出陣
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新しくブックマークして下さった10名の方、本当にありがとうございます!
最近倦怠期になってる気がしますがノンビリやりたいと思っておりますー。
まずはギルド戦争から始まります!
俺は3人を自室に招く。と言ってもPCでは3回くらいしか入った事無いが。でもこだわって作ったので大きくて奇麗な部屋だ。
「ご主人様って本当に神様を従えてる凄い人だったんですね…」
「そうだよ。今まで嘘だと思ってたろ?」
「はい…」
「少なくともお前らの部屋は用意させないと… ナーサ、ダスラ。母様とフェリスにこれから住む為の部屋を用意してくれ。エストリーは良い客間を用意しろ」
「かしこまりました」
そういって部屋を出て行く。
「さて、一番混乱しているのは母様ですよね? 簡単に説明しますと、僕には前世の記憶があります。神に力を封印されて貴女の子になったんです」
「…貴方が前の記憶を持っていたのは産まれた時からなの?」
「…いいえ あの魔法使いに襲われた時ですね… 思えばあのネックレスにした石を拾ったのも例の神の思惑通りなのかも知れません…」
「そう。前世の記憶が戻ってからも貴方は私を捜してくれた。貴方は今も私の息子と思ってくれているのよね?」
「当然です。母様こそこんな得体の知れない者に変わってしまった僕を自分の子どもと変わらずに思ってくれますか?」
「当たり前でしょ!貴方が私の為に何をして来たかを知った時は少し怖くも思ってしまったけれど、でも世界が敵に回っても私は貴方の味方だから! あの時私を救ってくれてありがとう…
本当なら私が貴方を守らなきゃいけなかったのに…」
途中から涙を流しながら話すニーナ。俺の胸にも込み上げてくる物があるな。
「いえ。大切な家族を守るのは当たり前です。これからも貴女は僕が守ってみせます」
「ありがとう。ゼロ」
そう言って俺を抱きしめるニーナ。
「いーなー。私もそんな事言われたいですぅ」
「親子の感動シーンを壊すんじゃない」
「そういえば、この子達ともお話したいわ。確かこの女の子は吸血鬼って…」
「そうだよ!私はラヴァルの血統のエストリー!」
「やっぱり!あの魔女なのですね?!」
「母様も知ってましたか」
「もちろん。ラヴァルの血統は閉鎖的な吸血鬼の世界でも異端だもの。その上世界を渡り歩いていながら千年を生きる吸血鬼は稀だわ」
「そういえば、一つ疑問が。我々の血族の者は何処にいるんです?なんで母様は一人だったんですか?」
「そうだよー。モーガンの血族は仲間をすっごく大切にするでしょ?相当厄介な問題抱えてるんじゃない?」
「う… そ、その前に!そこの獣人の子とお話したいわ!」
なんか思ったより厄介事っぽいな。まぁ、ここは言う通りにしてあげようか。
フェリスに視線を送って自己紹介するように促す。
「はい!はじめまして。お母様。私はフェリスと申します!死の淵からゼロ様に救って頂き新しい姿と名前を頂いたのです!身も心もご主人様に捧げ尽くしております!」
「嘘付け!文句ばっかりじゃねぇか!」
「身、身もって… そんなのダメです!」
「ほら!勘違いしちゃったよ!煽るな!俺が説明するから」
「説明して」
「はい。コイツの中には神が入っていましてね。最初はそれ目的で救ったんです。今は本人も戦力にもなりますし話し相手にもなるので大切な家族です」
「「か、家族!!」」
フェリスには思いもよらない言葉だったのかガラにも無く顔を赤くしている。
「家族です。関係は主従ですが」
「そう… まぁ、それならいいのかしらね」
「男女がいたら一々恋愛に結びつけないで下さい。そんな暇はありませんし、その気になればこのボヘミアなら女性には困らないです」
「ちょっと!何言ってるの!」
「ここは城も住んでいる住人も僕が1から作り出しています。つまり!ここは僕の夢が現実になった場所ってことなんですよ!女性は凄く美しい子しかいないでしょ?」
