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 こちらを見据えているのか。


 それとも、誰か一人だけを見ているのか。


 わからない。


 だが、その瞳には、揺らぎがなかった。


 もっと言えば、そもそも、揺らぎというものがなかった。


 フードの奥に隠されていた素顔が現れた瞬間、ある感覚を覚えていた。


 美しい。


 最初に浮かんだ感想は、それだった。


 客観的な視点にたてば、なんとも場違いな感想この上ない。


 しかし、そういう印象を持たざるをえなかった。


 しかし、その印象は次の瞬間には塗り替えられる。


 美しいだけではない。


 近寄ってはならない。


 触れてはならない。


 そんな警鐘を、本能が鳴らしていた。


 少女の容姿は、年若く見える。


 だが、その瞳の奥には、こういう表現が適当かどうかはまったくまって自信もないが、いうならば、年齢という概念では測れない、そういう深さがあった。


 まるで、幾十年幾百年もの時を見つめてきた者だけが宿す静かな光、とでもいうのか。


 無邪気さも、驕りも、怒りも、ない。


 あるのは、絶対的な自信だけだった。

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