表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
33/48

竹刀の剣士、異世界で無双する 36 襲撃の後始末 1

36 襲撃の後始末 その1


「うむ、作戦は大成功じゃ。みんなよくやった。」

村長がみんなをねぎらう。

「おかげさまで、家族を取り戻すことができました。本当にありがとうございます。このご恩にどうしたら報いることができるでしょう?」

マーローさんが頭を下げた。奥さんと子どもたちも一緒に頭を下げる。

「そうじゃな。マーロー殿は、今年の領都大会には出るのかな?」

村長が問いかける。

「いいえ。去年は、領都大会、イーファンド地区大会、王都大会と駆け上がったのですが、私の闘技術はあまり受け入れられなかったようで。『蛇』の様だ、言われて気味悪がられまして・・、今年は出場を断られました。」

「ほう、あなたのような使い手を断るとは、領都には強い人が多いのですか?」

俺が思わず尋ねる。マーローさんより強い人が出てくるとなると、うちのチームではちょっと厳しいかもしれない、と思ったのだ。

「いえ、おこがましい言い方ですが、わたしの知っている範囲ではそこまで強い人はいないと思います。新たにどこからか雇ったのでなければ・・・。」

「えっ?雇う?領都大会に出るには、その村や町の出生届が必要なのですよね?よそから雇うことができるのですか?」

俺の疑問に、『やっぱり!』と言う顔をしているのはグリッツさんだ。

「グリッツさん、何か知っているんですか?」

「いや、詳しいわけではないが、領都では、何年も前から出生届を売りに出したという噂があってな。」

「出生届を売る?」

俺は頭が?マークで一杯になった。

「マーロー殿。詳しく知っておるかの?」

村長がマーローさんに話を振る。

「はい。私も詳しくはありませんが、私の前の優勝者は北のノーチラス地方出身だと聞いたことがあります。その人は、王都大会に行けなかったのですが、そのあとの消息は聞きません。おそらくは、始末されたのかと・・・。」

びっくりだ。領都で、そんな不正が行われているとは。

「ふむ。これは、根が深そうじゃのう。わしらの手には余るわい。」

その通りだ、闘技大会のルールをめぐる争いにかかわるには、俺たちでは知識も、経験も、人脈も足りない。今は無理だ。

「そうですね。出生届の問題は今は置いておきましょう。ではマーロー殿は、領都側は今年も強い人を雇うかもしれないと考えているのですか?」

「はい。私の出場を断ったということは、それなりの強者にあてがあるということでしょう。」

なるほど。マーローさん以上の使い手が相手とは、これは厳しいな、と考え込んだところで、シラックさんが発言した。

「村長。では、我らの村でマーロー殿を雇ってはいかがですか?もちろん選手ではありません。選手たちの練習相手としてです。」

その手があったか!ナイスだ、シラックさん!

「そうですね。このチームのコーチとして雇いましょう。練習の相手だけでなく、対戦相手の情報もほしいですね。それに、マーロー殿なら相手の分析も得意でしょう。試合中のアドバイスも手伝ってほしいところです。」

「ふむ、どうじゃなマーロー殿?」

村長さんが聞くと、

「私でよろしければ、お役に立てるよう努力いたします。よろしくお願いします。」

「では、このまま、マーロー殿はわしらとともに行動してもらうことにする。ただし、マーロー殿はこの領都ではそれなりに顔が売れておるじゃろう。申し訳ないが、マーロー殿はもうしばらく死んだことにしておいて、普段は覆面をつけてほしい。」

村長が告げると、

「了解しました。」

とマーローさんは頷いた。

 そのあと、マーローさんと家族は宿の一室に入っていった。奥さんや子どもたちの疲れを癒したいのだろう。襲撃に参加した者たちもそれぞれの部屋に帰っていく。もう、夜明けも近い。部屋には、村長さん、グリッツさん、シラックさんと俺が残った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