「「「…」」」
女性陣の目が冷たい。
「とにかく、コイツはそういうのじゃなくて… うーん、背中を預ける戦友?みたいな感じです。いい子ですよ?」
「ゼロがいうなら信じるけど…」
「はい。信じて下さい。 で、母様の眷属についてですが」
「えっと、そこまで深刻な話じゃなくてね?別に追い出されたとかじゃないの。ただ、私が転生したのが20の時でその時も世間知らずのお嬢様だったの。で、吸血鬼になってからも私のマスターは私を外に出そうとしなくてね?で、つい…」
「……家出?」
「あ、あははー…」
「コイツ、思ったよりアグレッシブだよお兄ちゃん。ウチの血族の方が向いてたね」
「追いかけてこなかったんですか?」
「うん。ついてこないで!って言ったら膝抱えて泣き出しちゃったから」
「おい。モーガンって思ったより面白そうな血族じゃねぇか」
「噂は所詮噂だったってことだねー」
「母様。戦争が終わったら里帰りしましょう。一度戻って謝罪するべきです。きっと貴女の主も待ってくれていますよ」
「うぅっ!この事で息子に諭されたくはなかったわ!怒られるならまだしも諭されるなんて!」
「モーガンの集落のような場所はどこにあるんです?」
「……魔の森の東の方」
「よし。戦争終わったら神国行く前に魔の森のモーガンの館攻略だな」
「その前に青龍を攻略しなきゃですよ!」
「おぉ!そうだった。ライデスに思い出作ってやらなきゃな」
この後は俺の命令をこなしたナーサとダスラがお茶を持って来てそれを飲みながらナーサとダスラも加わって女子5人で話が弾んでいた。俺は久しぶりの街をバルコニーから眺める。
さっき爆発音みたいなのが聞こえてたけど…
向こうから典型的な屋台を建てているテキ屋の人が見えるな…
ヤマも積極的に働いているのが見える。意外だ。自分の手下に指示されて動いてるよ…
主人のキャラがアレだから腹心はしっかりしてるって設定にしていたんだっけ。
そうそう、このボヘミアの住人は全員十二天の誰かの部下と言う事になっている。
戦闘担当や防衛担当、生活担当などそれぞれの役割の十二天がいるので管理してもらっているのだ。
俺の直属の部下はナーサとダスラだけ。生活担当のプリトゥの部隊も俺のお世話もするって設定にしてた気がする。
「暇だから城の中を回るけど来る人ー?」
はーい。3人とも手を挙げたので城を案内してやる。
この城は4階立てだ。一階には食堂や玉座がある。外には温泉が完備してあり、庭もあったりするのだ。二階は客間や一応遊技場なんてのも作ってる。
3階は十二天や城に住む者の部屋があって、4階に俺の部屋や書斎があるのだ。屋上にも上がれるようになっており、そこには武器が配置してある。
ちなみに招かれざる客が城の中に入るとそんな風には見えない。ブラフの歓迎転移魔法が発動し別空間の戦闘の間に飛ばされるのだ。相手の属性を把握し相性の悪い者と戦わされる。例えば即死耐性が無い奴はヤマの前に出る。戦闘の間は俺は自由に出入り出来るが普通は十二天の部屋からしか行けない。
そんな感じで空き部屋が多いんだが、基本空き部屋にはトラップが満載なのでここの連中も不用意に入ったりしない。
俺も自分で初めて歩いて城を回るので頭を彼方此方に視線を移動してしまう。
城を一通り見た後で屋上に出て街を見下ろす。そろそろ準備も出来て来た頃か。戦闘街は明日行こうかな。
準備ができたとナーサとダスラから報告が来た。
「皆にグラスを渡し好きな飲み物を入れさせて広場に集まるよう言ってくれ。皆も先に街に下りてくれる?城に残っている者も全員だ」
そう命令して全員を街に出す。また暫く待ってから<韋駄天の下駄>で上空から広場へと飛び出し皆の頭上に立った。
広場の中央の噴水の上に立つ。
みんな俺が何処に立つのか分かっていたのか噴水を囲んでいた。
では、演説を始めようか
「皆さん。飲み物は持っているか?」
おぉ〜〜!!
