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「明かり、ですか」


「ああ」


 俺は、しかりといった感じで頷いてから、


「五十もいれば松明(たいまつ)の列とか……」


 スウェンは、さらりと、


「それも、無理だったでしょう」


 と、言った。


「……」


 俺は、またしてもスウェンの次の言を待った。


 スウェンは、肩をすくめた。


「あの霧です」


 言われてみれば、その通りだった。


(霧……)


 見れば、壁の外は、白い靄に覆われている。


 霧は、ただ白いだけではなく、どこか鈍く光を吸い込むような質を帯びていた。


 その場に居座るように、沈殿している。


 壁の向こう側から、鼻を突く湿り気と、微かに土の匂いを含んだ冷気が、胸の奥にじわりと入り込んでくる。 


 昨日は、こんな感じもなかったような気がする。


 だとすれば、夜半から急に立ちこめたのだろうか。


 重く湿った霧だ。

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