国家対抗レイドバトル……そして始まる世界の改変
国と国の威信をかけた『国家対抗レイドバトル』が、ついに王立第一競技場で開幕した。
両国のトーナメント上位十六名が集結したフィールドには、これまでにない張り詰めた緊張感が漂っていた。
試合開始の合図とともに、神聖ルシエラ教国側が圧倒的な速さで最初の一手を打った。
教皇セレスの手から掲げられたのは、眩い後光を放つ神のカードであった。
なんと、ルシエラ教国はターン開始の最も早いタイミングで、惜しげもなく神のカードを発動させたのだ。
神々しい光がアリーナ全体を包み込み、ルシエラ側の十六人のプレイヤーに奇跡の効果をもたらした。
それは、レイドを組んでいる味方全員の手札が、それぞれのデッキにおける『最高の手札』へと一瞬で入れ替わるという圧倒的な効果であった。
さらに、神のカードが持つ特殊なルールが発動する。
互いの陣営が持つすべての神のカードが、ゲームから除外されるというルールである。
この効果により、ヴァリエール王国側は手札やデッキにあったリーリアの神のカードを使う機会すら与えられず、消滅させられてしまったのだ。
「なんということだ! ルシエラ教国の神のカードにより、王国側の神のカードが初手で完全に封殺されてしまったーっ!」
実況の叫びが響き渡る中、観客席から大きな悲鳴が上がった。
初手から神のカードを失うという大ピンチに陥ったヴァリエール王国側であったが、プレイヤーたちに動揺の色はなかった。
彼女たちは持ち前の強運と日々の凄まじい鍛錬により、すでに手元に完璧に近いカウンターカードを引き当てていたのだ。
「みんな、焦らないで! 神のカードがなくたって、私たちの連携は消えたりしないわ!」
アイラの力強い鼓舞に応え、王国側のプレイヤーたちは即座に迎撃体制を整えた。
『最高の手札』を手にしたルシエラ教国から、怒涛の如き猛攻が繰り出された。
だが、ヴァリエール王国の精鋭たちは、手にしていたカウンターカードと絶妙なサポート魔法を次々と発動させた。
襲い来る強力な攻撃をギリギリのところで完璧に防ぎ切り、猛攻を耐え切ってみせたのである。
「受け切ったわ! 今こそ反撃の時よ!」
猛攻を凌ぎ切ったヴァリエール王国側は、一気に怒涛の反撃へと転じた。
チェイシーの緻密な罠と、リーリアの『ダーくん』を中心とした強力なモンスター陣が盤面を支配し、一度は完全に試合の優勢を奪い取った。
王国の勝利が目前に迫った、まさにその時であった。
神聖ルシエラ教国のプレイヤーたちの瞳に、凄まじい信仰の炎が宿った。
ルシエラ側の十六人は強く手を取り合い、一丸となって祈りを捧げた。
その固い信仰の絆が、盤上に本物の奇跡を引き起こしたのだ。
発動したのは神のカードではない、信徒たちの絆によって威力が跳ね上がる特殊な連携カードであった。
盤面に満ちた聖なる光が、王国側の誇る最強の二大巨頭——リーリアの『ダーくん』とチェイシーのモンスターの動きを完全に封じ込めてしまったのである。
完封された二大巨頭は一切の行動を許されず、その隙を突いたルシエラ教国の怒涛のコンボが炸裂した。
「そこまで! 勝者、神聖ルシエラ教国チーム!」
審判の叫び声とともに、激闘に終止符が打たれた。
一瞬の静寂の後、アリーナ全体を揺るがすような雄たけびと歓声が響き渡った。
「素晴らしい戦いだった!」
「ルシエラ教国の絆に拍手を!」
ヴァリエール王国の観客も、ルシエラ教国の観客も、等しく立ち上がって勝者の見事な勝利と両国の激闘を称え合った。
激闘が終わり、その日の夜にはヴァリエール王城の大広間にて、両国の平和な戦いの終結を祝う盛大なパーティーが開催された。
