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真理の探究者  作者: しま
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ダンジョン攻略→修行

今はお昼前、場所は27層。今回はマジで戻らないので少しゆっくり目に出発したのだ。

27層なのでボスを倒すのはフェリスだ。


しかし、全然危機感を感じる気配もなくサクサクと攻略していく。

エストリーに装備の説明をしたいので28層は<パーカー&バロウ>で進み約5分で突破。


そして29層目のボス部屋につく。

「いいかー?こっからボス部屋だ。お前には昨日渡した装備で戦ってもらうぞ」


「はーい!」


「よし、装備を戦闘用にして見なさい」


エストリーが念じると爪の色が紅いマニキュアを塗ったように変わり、頭には白いミニハットが出現した。


「それぞれ説明します。まずブレスレット。これは<魔吸の鏃(まきゅうのやじり)>っていうヤツだ。とある悪魔の固有装備でレア物なんだぞー。名前の通り傷つけた者の魔力を奪って自分の物にする。手を体に埋め込んで吸収し続ければ相手は死ぬだろうな。でも、自分のキャパシティを超える魔力を吸収すると逆にお前が死ぬから注意するように。


次はその帽子だ。これは防御の装備で名前は<泡沫の衣(うたかたのころも)>。大量の魔力を消費する代わりに自分への攻撃を無かった事に出来る壊れ性能の装備だ。攻撃の強さに関わらず一定の魔力を消費するんだが、お前は<魔力効率(高)>があるのと、<魔吸の鏃>で奪った魔力を溜めておけるから普通の奴よりずっと使い勝手がいいはずだ。どうしようもない魔法攻撃を食らったら発動するんだな。見た目はお前の格好に合うように俺が調整しただけです」


そこまで言い終わるとエストリーはぽかんと口を開けた。


「そ、そんな凄い装備なんですか?」


「うお!敬語使ってる!どうしたの、エストリーちゃん」


「特にこの帽子なんて、神様の装備みたいだよ…」


「あぁ。それは神級装備だ」


「!!」


「でも気にすんな。俺の持ってる神級装備の中ではしょぼい方だし。で、エステリーにばっかりいいのあげると臍曲げると思ったのでフェリスちゃんにもプレゼントでーす」


「マジですか!!」


「さぁ。左手を出してくれるかな?」


「え、えっ? まさか!誓いの指輪的な!」


俺はフェリスの左手首に黒い鎖のブレスレットを巻き付けた。


「……なんすかこれ?」


「<ハデスとの契約>」


「は? うわ!なんか目の前に黒い炎のおどろおどろしい文字が!!」


「おぉ!適性あったか!なんて書いてある?」


「闇の力を示せ… です。なんか嫌な予感しかしません」


「おぉ! wikiに載ってた通りだ!おめでとう。お前はこれから地獄のモンスターを操る力を得られるよ!」


「いらねぇぇぇえ!!」


「聞け!そんな強大な力簡単に得られる訳無いだろ!甘えるな!これはその前段階だ。今のは契約なの。で、これからお前は色んな闇魔法を習得してハデスに認めてもらうんだよ。認めてもらうと<ハデスの書>っていう神級装備が貰えて、それは地獄のモンスターを召還して操る効果があるんだ!」


「貴方は私を何にしたいんですか…」


「俺の横に並んで戦える者になってもらいたい。いいか?俺は<ハデスの契約>は装備出来なかったんだ。これは闇魔法に対して一定以上の相性が必要らしい。そして、俺に唯一かけているのは使い捨ての兵だ。まぁ、自分で創らなかっただけなんだが… 地獄のモンスターを大量に召還出来る奴がいれば俺は本当に無敵になる。使い捨ての兵は役に立つからな。お前が俺の欠けている部分を補ってくれると信じてるからこれを渡したんだよ」


