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真理の探究者  作者: しま
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ギルド武器

蹂躙ですね


新しくブックマークして下さった8名の方、ありがとうございます!

とうとう僕の話にブックマークをしてくれた方が50名を超え、嬉しさで胸いっぱいです!(こんな短時間でここまでブックマークして下さる方が現れるなんて思ってもいませんでした。マジで)


これからもスムーズな進行を目指していきますので、どうぞよろしくお願い致します!

「えへへー。何をしたんでしょうねー?」


そう楽しそうに笑うフェリス。


「そういえば、先ほど大きな隙を作っていましたけど何かありました?貴方の秘密兵器がさっそく無力化されちゃったとか?」


「……」


「え?! マジですか?!イシャーナさん仕事早すぎですよー。あの人に私はいつか勝つ事は出来るんでしょうか…?」


「あれは… 一体なんだい?」


「イシャーナさんですか?神様ですよ。ご主人様がお創りになられた」


「ゼロが神を創った…?」


「えぇ。そうみたいです。外に浮いている街を見たでしょ?アレがご主人様の国、ボヘミアです。あそこには一人でこの国を滅ぼせちゃうヒトが沢山いるんです!ホウガンもアレナもご主人様の配下の方々が向かっていますので。どこをとっても貴方達に勝ち目のある戦いなんて無いですよ?」

「ゼ、ゼロはそんな戦力を何処で…」


「まぁ、それは戦争が終わったらゆっくり聞いて下さい。でも私は個人的に貴方の事が大ッ嫌いです。ご主人様の楽しみをこんなくだらない事で邪魔をした貴方がね。殺すなという命は受けているのでそこは守りますが。無傷で終わらせる気なんてサラサラないですよ?」


そう殺意の籠った笑みをデルニオーラに向けるフェリス。


「貴方と楽しくお話しする気はありません。私の”呪い”も体感して欲しいですし… なにより今度こそご主人様がかっこ良く戦っている姿を見たいんです!!」


走り出したフェリスを今度は迎え撃つデルニオーラ。既に吸血鬼は無力化されているのだ。なんとかしてこの空間から出る必要がある。

左手に毒が塗られた刃渡り40cmほどの剣を抜く。


フェリスがこちらの懐に入ってきたと同時に頬を浅く斬るように剣を振るった。

しかしフェリスは紙一重の距離で剣を躱し、黒い靄の掛かった右腕を殴りつけてきた。

急いで腕を引くが拳が擦る。すると、その拳が擦った位置から先が何の抵抗も無く砕け散った。


「ふふっ!」


そう笑って今度は右足に蹴りを放つフェリス。反応が遅れて右足に攻撃を食らってしまった。


急いで転がり距離を取り自分の右足を見る。すると予想通り右足は黒い靄に覆われていた。


「一体何をした!!」


壊された右腕には痛みが全くない。しかし当然動かす事は出来ずに言いようの無い不気味な気分に襲われる。


「右足を貰ったらお話してあげますよー」


そう言って上体を屈めるフェリス。


(絶対に右足を攻撃されてはいけない。何としても防がないと。剣を当てよう。そうすれば毒で彼女は動けなくなるのだから)


そう思い剣を構える。

今度はフェリスはすぐに走り出さずに手を前にだす。


「闇風よ 蝕め(むしばめ)」


デルニオーラはそれが何かの魔法である事は理解したが、聞いた事も無い魔法だったため行動が出来なかった。

するといきなり強烈な目眩に教われた。高熱にかかったかのように体もいきなり怠くなる。

フェリスが今やったのは<病み魔法>だ。ようはデルニオーラは風邪をひいたと言う事。

今の魔法の効果時間は数十秒といったところだろうか。

時間をかけて魔力を練れば死ぬような魔法を撃てるが、短時間でも魔法耐性が低ければ十分な戦闘力低下を狙える。


意識が朦朧とする中フェリスが音もなく近づきデルニオーラの足を蹴りとばす。

デルニオーラは魔法の影響なのか足を失ったからなのか分からず地面に倒れた。


そして意識が再びはっきりしたところで自分の右足が無くなっている事に気付く。


「あぁ… ここまで何も出来ずにやられるなんて… 君は一体何なんだ?僕の知らない力を沢山持っているようだが…」


「ふふー。素直に負けを認めるんですね。ちょっと評価を上げましょう。私が何をしたのか教えて上げます。

ではまずこの空間。これは私が闇魔法で作り出した幻想の世界です。現実の貴方は今突っ立ってますよ。なので、この空間で起こった事は意識を強く持てば反映されません。つまり全て夢だと、現実には何も起こっていないと思えれば貴方の手足はちゃんと問題なく動かせます。

でもぉ〜、そんなに上手くいかないんですよねー。我々のように高度な知能を持った生物は想像上の事が実際に体に悪影響を及ぼす事があります。私も一時期ご主人様の魔眼による攻撃にさらされ続けてご主人様にじっと見られるとそこの場所が燃えるように熱く感じるなんて事が起こったんですよー。で、それを敵に与えられないかなと考えて発明した魔法がこれです。

対象に呪いをかけたように見せて靄を付け、そこに攻撃をあてるとその部位が砕け散る。砕けた場所はもう存在しないと認識してしまいますよね?そしてそのまま現実に戻ってもその場所は動かせなくなると…。そんな感じですねー」


