に向かって会話を試みる。最悪、即戦闘も覚悟していたが、思ったよりフレンドリーなお方らしく、少しの沈黙のあとに返事が返ってきた。


【数日ほど前に数人がやってきて、我が血族の墓を荒らしていった】

「その時に誰か呪いましたよね? もしかして【怨念】かけました?」


 再び沈黙の時間の後に回答がやってくる。


【この部屋の中央に眠る者の眠りを妨げた罪だ】

「それ、解いてもらっていいですかね? 困ってるんですよ」

【答えは当然、否だ】


 どうやら対話による交渉は決裂したようだ。これはバトル展開か?

 ユリアさんも既に臨戦状態で武器を構えている。サツキさんは……死なないようにしていて下さい。


「とりあえず、姿見せてもらえます?」

【姿ならとっくに見ているだろう】


 瞬間、全身に悪寒が走り、何かに誘導されるかのように下を見ると足元の箱の中で横たわるガイコツと目が合ってしまった。

 元は眼球のあった位置には青白い光のようなものが宿っており、俺のことを見ている。


【オマエモソウナノカ?】

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