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なし崩し的に進んでいるこの有事、もしかするとリカバーできるかもしれない。
「あら、まとめ役さんかしら」
と、ネラーが、小首をかしげた。
ネラーが言うように、そういう立ち位置の者なのかもしれない。
年長と思しきすなわち黒服Dが、こちらに視線を向けた。
そして、黒服Dは、語調を強めて、
「お前たちはいったい……」
と、声を荒げて、
「なんの真似……」
と、言いかけた時、その時である。
ばしゃりと音が鳴った。
水音、である。
しかし、空からの雨の音ではない。
地面の水たまりが鳴ったのだ。
一瞬の出来事だった。
文字通りの、あっという間だった。
「……なっ……?」
と、黒服Cと他の黒服たちが、言葉を失っていた。
黒服Dはというと、言葉をつむげないでいた。