ジェラール国王をはじめとする王族と教皇セレス、聖女セリア、さらには双方の貴族や司教、司祭たちが一同に会し、酒杯を交わしながら昼間の名勝負を語り合った。
そして、この平和と親睦の熱気は城内だけにとどまらなかった。
なんと翌日、ジェラール国王を含む王族と、教皇セレスや聖女セリアといった教国の主要人物たち、そして昨日のレイド戦を戦い抜いた十六人のプレイヤーたちが、護衛を伴って平民街へと足を運んだのだ。
豪華な衣装を身に纏った両国のトップと英雄たちが、平民の住むエリアを堂々と凱旋していく。
その想定外すぎるサプライズに、王都の平民たちの熱狂は、まさに天をも突く勢いに達した。
「国王陛下万歳! 教皇様万歳!」
「最高の大会をありがとうー!」
街中に地鳴りのような歓声が吹き荒れ、花吹雪が舞い踊った。
身分や国籍を超えてカードで繋がった二つの国は、かつてないほどの絆と歓喜に包まれたのである。
そして夜が明け、前日の興奮が冷めやらぬまま、王都は眩い朝日と共に新しい一日を迎えたのであった。
◆◆◆
とある次元の隙間に存在する特異な空間に、巨大な樹木が聳え立っていた。
いや、正確にはそれは大地に根を張っているのではなく、無限の広がりのなかで静かに浮かんでいた。
木の根が広がる場所には土など存在せず、ただその空間と同じ幻想的な星空がどこまでも広がっている。
一人の男が、その巨木を感慨深そうに見上げながら、うんうんと嬉しそうに頷いていた。
しかし、ある一箇所に視線を留めた瞬間、男は険しい表情で目を細めた。
どうやら、自分の意に沿った成長をしていない不都合な部分があったようだ。
男はその場所へと近付くと、腐りかけた箇所と、そこから枝分かれしていた枝を躊躇なく切り落とした。
そして、切り取った枝を腐っていた箇所へあてがい、何事かを静かに呟いた。
すると不思議なことに、切り取られた枝は削ぎ落とされた腐敗箇所と同化し、元通り以上の大きさへと急速に成長を遂げた。
男は満足そうに頷くと、作業を終えてその場から去っていった。
男自身は気付くことがなかったが、星空の彼方からその一挙一動を見つめていた巨大な瞳も、満足そうに静かに消えていった。
しかし、その新しく接ぎ木された枝は、以前の枝と同じようには育たない運命にあった。
◆◆◆
アイラは目を覚ますと、薄暗く湿った牢屋の中にいた。
はて、なぜ自分はこのような場所にいるのだろうか。
アイラの中に存在するレイラの知識が、このような突発的な状況に素早く心当たりを弾き出した。
それは前世の創作物などでよく見かける、異世界転移や世界線の改変という現象であった。
事実は小説よりも奇なりという言葉がある通り、こういうこともあるだろうと、アイラとレイラは冷静に状況の確認を開始した。
手足の感覚を確かめてみると、身体は間違いなくアイラ自身のものであった。
全体的に少し痩せ細っているようだが、出るべきところは出て……いや、元々控えめだった胸元がさらに削ぎ落とされているような気がした。
次に目を閉じて記憶の深層を探ってみた。
どうやらこの世界線は、アイラが転生せずに悪魔によって生かされたという、本来とは異なる道を辿った世界のようだ。
ということは、この後には処刑されるという最悪の未来が待っていることになる。
一体なぜこのようなことになってしまったのだろうか。
またしても神のうっかりや気まぐれによる不祥事なのだろうか。
とにかく、この程度の状況であればすぐにでも打破することができた。
魔女としての強大な力は失われておらず、家族と結んだ魂のパスも繋がったままである。
世界を取り巻く状況だけがすり替わっているような違和感であった。
アイラは普通の人間には察知できない高精度の隠蔽結界を張り巡らせると、殺風景な牢屋の中を極上の快適空間へと一瞬で作り替えた。
