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真理の探究者  作者: しま
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惜別。そして帰還

やったぜ


(長くなってごめんなさい…)

ここんとこ暫くは新しい旅の同行者となるライデスの為に俺たちの事を色々教えてやっていた。

互いに自己紹介もする。やはりライデスは俗にいうサイボーグだった。

QTでも変わり種としてちゃんと存在する種である。機械の街なんてのも存在したからな。


俺はアイツの金属をもっといい物に変えてやった。俺の<錬成>を見て目が飛び出す程驚くライデス。コイツは青龍で鍛える事にした。ちょっと攻略速度を落とそうかな。




そしてまた次の日。そろそろ青龍で締めますかーなんて話していた時にデルニオーラから呼び出しがあった。

嫌な予感を抱いて屋敷に向かう。


執事に通され、デルニオーラの自室に招かれた。


「やあ。いらっしゃい。ここには本当に気を許した者しか()れないようにしているんだ」


「そうか… それは光栄だよ。で、用ってなんだ?」


少し言いよどんでデルニオーラは申し訳なさそうに言った。


「……戦争が始まる…」


「はぁ…… 止められなかったのか?」


「もう何を言っても無駄だったよ。疑心暗鬼に陥って、アレナにいるかも、からアレナがやったに変わるまですぐだった」


「お前はそんな壊れた国に加担するのか?もしかして、代わりに自分が治めようなんて思ってるんじゃないだろうな?」


「僕はね。皇国出身なんだ。僕は亜人だったから奴隷のような扱いを受けていたよ。でも、そこにも僕に優しくしてくれる仲間がいたんだ。彼らはまだ皇国で苦しんでいる。今回の戦争で僕が皇国をまとめ、国を変えてやる。それが僕の野望だ」


「そっか。俺を敵に回してもか?」


「君も友達だから殺したくないよ。だからこうやってこの国を発つ前に呼んだんだ」


「悪いが、売られた喧嘩は買う性分なんでね…」


「残念だな… 僕の神から与えられた武器は最強だよ?神の武器を持っていない君が勝てるはずが無い。カリムは今回の戦争に参加しないだろう。まだ国としてまともに機能してないアレナが加わって勝てると思う?」


「あぁ… 勝ってみせるよ」


「そうか… 残念だ。君は本当に楽しい友達だった」


「俺はお前を殺すつもりは無い。安心しろ。また笑って話せるさ」


「僕も、君は殺さないよう言っておこう」


そう言って握手をして俺たちは別れた。


『ただいま、ギルド パニッシュのギルドマスターから宣戦布告を受けました。これよりパニッシュと戦争状態に入ります。なお、パニッシュはインペラと同盟を結んでいます。インペラが貴方との同盟ギルド アレナに宣戦布告をしました。これより同盟同士の戦争に変わります』


