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なぜならば、黒服Dは、地面に突っ伏していたからだ。
水音の正体は、これまさに黒服Dが倒れこんだ音だったのだ。
あっさりと黒服Dを地に沈めたネラーである。
俺は、心中唇を噛んで、
(……やってくれる)
と、思っていた。
少しは話をできそうな雰囲気もあったのだ。
にもかかわらず、お構いなしだ。
容赦なくお構いなし、である。
ためらいなくお構いなし、である。
すべてを溝に捨てていくスタイルのネラーである。
ネラーは、あきらたように、
「弱……」
と、声をもらした。
ざあざあと雨が降り続いている。
「バ、バカな……っ!」
「ア、アニキが……!」
「いったいなにが……?」
驚愕の声の連鎖である。
どよどよと黒服たちに動揺がはしっているのが、わかった。





