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しかして、
「真夜中、五時間ほど前あたりからだそうです」
と、スウェンは、やや目を細くしながら、
「あれでは、視界が五十歩先まで落ちるでしょう」
と、続ける。
「……」
俺は、目を細めた。
さもありなん案件である。
たしかに、あの霧では、視界も相当悪いだろう。
スウェンは、少し視線を上げて、
「見張り台からでも、街道の曲がり角も見えなくなっていたでしょう」
と、続けた。
(……なるほど、な)
ここまできて、俺は、やっと理解しはじめていた。
はっと気づいた、というニュアンスでもない。
それというよりは、ふんわりと部分的に理解しかけているような塩梅だ。
一周どころか何周か遅れて、周回遅れでやっとこさ追い付きはじめたような感じである。
俺は、なかば自問するように、
「霧に紛れて行軍した……?」
と、聞いていた。





