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真理の探究者  作者: しま
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首都の戦い

「爆ぜろ!敵を消し飛ばせ!!」


ギルド武器を掲げて魔法を唱える教皇。

ゼロは爆発が起こる寸前で<閃光>を振るい魔法を消し飛ばす。


「危な!!お前、城の中で何やってんだ?!死にたいのか?」


「黙れ!貴様だけは何としても殺してやる!マークス様無しでこの国は成り立たん!どうせ滅びるのだ!ならば城がどうなろうと関係あるか!!」


「うわー… もう完全にキレちゃってるわ… でも城はあんま壊さないで欲しいんだが… ちょっと表出ろ」


ゼロは<風纏>を装備して教皇の後ろ首を掴み自分の開けた穴にぶん投げる。


「ぐおぉぉぉ!! っく! 飛翔!」


身体能力は高くない教皇。なすがまま吹き飛ばされるが飛行魔法を使って空中に留まる。

それを城の中から見るゼロは思わず感心した。


「おー。飛べるのか。このまま地面に落ちて死んでくれりゃ楽だったんだが」


教皇は血走った目をゼロに向ける。


「貴様… その刀が神から与えられた武器か…?」


「さぁ、どうだろうね?ギルド武器の攻撃が防がれた事が不思議か?確かにそこそこの魔力が籠められていたけど…」


「そこそこだと?強がりはよせ!何発かは防げたとしてもこの武器の能力にかかれば貴様が死ぬのも時間の問題よ…」


「ふーん。まぁ、楽しみにしてますわ。じゃあ、行くぞー」


<潰命>を装備して教皇に向かって飛ぶ。教皇の自信から何かしらの対策があるものと考えいつでも退避できるように全力では攻撃をしない。

しかし普通の人間からすれば必死の攻撃なのだが。


教皇の目にも見える早さで<潰命>を振る。

教皇の頭に当たる前に再びギルド武器をかざし、「我が身を護れ!」と叫んだ。

潰命は教皇の頭を粉砕する事無く手前で現れた透明なドーム状の結界に防がれる。


「へぇ… これを防ぐのか。中々のものを持ってやがる…」


そう言い、結界を蹴って距離を取り<パーカー&バロウ>に切り替え同じ場所を貫通弾で撃ちまくる。

どのくらいの強度なのかを知りたかったからだ。

潰命が当たった箇所とは別の教皇の左肩くらいの位置を撃つ。

マシンガンのような速さで撃ち込まれる銃弾。教皇が回避をする前に結界は破られ銃弾が肩を貫いた。


「がぁぁああああ!!何だ!?この防御魔法がこんな簡単に破られただと?!」


「いやいや。簡単じゃないよ。貫通弾を37発も撃ち込んだんだ。相当な物理防御だ。誇っていいぜ」


「くそ! この武器がある限り私の魔力が尽きる事は無いのだ!!」


「それがこの国のギルド武器か… すげぇな」


そう言いつつゼロは教皇の言っている事は間違いだと確信している。流石にギルド武器と言っても永久に魔力がなくならない効果なんて持たされるはずが無いから。

大方所有者の魔力を一定量に引き上げるのだろう。ようは魔力の詰まったボンベを背負って戦えるみたいな感じだ。

そういうギルド武器を持っている奴はPC時代にも戦った事があるが、魔法使いだったな。

あの魔法使いのおっさんが使う武器だから相応しい武器といえる。

しかし、この武器は何処まで使うと魔力が枯渇するのかをちゃんと把握して戦わないといけない。調子に乗って使い過ぎると意外と早く魔力は尽きてしまうのだ。

コイツは初めてギルド武器を使っているから加減を全く分かっていないだろう。

自分の魔力が無尽蔵に感じられて軽くトリップ状態だ。


(このまま踊らせて魔力枯渇を狙おう。魔法使い相手の鉄則だな。飛ぶ魔力も無くなって自殺してくれたらなお良し)


「ならその無限の魔力で俺の攻撃を防ぎ続けろ。攻撃は慣れてないみたいだからな!」


そう言って冒険者ナイフを投げ、先ほどの結界を壊した場所を通す。

自分の力に軽く酔っている教皇はそれをしゃがんで躱し、立ち上がると同時に再び魔法をかけた


「神よ! 我に敵を滅ぼす力を与えよ!」


これはエフェクト的に肉体強化の魔法か。そう推察したゼロはまたも煽ってみることにした。


「なんだ?肉体強化か?俺と殴り合いでもしたいの?」


「馬鹿が! この武器は魔法を複数同時に使用出来るのだ!つまり、こういうことだ!」


教皇がヒトにしては結構速い動きで移動をする。

そして頭上から火の魔法を放ってきた。


「は?! 下には皇国の市民がいるのに何考えてんだ?!」


ここで避けたら街に被害が出るので<閃光>で魔法を斬る。

まだ魔法は斬れるが、あと10発は無理だろう。

そうこうしている間にも教皇は街を無視してゼロに魔法を撃ち込んでくる。

ゼロは教皇に魔法を斬りながら近づいていく。

特に吸血鬼である事を隠すつもりは教皇に対しては無い為、<魔眼>の<オーブン>を発動して目に見えない攻撃を入れる。


教皇は己の異変にすぐに気付き回避を取る。ゼロも教皇の回避する位置に炎を出現させ燃やそうとするが、身にまとう防御魔法を展開し防いだ。


(あ、纏うタイプの防御魔法発動したな。アレ魔力超食うんだよな)