「な、なんて魔法だ… しかし種明かしをすれば恐れる事はないから問題なく目覚める事ができるはずだ」


「そうかもしれません。今は実験中なんですよ。だから魔法を解いた時に動かせるのか確認したいなーって。じゃあ、解除しますよー」


そう言って指を鳴らすフェリス。デルニオーラの目の前が真っ暗な空間から先ほどの会議室に移る。

デルニオーラの体は地面に横たわった状態だ。とにかくフェリスの魔法の影響が出ていない事を信じて右足と右腕を動かそうとする。


しかし、どちらも動かなかった。


「どうです?動かせます?」


そんな声が頭上から響く。


「う、嘘だ… こんな結果信じられるか!」


「そう言われましてもー。今貴方の腕触ってるんですけど感覚無いでしょ?」


「嫌だ。嘘だろ…」


嘘だと呟き続けるデルニオーラ。

その時、今いる世界に少しの変化が起こる。

何というか、世界の彩度が上がったかのような。テレビで見ていた映像が現実に見ている世界に切り替わったかのようなそんな変化だ。

そんな変化にも気付かず手足を動かせないデルニオーラを見ながらフェリスは思惑通りの結果に満足する。


(たった今魔法を解除しましたが動かせないみたいですね。解除するって言って見せた世界も幻想だったのになー。やっぱり少し期待を抱かせてそれを潰した方が単に説明しないで解除するよりも上手くいくみたいです!流石ご主人様。考える事が外道です!)


つまり、フェリスが魔法を解除すると言って指を鳴らし戻った城の中はまだ幻想の中で、そこではフェリスの魔法の効果が続いているため体を動かせないだけだったのだ。それを現実世界と認識したデルニオーラは本当に動かせなくなっていると勘違いしたという事。そんな考えを植え付けた後で本当に魔法を解除する。錯乱している状態でなければ変化に気付くかもしれないが、それに気付いていないので違いを認識出来ていないと言う事だ。

この提案はゼロがした。出来ると思わせて出来ませんでした、という上げて落とす方法が絶望を与える上ではいい方法だからだ。


実際に城の中に戻ったフェリスは城の外の上空で魔力が膨れ上がっているのを感じた。


「さて。ギルド武器とやらを破壊させて頂きますか! ん?これは…相当な力ですな。ご主人様が戦っている教皇さんの力でしょうか?エストリーは… 廊下で雑兵処理ですか。頑張れー。私は観戦させてもらいましょう!」


そう言って外を見る。

そこには光輝く大きな魔方陣を出現させる教皇と険しい顔でそれを見るゼロの姿があった。



———————————————————————————————————


「ふははは!聖なる力でこの国の汚れた部分ごと貴様を滅ぼしてやろう!」


そう叫ぶ教皇。

ゼロはギルド武器を構えて言った。


「いや。これはダメでしょ。もうどっちが悪者か分かんないな。俺がこの国を救うんじゃー」


「神の光よ! 邪悪な者を消し飛ばせ!」


「暴食よ 欲に塗れた(まみれた)者を喰らえ」

ゼロがギルド武器を掲げてボソリと呟く。


杖の上にある女性が持つ玉が黒から黄色に変わり、そこから男の上半身が現れた。

その男は服を纏っておらず、肋骨が浮かぶ程痩せこけている。髪もヒゲもボーボーのボサボサで清潔感が微塵もない。地獄で責苦を背負う罪人のようだ。

コイツは強ボス七つの大罪の暴食さんご本人である。

こいつの凶悪さの説明は割愛させて頂こう。この世界でまた戦う事もあるかもしれない。


暴食さんは目の前の膨大な魔力を見てニヤリと笑みを浮かべると両手を伸ばした。

そしてその手から錆びてボロボロになった鎖が何本も教皇に向かって伸びる。


「な!?何だ?!それは!」


鎖は教皇に絡み付くとそのままもの凄い力で食い込んでいく。

教皇の清楚な白い服が見る見る真っ赤に染まっていく。


「がぁぁぁあああ!!焼ける!体が焼ける!何故魔法が発動しない?!」


そう言って見上げた魔方陣は小さくなっていき、やがて消え去った。


「さぁ!教皇様。俺のギルド武器とアンタのギルド武器の性能勝負だ。この暴食は対象の魔力を無くなるまで食い尽くす。本当にアンタのギルド武器が無限に魔力を産むなら大丈夫だろ?ほら。頑張れよ」


暴食さんと一緒にニヤリと微笑むゼロ。

教皇にとっては魔力が枯渇するという問題よりも鎖の苦痛の方が問題だったりするんだが、あえて痛そうなのは無視する。


「この悪魔がぁ!暴食だと?!そんな伝説の化け物を扱えるわけが! ぐぅぅぅぅ!!」


「あ… 魔力が減ってきましたねぇ…」


「そんな!あの莫大な魔力がもう尽きるというのか!嫌だ!こんな形で死ぬのは!」


「俺に喧嘩を売るからそうなるんだよ。[教皇殺しの犯人]はちゃんと背負っていくんで。この国も今よりは良くしますよ。ハハッ!!」


「あぁぁぁぁぁ……」


次第に教皇の声が小さくなり、体もやせ細っていく。

そして教皇は死んだ。


暴食さんは久しぶりの食事に満足そうな顔をしていらっしゃる。


「お疲れ。戻っていいよ。また戦争のときは食わしてやるから」


暴食さんはニヤリとこっちを見て杖に消えていった。



さて。後始末をしますかね。



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