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二人のやりとりを目の当たりにした俺としては、
(……そうなの? そこは思っているのっ?)
と、ひそやかに心中ツッコむのみである。
それから、
「ご無沙汰しています」
と、落ち着いたトーンでそう言ったパリーピは、
「ヴィセントの不動産王」
と、相手に言葉をかけた。
今まで聞いていた軽妙な口調とは少し違う感じだった。
改まった感じである。
オンとオフのかっちりとした切り替えのような、今はまさにオンのような感じである。
(……ヴィセントの不動産王、か)
聞こえたその言葉は、なかなかに重たい。
そして、パリーピにそう言われた相手は、苦笑ぎみである。
その相手とは、言わずもがな、ゲイナーである。
その人物すなわちゲイナーは、
「そう呼ばれるのは、どうにも慣れないのです」
と、返した。
「そうですか」
パリーピは、申し訳ないと謝罪した。