ふかふかのソファを生み出して深々と腰を下ろし、湯気を立てる紅茶とスコーンまで拵えると、優雅に脚を組んで外部の人物たちへコンタクトを取ることにした。
まずは念話を用いて、妹のリリアとジュリアンへ同時に連絡を試みた。
「お姉様! ご無事なのですか!?」
「ええ、大丈夫よ。なんだか大変なことになっているみたいだけど、私はピンピンしているわ。そっちはどういう状況なの?」
「どうなっているもこうもありませんわ! なぜかジュリアン様と私が恋人同士という扱いになっていて、エドワード様は病弱で屋敷に引きこもっていらっしゃいますし、ジェラール国王陛下に至ってはまったく見知らぬ人物にすり替わっているのです!」
「僕も自分がなぜリリア嬢と恋人同士になっているのか分からなくて混乱しているんだ。それにアイラは、アルジェント公爵家を謀った悪女として、間もなく処刑台に送られることになっているらしい」
「そんな馬鹿な話があるかしら。お父様やセオドアお兄様は今どうされているの?」
「義父上と義兄上は、今まさに公爵邸で絶賛大暴れ中なんだよ。アイラがそんな悪女なわけがないと、屋敷を壊さんばかりの勢いで怒り狂っているんだ」
異変の波及はそれだけにとどまらなかった。
アイラが神聖ルシエラ教国のセレスやセリアたちの気配を探ると、魂の鼓動自体はしっかりと感じ取れるため、どうやら教国に滞在しているようであった。
一通りの情報共有を終えたアイラとレイラは、前世の知識と照らし合わせながら現状を分析した。
この世界は、どうやらアイラとレイラの知る乙女ゲーム的な世界のラスト間近のような状況へと強引に改変されているようだった。
世界の歪みと、身に覚えのない悪女という役割。
「ふふ、どうやら世界はジャンル変更がお望みのようね」
アイラとレイラは前世の知識から小説やゲームの設定を思い描き、逆境を楽しむように口元を不敵に綻ばせるのであった。
湿った牢屋の鉄格子越しに、一人の若い看守が頭を抱えて頭を悩ませていた。
彼は数日前に行われた国際ミニモンカード交流大会で、アイラと熱い握手を交わした熱狂的なファンの一人であった。
「おかしい……どうしてアイラ様が牢屋に囚われているんだ?」
看守は混乱した頭を押さえながら、ブツブツと呟いた。
「そもそも、俺はなんで看守としてここに立っているんだ? 俺は王都の衛兵で、昨日は大会の凱旋パレードで警備をしていたはずなのに……」
鉄格子の奥でふかふかのソファに腰掛けたアイラと、その内なるレイラは、看守の動揺を静かに見つめていた。
どうやら混乱しているのは自分たちの身内だけでなく、世界中の人々が丸ごと巻き込まれているようであった。
前世の知識をいくら探ってみても、このような無差別で大規模な世界改変の事例など記憶に存在しなかった。
「転生や転移が存在するくらいなのだから、こういう超常現象もあり得るのかもしれないわね」
アイラは優雅に紅茶を嗜みながら、心の中でレイラと語り合った。
「もしかして夢オチかしら、それとも古代の神々や、さらに上の次元の存在が関わっているのかしらね」
登場人物がここまでメタ的な思考に行き着く作品など聞いたこともなかったが、現実に起きている以上は受け入れるしかなかった。
そうこうしている間にも、作られた歴史通りにアイラの処刑が始まる日が刻一刻と近づいていた。
しかし、世界というか王都はすでに大パニックに陥っていた。
貴族も平民も、あらゆる人々の記憶が「ミニモンカード大会で両国の絆が深まった最高の日々」に上書きされていたからである。
神聖ルシエラ教国からは、アイラの処刑を即座に中止するよう求める厳重な親書が届いていた。