「ここにいない者はいないな?」
おぉ〜〜!!!
「細かい話は準備中に聞いたかと思うが、俺は自分の国に13年ぶりに帰って来た!再び皆に会えた事を嬉しく思う!!今日はボヘミアの皆が再び合えた祝いだ!俺も一人の祭りを楽しむ者としてウロウロしているので気軽に話しかけて欲しい!では、皆が再び出会えた事を祝して!!乾杯!!」
うおぉぉぉぉぉぉ!!!!
乾杯って分かるのか不安だったが、俺がグラスを掲げたら皆も真似してくれて良かった。
こうして祭りは次の日の昼まで続いた。
準備にも色々あったみたいだし、祭り中にも色々あったんだが、それはまた別の機会に話そう。
次の日は昼まで祭りをやった後に片付けだった。皆断ってきたけど俺も手伝ったよ。
そして次の日には戦闘街に向かい兵器や戦闘街の様子を確認。別になにも不備は無かった。
後は敵地の街の様子を十二天に教えたり、駄弁ったりして1週間程が過ぎてしまった。
定期的に会議も開いて言いたい事は言ったのでもう各自出陣知すれば良いだけだ。
武封国に向かうスーリヤ、ホウガンに向かうラクシャ、アグニ、ラバナ、そしてそれぞれが選んだ部下の出陣が間近なので、今度は戦争の前の演説をするために城のバルコニーに立っている。
側には十二天が立っていて下に他の者が俺を見上げている。
俺は話し始める前に一本の杖を装備した。
その杖はシンプルな真っ黒の杖だ。ただし、杖の先端にはローブを被った女性の胸から上がついていて、そこから伸びる両手で一つの黒く光る球体を持っている。
これがギルド武器<無限の罪>。俺が課金をして自分で作った物だ。
この武器にはQTで十本の指に入る強ボスである七つの大罪を倒して得られる<罪の宝珠>を七つ全て使い、杖自体はこれまた単体で神級の物を組み合わせて作った俺の傑作だ。
普通<罪の宝珠>は一回使い切りのアイテムなのだが、これをギルド武器にしたため使っても消えない仕様になったのだ。ギルド戦争でしか使えないし、ギルド戦争中もそれぞれ一回しか使えないがそれでも十分にゲームバランスを崩壊させる武器である事に変わりはない。
そのギルドの象徴を掲げ俺は話しだす。
「これより我々はギルド戦争に入る… 今まではこのギルドを守る戦いだったが今回はこちらから攻めるんだ。初めての事なので気持ちが昂っている者が殆どだろう。しかし、皆に一つ心にとどめてもらいたい事がある。それは、決して虐殺をするな、ということだ。我々は強者である。今回の戦いで必ず勝利するだろう。それも圧倒的な勝利だ。だが、そこで必要以上の殺戮を行う事は禁止する。無抵抗の市民を殺すなんて以ての外だ。こちらの力の見せつけるのに多くを殺すという方法をとる必要は無い。神として力を振るう事を望む。
我らボヘミアは最強のギルドだ!それを見せつけてやれ!今このギルドの象徴であるこの武器に誓え!我々は最強であると!!」
うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!
大きく叫ぶボヘミアの者達を見て俺は満足気に頷く。
(これなら今後神と戦う事になっても大丈夫だな。今回の戦争で改めてこちらの戦力を確認しよう…)
そう思ったのだった。




