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擬似魔法は、魔法瓶の中の力ある液体を解放することで、発動する。
例えば、"小さな赤"である。
"小さな赤"は、攻撃系の疑似魔法である。
ガラス瓶からこぼれだした淡い赤色の液体がきらきらと放物線を描いて輝いて、その軌道線上に炎の塊をつくり出す炎の疑似魔法である。
錬金術師であるイフは、そういういくつかの疑似魔法を扱うことができる。
そして実際、過去の戦闘において、イフの疑似魔法には何度も助けられているのだ。
ちなみに、以前イフから教えてもらった、イフが扱うことができるという疑似魔法は、他にも四つあったはずである。
水属性の疑似攻撃魔法"小さな青"。
風属性の疑似攻撃魔法"小さな緑"。
疑似回復魔法"小さな恵み(リトル・キュア)"。
疑似防御魔法"小さな盾"。
これら、四つである。
その中の一つ、疑似攻撃魔法"小さな青"、である。
スライムの群れとの戦いで見たことのある疑似攻撃魔法だ。
その特徴を、思い出す。
俺は、イフを見ながら、
「"小さな青"は射撃の正確性……それが特性の一つ、だったな?」
と、聞いた。
イフの技量の高さもあるのだろうが、俺が目にした"小さな青"は、数十メートル先の的も正確に捉えていた。
そういう、正確性が売りの一つだったはずである。