教皇に余裕が無いことを確認し次はどうしてやろうか考えるゼロ。

すでに教皇と同じ高さにまで上がっているので街への被害は殆ど出ていない。


ちなみに首都にいる騎士はほとんどが戦いもせずゼロやインドラを見ている。

最初はインドラに攻撃をしようとした連中もいたが攻撃が届く事も無く消し炭にされている。

ボヘミア内部に侵入できたヤツは今のところいないっぽい。


「はぁ… はぁ…」


「お?息が上がってますよ?教皇様。あと、己の国の者がいるのも構わず魔法を放つってどうなんですかね」


「民など勝手に増えるわ!ここは奴隷が暮らす場所だ!そんな場所、どうなっても関係がないだろう!」


「うわ… クズじゃん」


「何だ?貴様は奴隷を護りたいなどと思っているのか?ならば護ってみせろ。侵略者が!」


そう怒鳴ってギルド武器を掲げる。教皇の魔力が高く、濃くなっていくのが感じられる。


「これは… 広範囲、高威力の魔法をぶっ放す気か… 全く、自分だけ防ぐなら<如月>で良いんだけど、下にいる連中護るなら使わなきゃいけないか…」


そうため息まじりに呟いてゼロはギルド武器を取り出した。



———————————————————————————————————


「ふむ。力はあるようだが操られている為十分に発揮出来ていないな…」


お姉さんの拳を避けながらラクシャは冷静に分析する。

吹雪が吹き荒れる凍土にいるラクシャとお姉さん。

今二人はイシャーナの空間魔法で作られた世界にいる。


イシャーナが得意とするのは光魔法と空間魔法。

この時点で吸血鬼に勝ち目は無いのだが、ゼロから殺すなという命を受けている以上思いきり戦う事が出来ないのでせめて楽しむ為に工夫をした舞台設定してみたのだ。


イシャーナが優れているのは相手の攻撃方法を見破る力だ。

ボヘミアの城に敵が入ってきて十二天それぞれの間にどいつを飛ばすかを選んでいるのが実はイシャーナだったりする。

強い者との戦闘を望んではいるが負けは許されないと思っているのでこちらに相性がいい戦いをする事を常に考えている。


お姉さんは土魔法で地面を操作して敵を倒す吸血鬼だ。

それを既に見抜いていたイシャーナは地面が分厚い氷で覆われた空間に飛ばした。

氷の大地は土魔法の効果を受けない。更に魔眼対策で自分は帽子を深く被り目を見ないようにし、この空間には他に生物は用意していない。なのでお姉さんは自分の体を使った攻撃をしているのだが、ギルド武器の支配による影響で体の動きが微妙にぎこちなく、吹雪で視界を奪われ、さらに寒さで体の自由を奪われている。

当然近接攻撃も神クラスの実力はあるイシャーナにそんな体で繰り出される攻撃が当たるはずが無い。


「今の貴様ではやはり物足りないな。まともになった際は主に許しを得て再び戦わせてもらうか… ではな」


イシャーナの肘がお姉さんの鳩尾に刺さり吹き飛ぶ。暫く転がった後起き上がったお姉さんの足下から突然ガラスのような物で出来た棺が現れた。


「暫く寝ていてもらおう。この封印魔法は全ての魔法効果を打ち消す。この程度のギルド武器ならば貴様を縛る力を打ち消す事ができるだろうな…」


指を鳴らし棺が閉まる。お姉さんは抵抗する間もなく棺に閉じ込められた。

閉じ込められたお姉さんは死んだように動きを止め、目を閉じた。


———————————————————————————————————



フェリスに謎の魔法をかけられ真っ黒い空間に移動させられたデルニオーラは自分の切り札が敵を倒して駆けつける事を信じてひたすらに攻撃を避け続けていた。

デルニオーラはAランク冒険者である。元から力は弱く、スピードがあるタイプの冒険者だった。

しかし、フェリスを前にしてスピードで打ち勝つのは不可能だ。しかし、ギリギリのところで攻撃を避ける事は出来ていた。デルニオーラのギルド武器には支配しているモンスターの力を少し使う事が出来るからだ。

そう出なければとっくにひき肉になっている。

対してフェリスは何か変わった事を仕掛ける事無く拳を振るい続けている。


しばらくそのこう着状態が続いている中とうとう変化が訪れる。

フェリスの攻撃を必死に避けているデルニオーラは自分がギルド武器で支配下に置いた吸血鬼の支配が解けたことを感じたのだ。


「何?! 僕の武器が破られた?! そんな馬鹿な!!」


「馬鹿は貴方ですよー。私との戦闘でよそ見するとか何考えてるんです?」


闇魔法を纏い黒い(もや)に包まれた拳がとうとうデルニオーラの体を捉えた。

咄嗟に右腕で防御し大きく飛び退いて威力を緩和する。

追撃を警戒しフェリスの動きを見るがフェリスは不思議とニヤニヤ見るだけで追撃をしてこなかった。


(何を企んでいる?)


先ほどから意味の分からない事をされているのでフェリスに対する警戒は大きな物になっていた。


体勢を立て直し、再び構えようとしたところでフェリスの攻撃を防いだ右腕に違和感を感じる。

自分の右腕がフェリスの拳のように黒い靄が纏わり付いているのだ。


「何をした…?」


「えへへ。何でしょうねー。すぐに分かるのでそれまでは自分で考えて下さいー。ヒントは”呪い”ですよー」


「呪い…?」


「さぁ!続きをしましょう!」


フェリスは自分が密かに鍛えていた修行の成果をここで思う存分発揮するのであった。



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