教国の信徒たちや王都の平民たちも、街のあちこちで怒りの声を上げていた。
「アイラ様が国を謀る悪女なわけがないだろう!」
「あの素晴らしい大会を作り上げたお方を処刑するなんて、何かの間違いだ!」
さらに滑稽なことに、処刑を執行しようとしていた役人や騎士たちですら頭を抱えていた。
「なんで我々は、アルジェント公爵令嬢を処刑するような段取りを進めているんだ……?」
手続きの書類は完璧に揃っているのに、肝心の処刑の動機や記憶が誰一人として噛み合っていなかった。
ジェラール国王夫妻の記憶までもが大会後の平和な世界線のものに置き換わっており、城内は何が何だか分からない混沌に包まれていた。
事態を重く見た両国は、神聖ルシエラ教国の教皇セレスに助けを求めることに決めた。
神に最も近い場所、そして神に最も近い人であるセレスに希望を託すことが、現時点で唯一の正解と思われたからである。
そしてその判断は、実に正解であった。
セレスの正体は天界に属する天使であり、自力で天界へと昇ることができる存在だったからである。
セレスはまさに信徒たちの切なる祈りが天に届いたかのように、眩い光を纏って天使の姿へと変貌した。
背中に広げた眩い純白の翼を力強く羽ばたかせると、固唾をのんで見守る地上の一同を置き去りに、彼女は王都の遥か上空——天界を目指して一直線に昇天していった。
天界へと辿り着いたセレスは、そこで人間たちには到底説明できないようなスケールの大きい真実を知ることとなった。
神々が生み出した世界を管理する「庭師」と呼ばれる存在が、定期的な剪定作業を行っただけのことだったのである。
世界そのものの存続には何の影響もない正常なメンテナンスであったが、そこに生きる人間たちにとってはとんでもない大問題が起きていた。
庭師の剪定において、稀にこのような現象が起きるのだという。
元々存在していた基幹の世界が腐食してしまったため、枝分かれした世界の中から「最も正常で良い世界」を選び出し、それを新たな基幹として植え替える作業が行われたのだった。
実は、元々の基幹世界におけるアイラは、予定通り処刑された後に天界と魔界による大戦争が勃発し、世界が滅びかけるという最悪の道を辿っていた。
それでは世界が保たないと判断した庭師が、アイラたちが生き残りミニモン大会で平和を築いた「良い世界(枝)」を切り取り、途中で腐っていた基幹世界へと接ぎ木したのである。
その結果、世界線の履歴としては「アイラが捕まっている状況」に、「ミニモン大会を成功させた人々の記憶」がそのまま上書きされるという歪みが生じてしまったのだった。
「なるほど……世界の存続のためとはいえ、実に大雑把な剪定じゃな」
真相を知ったセレスは、天界で呆れたように溜息を吐いた。
このような高次元の仕組みを、地上で暮らす普通の人間に説明できるはずもなかった。
天界や地獄、魔女の世界の住人であれば納得させられても、大陸の一般的な人間たちに世界樹の接ぎ木などと言っても理解不能であろう。
「神々の深遠なるお考えと、聖なる奇跡の余波によって生じた現象である……と説明するしかなさそうじゃな」
セレスは神の世界の出来事として全てを有耶無耶にしつつ、処刑を撤回させて人々を落ち着かせるための言い訳を携え、地上へと帰還するのであった。
天上から光の翼を羽ばたかせて舞い戻った教皇セレスは、神聖なる威光を纏いながらジェラール国王をはじめとする両国の重鎮たちへ告げた。
「このたびの混乱は、神々の深遠なるお考えと聖なる奇跡の余波によって生じた現象である」
あまりにもスケールが大きすぎる有耶無耶な説明ではあったが、神の使徒である天使の言葉に異論を挟める者など誰一人として存在するはずもなかった。
