↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハズレ職『ゴーレム使い』は現代ダンジョンで成り上がる ~ゴーレム工房から始まる世界一のダンジョン企業~  作者: さきら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/35

第26話 出会い

会社設立に向けて動き出してから、創は積極的にギルドへ顔を出すようになっていた。


貸与実績を積むには、探索者パーティ相手の仕事も必要だった。


「――ノア、次に声をかけるとしたら、どのあたりが狙い目だ」


『Bランク以上の、実力のあるパーティに実績を作っていただくのが理想です。信頼が得やすくなります』


「だよな」


掲示板の前で、一人の女性探索者が依頼票を見つめていた。


腰の剣と隙のない立ち姿だけで、実力者だと分かった。


「――すみません、少しいいですか」


創が声をかけると、女性は視線だけをこちらに向けた。


「……何」


「探索者向けに、ゴーレムの貸与を行っている者です。荷物持ちや、簡単な補助作業なら、お力になれるかと」


その瞬間、女性の表情が、目に見えて硬くなった。


「――ゴーレム」


「はい。効率よく――」


「いらない」


食い気味に、言葉が返ってきた。


「悪いけど、間に合ってる」


「あの、一度だけでも試していただければ――」


「聞こえなかった? いらないって言ったの」


女性は、剣の柄に軽く手を添えたまま、創を見据えた。


「ゴーレムなんて、信用してない。あんなもの、いつ暴走するか分からない」


創は、思わず言葉に詰まった。


「――何か、あったんですか」


「あんたに関係ない」


短く切り捨てるように言うと、女性は依頼票を一枚引き抜き、そのまま踵を返した。


「――あ、待っ」


呼び止める間もなく、彼女の背中はギルドの喧騒の中へ紛れていった。


「……取り付く島もないな」


創は肩を落とした。


『マスター、今の方は――』


「知ってるのか」


『黒瀬凛。Bランク探索者。剣術と身体強化スキルの併用で知られています。単独でも高難度依頼をこなすことがある実力者です』


「――そんな有名人だったのか」


『はい。ですが、今の反応を見る限り、ゴーレムに対して、何か強い忌避感をお持ちのようです』


創は、去っていった背中を思い出した。


単なる好みの問題ではない。あの言い方には、もっと根の深い、切実な何かが滲んでいた。


「――何があったんだろうな」


『詳細は分かりません。ただ、何か理由があるようです』


「――理由、か」


創は、それ以上追いかける気にはなれなかった。


「――簡単には、いかないよな」


『はい。ですが、マスターが目指すのは、ゴーレムを本当の意味で信頼してもらえる世界のはずです』


「……そうだったな」


創は、拳を軽く握った。


一度の失敗で、諦めるつもりはなかった。それでも今は、無理に距離を詰める段階ではないのだろう。


創は静かにギルドを後にした。


創はまだ知らない。この少女との出会いが、自分の未来を大きく変えることになるとは。


第26話、お読みいただきありがとうございます。


第二部の始まりは、一人の少女との、決して穏やかとは言えない出会いから幕を開けました。


一度の失敗で諦めない主人公の姿勢に、これからの展開への期待を重ねていただけたら嬉しいです。


次話では、いよいよ本格的なテストが始まります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。