旅立つ前に 1
不定期でごめんなさい!(;´Д`)
というか、頭ん中で色々考えすぎなのか…?
と、とりあえずこっちも更新です!
「…は?」
『いや、だから~。Youも後進に席譲って異世界に来ちゃいなよ♪』
束の間のあいだに頭の回転がストップし、フリーズするヴィーザル。
某アイドル集団の事務所社長みたいな言い方をし、またウィンクをする煌めきオネエ。
溜息混じりに
「…あのですね、貴方みたいに気楽に『任せた!』と息子に全部押し付けて何年も音信不通になれる程この席はホイホイ人に譲れるものではないのですよ?」
(まぁ、あの子達は人じゃあないんですけどね)
『いいじゃなぁ~い♪そのために長い間補佐として勤めさせたんだし。あの子だってもうお子ちゃまと違うわ、十分できるでしょ♪』
「……そうですね、あの子なら任せて大丈夫でしょう。」
ガックシもう疲れた言わんばかりのうなだれるヴィーザル。
(ぶれませんね、この方『も』。)
『…まぁ、マジな話でよ。お前の手助けがほしいんだわ。』
さっきの男性が喋るには少し高めの声色とは違い、男性特有の低めの声を聞き顔をあげると、ヴィーザルがうなだれる前とは打って変わって真剣な顔をしたバルドル。
(本気なんですね…。バルドル。)
それはバルドルが本当に本気な時にしか見せない口調に
「わかりました。猶予を下さい。」
バルドルは、よい答えをもらったと嬉そうに頷き
『勿論、あげるわ。一年後の収穫祭が終わった次の日に迎えに行くわ。』
じゃ、またね~♪とウィンクするとプッと画面が閉じ、プーップーッという電話の通話が切れた音を確認し、ウィンドウを消す。
すくっと立ち、瞳を閉じると何処ともなく柔らかい風が吹いて来て
ヴィーザルを包むとヴィーザルの輪郭が溶けていき…
完全に溶けると部屋の窓が勢いよく開き、部屋に渦巻いていた風は一気に外へと出ていった。
~島の山の中腹~
一迅の風が吹き、空中にヴィーザルの姿が現れてふわっと地面に着地する。
目の前には、分厚い銀色の大きな金属の扉がある。ヴィーザルの縦にも横にも三倍はあるだろうか。
扉には日を咥えた子狼、月を咥えた子狼、その中心に獣の耳をはやした人型の青年(腰布only)
そして、それを包むかのように蛇が周りをぐるりと周り自分の尾先を口に含む。という彫り物が施されている。
ヴィーザルは青年の隣りに空いた、不自然な間、人一人分だけ何も細工されてない真っ平らの部分に手を添えると目を瞑り…
ヴィーザルの手が緑色に発光すると、それに連動するように扉が淡い白の光を灯し
『どうぞ、入ってきて。』
凛とした女性の声が扉からして、淡い光がおさまると一度だけドクンとまるで脈動のような波動を放つ。
ヴィーザルは目を開け、添えた手を離すと目の前の真っ平らの部分が金属が収縮し、無くなるとそこには白い靄が奥までずっと続いているような空間が現れる。
ヴィーザルは、戸惑いもなくその靄の中に入っていく。
ヴィーザルが完全に扉の中に入った次の瞬間、そこにはいつもと変わらぬ銀色の扉があるだけだった。
読んで下さってありがとうございます。
不自然なほんの少しだけ切り開かせたところに銀色の扉…。
錆びない扉…。ステンレス製だとしたら扉の主は凄いハイテクなお人?ですね(笑)