こうしてアルジェント公爵謀逆の濡れ衣は綺麗さっぱりと拭い去られ、アイラの処刑は即座に撤回されることとなった。
牢屋から無事に解放されたアイラは、泣きながら抱きついてくる家族と共に懐かしいアルジェント公爵邸へと戻った。
世界樹の接ぎ木によって世界の歪みが正されると、世界線は人々が望んでいた「適切な結婚適齢期」へと見事に収束していった。
混乱という雨が降ったことでかえって地は固まり、王国と公爵家の未来を祝う盛大な結婚式が執り行われることとなった。
祝福の鐘が鳴り響く中、アイラとジュリアン、そしてリリアとエドワードの二組による眩いばかりの合同結婚式が華々しく挙行されたのである。
こうして無事にジュリアンと結ばれ、正式にヴァリエール王国の王太子妃となったアイラであったが、ここで新たな問題が浮上した。
世界の裏事情や改変前の歴史を知るジェラール国王とテレーゼ王妃から見れば、アイラとジュリアンはすでに並外れた実務経験と手腕を備えた完璧すぎる二人であった。
それに加えてアイラは前世における異次元の知識すら持ち合わせているのである。
「ジュリアンもアイラも、もう今すぐにでも国を任せられるほど優秀じゃないか! よし、私は喜んで今すぐ王位を譲るとしよう!」
ジェラール国王は身を乗り出して前傾姿勢になりながら満面の笑みで即座に譲位を宣言し、早く隠居してカードゲーム三昧の日々を送ろうと目論んだ。
しかし、新婚早々に膨大な国務の全責任を押し付けられそうになったジュリアンとアイラは、思わず半歩後ずさりながらも断固として首を横に振った。
「父上、恐れながら辞退いたします! 僕たちはまだ、新婚として二人でじっくりと愛を育む時間が欲しいのです!」
「そうですわ、陛下! 私たちにはまだ若者としての甘い時間が必要不可欠ですわ!」
実務能力が高すぎるゆえに起きた不毛な譲位の押し付け合いに、テレーゼ王妃が絹の扇で上品に口元を隠しながら、くすくすと楽しそうに割って入った。
「そうね、若い二人にはもう少し愛を深め合う時間を与えてあげるべきだわ」
テレーゼの理解ある言葉にアイラとジュリアンがホッと胸を撫でおろしたのも束の間、テレーゼは扇の奥で瞳を妖しく光らせて付け加えた。
「その代わり、そう遠くないうちに私たちへ可愛いお孫さんの顔を見せてくれると約束しなさいな」
「「ッ……はい……!」」
王妃からの絶対的な条件を突きつけられた二人は顔を真っ赤にしながらも深く頷き、ひとまず当面の即位を免れることに成功したのであった。
時を同じくして、国王派の優秀な手腕を持つエドワードのための「ガーランド公爵家」の立ち上げも大幅に前倒しで進められた。
エドワードとリリアは新設された公爵家の当主と夫人として、幸せに満ちた新たな生活を歩み始めたのである。
そして、それからほどなくして、約束通りに王国全体を揺るがすような最高の吉報がもたらされた。
なんと、王太子妃となったアイラと、ガーランド公爵夫人となったリリアの二人に、ほぼ同時期に新しい命が宿ったのである。
月日が満ち、王太子家とガーランド公爵家の双方の家にふたりずつ、計四人の元気な男児が誕生した。
実はこの四人の赤ん坊の魂は、かつての世界線において二人を親として慕っていた四人の息子たちの魂そのものであった。
「またあのお母様とお父様の元に生まれたい」という魂たちの強い希望と祈りが天界へと届き、奇跡の再会を果たしたのだった。
かつての愛しい我が子の温もりを腕の中に抱きしめたアイラとリリアは、溢れ出る愛おしさに感涙を流した。
尊き王子と新たな公爵家嫡男という四人の男児誕生の知らせに、王国中の国民は沸き立ち、連日連夜のお祝いのお祭りが繰り広げられるのであった。




