4791/4800
8-154
ぴゅうと風が鳴る。
「……」
俺は、スウェンの次の言を待った。
「南から北へ、あの群れが北から南へと街に向かってくるのとは、逆向きに吹いていました」
と、スウェンが、言った。
「……」
「音は森へ流れ、こちらには届きにくかったのかもしれません」
俺は、思い返す。
確かに、今日の街の旗は、ずっと北側へはためいている。
なるほどである。
なるほどの次に、
「その世界!」
などと、言葉を継ぎそうになるのをふいにこらえて、静かに頷いていた。
スウェンの言っていることは、的を射ているように思えた。
そして、もう一つ、疑問に思ったことを、口にしていた。
その疑問が、素人じみていや素人丸出しなのは、わかっている。
だが、ここまでくれば、ままよである。
川の流れのように、流れで聞く。
セットで聞いてしまったほうがいい。
俺は、そう判断した。





