竹刀の剣士、異世界で無双する その49 地区大会の選手選考
読者が、徐々に増えてきています。本当にありがとうございます。
この、物語も、あと少しで結末になります。最後まで、お付き合いください。
49 地区大会の選手選考
領都での剣道教室は盛況になり、騎士団、警備隊を中心に、たくさんの人が剣道に触れたり、学んだりしてくれた。こちらの方はひとまず目的を達したといってよいだろう。
問題は地区大会の選手選出だ。ダヒトチームだけでなく、リクスチームも、ベナランAチームからもたくさんの選手が伸びてきた。地区大会への出発まで、あと1週間。どうやって選手を選ぼうか。俺はマーローさん、バルガスさん、村長、ランケスさん、ガリスさんに相談した。
「みんな、かなり強くなりました。正直言って誰を選手に選ぶか、困っています。」
「そうでんな。うちのゲリックなんか、最初に落ちると思っとたんやが、意外に食らいついてきよったな。」
「私のところもです。双剣や槍、棍棒などの剣以外の武器の使い手も、びっくりするほど強くなりました。」
「ダヒトの村では、選手だけでなく、領都剣道教室の指導に回っていた者もみるみる実力をつけた。もう、わしではかなわんじゃろう。」
「地区大会には補欠制度が無いのですよね。」
「そうじゃ。ケガをしたらそこまでじゃ。」
「どうやって選びましょう?」
俺は、ほとほと困っていた。
「ここは、試合しかありまへんな。明日から剣道教室はお休みにして、選手候補全員での試合をしますんや。それで負ければ文句もでないでっしゃろ。」
「やはり、そうなりますか。ダヒトの村の19人。ベナランAチームとリクスチームの14人。合計33人なので、11人のリーグを3つ作りましょう。勝っても負けても、ダヒトから5人、ベナランから3人、リクスから2人の枠は守ることを伝えて、リーグ戦の勝敗で選手を決めましょう。」
俺たちは、リーグを組み合わせる作業に入った。それぞれのチームを3つに分け、ランダムに組み合わせることにした。
「では、明日からリーグ戦です。審判は私と、ランケスさん、ガリスさんにお願いします。村長とマーローさんとバルガスさんは、副審に入ってもらいます。試合時間は5分。一本の見極めは領都大会と同じにしましょう。」
次の日、集まったメンバーにリーグ戦の話をする。これは選手選考試合であることを強調しておく。そして、選手を3会場振り分ける話をしたとき、何人かが発言を求めた。
メリサさんは、
「私は、元メイドです。いえ、今でもメイドのつもりです。父の無念を晴らすため、領都大会までは剣道を頑張ってきましたが、これからはサリーさんと一緒にメイドの仕事を頑張りたいのです。なので、選手は辞退させてください。」
「わかりました。メリサさん、今までありがとうございました。」
「私も、野山に紛れての獣狩りや、敵の襲撃には役に立てますが、隠れるところのないコートでの試合には役に立てそうにありません。これまで通り情報収集をさせてください。」
ヨナスさんも辞退した。
「私たちは、職人です。これからは竹刀がたくさん必要になるでしょう。竹刀作りや防具の手入れに集中したいので、選手は辞退します。
ヨセフさんとビスナールさんが発言した。
ノーラとソーラは、
「師匠、竹刀を持たなければなりませんか? 私たちは武闘術で戦いたいのです。」
「戦い方には、それぞれの個性があります。自由に戦ってください。」
「私も、辞退します。この一か月、本当に良い練習ができました。でも、今の自分ではまだ力不足です。もっと練習して、来年頑張ります。」
リクスチームとベナランチームからも辞退者が出た。ランケスさんもガリスさんも頷いている。
「分かりました。今後も剣道教室は開いていきますので、もっと強くなってください。」
結局7人の辞退者が出たため、26人の選手が残った。これを8人と9人のリーグに割り振り直した。
「では、3会場に分かれて、リーグ戦を行ってください。皆さんの持ち味を十分に発揮する試合ができることを期待します。」
3日が過ぎ、リーグ戦に残ったのは、
ダヒト村から、リーファ、ミネルバ、メセルナ、シラック、グリッツの5人
ベナランからは、短槍使いのカンツェ、棍棒使いのジョード、大剣使いのクリスの3人
リクスからは、双剣使いのラケス、長剣使いのマーシュの2人
以上の10人で地区大会に向かうことになった。
ヨウスケの物語は、ほとんど終わりに近づきました。
現在、第2部を準備しています。第2部は、洋祐の娘のお話です。ご期待ください。