そうアナウンスが鳴ったのだった。


それから数日、武封国は大騒ぎだ。恐らくアレナはもっとだろう。

まず俺はカリムと話し合いをした。


カリムは状況を理解すると何か予感があったのか血相を変えて何処かへ走っていった。


そのまま待っていると1時間程で戻って来た。


「くそ!やっぱりあの吸血鬼を持っていかれてる!」


「?」


「アイツのギルド武器はどんな者でも従わせる物なんだ!あの吸血鬼がここに住み着いてから嫌な予感はしてたんだが案の定だ!」


「まぁ、分かってても事前に戦って勝てる訳じゃないから仕方ないよ。なんだ、テイムタイプのギルド武器か… 本当に対した事無いな… それで?貴方はどうするの?」


デルニオーラの言った通りカリムは今回の戦争に参加しないとのこと。



とりあえずアレナについては言う事があったのでカリノフに手紙を書いてそれを渡してもらうようにカリムに頼んだ。


武封国はそこまで混乱している様子はない。デルニオーラが消えた事は騒がれているが、カリムが落ち着かせているようだ。

カリムのところのSランク、シルヴァレが主に先頭に立っている。やっぱかっこいいな。



待ち望んだ時は突然やってきた。しかし、最高のタイミングで。



宿で手紙を書いている途中、何か途轍もない物が近づいてくる気配がした。しかし、懐かしい雰囲気。


「最高のタイミングで来てくれたな! 俺が探し当てるつもりだったけどアイツらも探してくれてたんだな… ニーナは元気だろうか」


「ご主人様!なんかこの世の終わりみたいなのが空から近づいてくるって!ガルーがめっちゃテンパってます!」


「俺のギルドが迎えに来てくれたんだよ…」


『まさか!これほどに魑魅魍魎の跋扈する物だったとは!!見くびっていた!なんて事だ!!』


「お、落ち着いてよ!」


「よし、さっさと合流したい。こっからは急ごう。まずはエストリーに付いてくるかどうか聞かないと」


夜、エストリーに自分のギルドが近くに来たが一緒に来るか聞いた。


「う〜ん… ぶっちゃけ神国には行きたくないんだよねぇ。好き好んで死地には行きたくないよ。でも、お兄ちゃんのギルドは興味あるかも」


「なら、皇国との戦争中は俺のギルドに招待してやる。戦争後はやってもらいたい事があるからここに残ってくれ」


「え!? 私と縁を切るって言うかと思ったのに」


「もう立派な仲間だからな。お前に頼みたい事があるんだよ」


「いいよ!チームゼロの3番手としてちゃんと仕事をこなすよ!」


「ありがとな。後は、ライデスか… アイツには悪い事しちゃったな。せっかく旅に連れてってやるって言ったのに」


「しょうがないですよ」


翌日、ライデスに会い俺の考えを告げる。


「これから俺は皇国と戦争になるんだが、お前はどうしたい?」


「お、俺は個人での戦いに身を置く者だ… 戦争に参加するつもりは無い…」


「だよな。でも、もし武封国に因縁をつける奴が現れたら戦ってくれるか?」


「あぁ。俺は守る戦いを覚えたいからな」


「なら、お前は武封国に残ってもしここが標的になるような事態になったら守って欲しいんだ」


「わかった。俺も貴方の弟子だ。出来る事はしたい」


「ありがとな。それと、ごめんな。青龍の攻略が少し遅れちまうがちょっと我慢してくれ」


「遅れる? ハハハ!もう貴方が勝つ事は決定事項なのか!」


「あぁ。全て終わったらもう一度ここに戻って最後のダンジョン攻略をしよう。それまでは自分で鍛錬を積んで欲しい」


「新しく得た力、必ず使いこなしてみせる!」


「期待してるぜ?」


こうしてライデスとの話は終わった。最後は… ゲイルだな。


ゲイルのいる宿に行き、ゲイルを呼んでもらう。

数分でゲイルが出て来た。


「よぉ」


「こんにちは。ちょっとお話ししませんか?最近見つけたお洒落なカフェに行きましょう。おごりますから」


「なに言ってんだよ」


以前ゲイルがホウガンを発つ時に交わした会話をそのままする。

そのまま付いて来てくれたゲイルとデルニオーラが教えてくれた喫茶店に行った。


「本当にシャレた所だな」


「えぇ。ゲイルさんにとっては居心地悪いでしょうね」


「どういう意味だよ!!」


そういつもの調子で話始めるがすぐに終わりゲイルはため息をつく。


「はぁ、どうしてこんな事になっちまった… 皇国の上の奴らは頭がおかしくなっちまったな…」


「はい。ホウガンが心配です。そこで、お願いがあります」


「俺にホウガンに行って皇国兵から市民を守ってくれってか?」


「はい。断言しますが、今回の戦争で勝つのは僕です。そこは心配ないんですが、戦争が始まる前に皇国がホウガンに何かするんじゃないかと心配で。ホウガンの人は皇国に従わない可能性があるでしょ?」


「あぁ、間違いなくお前の味方をすると思う」


「皇国の奴らに皆が傷つけられるのは避けたいんです。僕も戦闘準備が出来次第仲間をホウガンに向かわせますが、今からゲイルさんが動いてくれると助かります」


「ふぅ… 俺はホウガンは好きだ。でも皇国は嫌いだ。だからこれはお前に依頼されるんじゃなく、俺の意思で行く」


「……いいんですか? 僕に命令されたと言えばもしもの時に都合がいいかも知れませんよ?」


「そんな事できねぇよ。お前は恐ろしい力を持ってるが悪人じゃないってのはよく分かってる」


「ありがとうございます」


「礼なんていらねぇし、そうと決まれば早く行かねぇと。こっからならどんだけ時間がかかるか」


「それについては心配いりません。今回は僕から餞別を渡しますので受け取って下さい」


「なんだ?足が速くなる道具でもくれるのか?」


「もっと良いものですよ」


金を払って店を出てそのまま国の外に出る。


周りに人がいない事を確認して俺は契約の指輪を装備した。


「サモン グリフォン」


「くえぇぇぇぇ!!」


「うわ!グリフォン!初めて見た!まさか、召還したのか!」


「ゲリフォン。これからお前はこの人に付いていってこの人の指示に従え。これが餞別です。あと、この手紙をイグノーさんに渡して下さい」


「お、お前、本当に一体なんなんだ…」


「秘密が多い生意気な貴方の弟子です。援軍を送りますので何があっても死なないで下さいね」


「へっ!こんな凄いの貰って死ぬ気がしないぜ!また会おうな!」


「はい!」


ゲイルがグリフォンに乗って飛んでいった。


さぁ、やるべき事は終わったな。明日ここを発って俺の目的地に行こうか。


———————————————————————————————————



「これをカリノフに渡せばいいんだな?」


「えぇ。お願いします」


「全く、周辺国家を二つに分ける戦争なんて聞いた事ねぇよ!その中心が二人のガキってとこがもっと信じられねぇ」


「僕も被害者なんですけどねぇ」


「これからどうするんだ?俺に手紙を渡すってことはアレナには向かわないんだろ?」


「えぇ… 今から武封国を出ます。少し行く所があるので」


「そうか… 四神制覇、できなくなっちまったな…」


「何言ってるんです。戦争が終わったら仕切り直しますよ」


「ははっ!本当に恐れを知らねぇガキだ! 生きろよ…」


「死にませんよ。では少し急ぐので、失礼します。また会いましょう!」


そう言って俺は街を出て荒野を走る。<風纏>を装備して。

手紙を書いている時に感じた感覚。時間が経つにつれそれは大きく、確信に変わっていった。


フェリスとエストリーも頑張ってついて来ている。

ある程度走った所で二人の腰を抱え、<韋駄天の下駄>で空を飛ぶ。

今までの何よりも速く、上を目指して進む。

2分ほどかけ、雲の上に出た俺たちの前に現れたのは美しい街だ。

俺に抱えられて街を見下ろす二人は言葉も無く美しい街並みを見ている。


「あぁ… 帰って来た…」


そう呟いて俺は自分のギルドに着地する。

目の前には自分でデザインした自分が入る時以外は開かない巨大な門。


今その門がゆっくりと開き中の美しい町並みが改めて見えた。

門が開ききったのを見て歩き出す。


門の中には自分が作ったり連れて来た奴らが頭を下げて出迎えてくれている。

一番前で俺を迎えているのは戦闘装束に身を包んだ十二天の十番目「地天」のプリトゥだ。



「ご帰還、心待ちにしておりました。我らが主、ゼロ様」



「あぁ、ただいま」




こうして俺は長年の目標であったギルドに帰って来た。


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