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竹刀の剣士、異世界で無双する 31 団体戦メンバー

31 団体戦メンバー


 村長に確認したところ、この世界でも団体戦は勝ち抜き方式ではなく、一対一の5回戦で、最終的に3勝したほうが勝つらしい。

 翌朝、まずは、上級者に選んだ10人と、村内大会で勝ち上がった2位のメンバーを集める。

「今年から、団体戦が行われることにより代表5人と補欠2人を選ぶことになった。急な変更だが飲み込んでほしい。」

村長さんが集まったみんなに伝える。

「さて、領都大会に出発するのはあと2週間です。その間に皆さんの技術を上げ、領都大会を突破できるようにしましょう。団体戦のメンバーを決める前に、団体戦のポジションの役割を伝えます。

 まずは、先鋒。勢いよく試合を進めて、こちらのペースに持ち込むことが重要です。相手に何をしてくるかわからない、と思わせることができれば上出来です。

 次に、次鋒。先鋒の勢いを殺さないように試合を進め、相手のスキを突くいやらしい攻め方ができる人がふさわしい。

 次に、中堅。力強い攻めと技で、相手を叩きのめし、戦意を奪うことが大切です。

 そして、副将。信頼できる安定した剣道で、相手にスキを突かせないことが大切です。

 最後に、大将。相手がどんな使い手であっても動じることなく自分の剣道を貫き、試合のペースをこちらに引きずり込み、勝ってくることが求められます。

 補欠の2人。正選手の5人がケガをしたときはもちろんですが、試合の流れによって、あるいは相手との相性によっては積極的に試合に出てもらいます。いわば秘密兵器です。

 こんなポジションにうまくはまる人は少ないですが、これから皆さんの持ち味を確認しながら選手の選考をすすめます。ですので、これから毎日この20人は私と稽古してください。」

 上級者10人のメンバーは、コサロ村長、グリッツさん、シラックさん、兵士のカーリンさん、メセルナさん、メイドのメリサさん、子どもグループのランス、ティング、リーファ、そこに今回は狼のイシャを外して、ティングの父親でもある猟師のヨナスさんを加えた。さらにリーグ戦2位グループの中級者は兵士のシーダさん、この人はリーファの父親だ。同じく兵士のロッケスさん。農民のグリーカーさん。その奥さんで元兵士のミネルバさん。職人組のヨセフさんとピスナールさん。さらに東子ども組の12歳のバレスに北子ども組の11歳のノーラ、ソーラの双子の姉妹、西子ども組からはリーダーの13歳のゼータが入ってきた。

 全員での基本稽古の後、互角稽古は二系統に分けた。普段の稽古を行う組はグリッツさん、シラックさんが元立ちに立って指導する。上・中級者は私も入れた19人で2列を作り、回りながら互角稽古を行った。グリッツさんとシラックさんは80名の稽古が終わった後、私の稽古に参加する。

 基本稽古では剣道の基本技、特に足さばき・体軸の動きを身につけるため現代剣道のルールで稽古をしている。しかし、互角稽古はそうではない、どのような相手であっても対処できるように何でもありの稽古になる。特に上・中級者の互角稽古では、時折、村内大会優勝者のイシャにも入ってもらう。イシャの独特の間合いの取り方、スピードに慣れてもらうためだ。時には兵士の皆さんにお願いして、槍や弓への対処の仕方も稽古する。槍は、間合いを見切って、足さばきで懐に入ることが大切になる。弓の場合は難しい。矢を竹刀で弾き飛ばすことは、全員にできることではない。やはり矢を避けながら、射る間の隙を狙って飛び込むしかない。盾を持つことも考えたが、竹刀では、片手で打っても相手を戦闘不能にできないのだ。なので盾は邪魔になる。

 そういった様々な場面を想定して稽古をしているが、何といっても肝心なのは呼吸の読み合い、技の読み合いとなる。相手の頭のてっぺんからつま先まで大きく見て、相手の構え、力の入れ具合、重心の位置、視線などを読むことで相手の狙いを想定し、受け止めたり、すかしたり、裏をかいたりして相手に主導権を渡さないことがポイントになるのだ。

 全員での稽古が終わった後、時間を延長して、上・中級者との特別稽古をする。元立ちは俺だ。俺1人に対して、上・中級者の20人が交代で打ちかかってくる。現代剣道で言う「引き立て稽古」だ。元立ちの俺は、相手の良いところ、良い打ちを引き出すように努め、時には遠慮なくスキを突く。こういう稽古を通して、それぞれの持ち味に磨きをかける。


 こうして、団体戦のメンバーを決めた。

 先鋒 スピードを生かした多彩な攻めを見せる、リーファ

 次鋒 間合いを制し、相手の後の先を取ることが上手い、メイドのメリサさん

 中堅 どっしりと構えながらも、間合いの攻防で相手を動かす、村長コサロ

 副将 闘技大会の経験があり、チームに気配りができる、副団長のシラックさん

 大将 村内一位の実力を持っており、なお、謙虚に学び続ける、門番長のグリッツさん

 補欠 意表を突く攻めを見せる、ティング

 補欠 年齢の割に力強い技を出す、ランス

以上の7名だ。また、宿の手配や選手の身の回りの世話、試合場の確認、ルールや審判の確認など、マネージャーの役割として、猟師のヨナスさん、兵士のカーリンさんとメセルナさんも領都に同行することになった。

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