「そ、そんなこと言われても騙されませんからね!」


「エストリーもそうだぞ」


「え?」


「お前は既に物理は無効だろ?そこに魔法に対しても無効に出来る力があったらまさに神だって倒せる力を得る事になる。お前も立派な戦力として期待してるんだ」


「が、頑張ります!」


「さぁ、お前達にどれほど期待しているのか分かってもらえたところで、早速修行の話をする」


「ん?」「嫌な予感…」


「まずエストリー。お前はこれから<泡沫の衣>を発動して限界まで魔力を使え。フェリスはこれから風魔法使うの禁止。闇魔法を使って戦闘すること」


「さらっととんでもない事言いましたね…」


「げ、限界まで使ったら暫く動けなくなるよ…」


「エストリー。それに関しては心配いらない。魔蓄石で回復してやる。限界まで魔力を使ったら俺の魔力を限界まで注ぎ込んでやる。それを毎日繰り返してお前の魔力総量をあげ、<泡沫の衣>の使い方を叩き込め」


「うわー!!死ぬ!死ぬよぉ!」


「フェリスは闇魔法を使わない事を禁止する。これから俺はボス戦しないから。お前らに譲るわ」


「闇魔法を… 使わない事を、禁止?」


「そう。テントの中以外はずっと発動させとけ。たしかガルーは闇魔法も纏ってたよな」


『確かにそうだが、アレは制御が難しいぞ?』


「好都合だ。呼吸するように展開出来るようになれ。纏ったまま闇魔法を放てるくらいになれ」


「嘘だー!!」


「魔力切れで解除しやがったらエストリーみたいに魔力を注入してやる。無限動力だ!ハッハッハ!」


「楽しいダンジョン攻略が一瞬で地獄に変わった…」


「蹂躙する予定だったのに… そんなのって無いよ。やっぱ返却できませんかね」


「さぁ!エストリー!お前の新しい力、見せてみろ!」


そういって扉を開きエストリーをボスに向かって投げつける。




こうして二人の新たな力の為の特訓、兼ダンジョン攻略は始まったのだった。


修行開始から3日目。34層。俺は食事を作ったり、魔力を補給する係になっていた。

二人の目が死んできている。アメリカの更生ドキュメンタリーでこんな光景を見た事があるな…

前に言った通り俺はボス攻略に参加していない。

一度、俺も修行しろとフェリスに言われ、横になった状態で敵を倒せとか意味不明な事を言ってきたので横になったまま<潜蛇>で倒したら何故か号泣された。


精神が不安定になった女子は本当に怖い。


なので俺は出来るだけ優しく励まし、食べたい物を食べさせ家事も引き受けた。

完全にハウスキーパーさんである。


そんなこんなで1週間。とうとう60層まで来た。

何度か慣れない戦いのせいで冷やっとする事はあったが、しっかり上達している。

最近は結構なれてきたみたいでいつも通りの軽口も吐けるようになってきたみたいだ。


「ご主人様。今日はローストビーフが食べたいです」


「はい」


「お兄ちゃん。動けないから早く魔力ちょうだい」


「はい」


「あ〜〜!も、もう入らないよぉ!壊れちゃう!もうダメ!早く出してぇぇ!」


「余裕あんじゃねぇか!」


「ちょっ!マジでギブギブ! ノァァァァ!!」


女心と秋の空。いつの間にか元気になってくれて少しホッとしたのは内緒である。


こうして更に2日経った。今は70層のボス部屋の前。扉が今までと違いデカくて精緻な装飾が施されている。つまりはここが最下層ってことだ。


「ついにきたか…」


「な、長かったですぅ」


「着いたー!」


「何終わった気になってんの?最後は二人でどうぞ」


「「いやいやいや!最後は頭がきっちり決めるのが筋ってもんでしょ!」」


「打ち合わせしてたよね」


「まぁまぁ、最後はビシッと決めちゃって下さいよ!」


「はぁ… まぁ、いいけどさ」


なんのドキドキも無く扉を開ける。

そこには大きな亀がいた。


『よくぞたどり着いた… 我がここを支配する主である。挑戦者よ、我が守りを崩せるならば崩してみよ!!』


「うわー。やっぱり喋ったよ… PCで見る分には特に何も感じなかったけどこう聞くとなんかウザいな…」


「お兄ちゃん。アイツ、今までと比較にならないくらいの魔法防御纏ってるよ…」


「はぁ… さっさと帰ろうか」


別に長引かせるつもりは更々無いので<閃光>を取り出す。


「あ…」


小さくフェリスが言うのが聞こえた。


『ぐぁぁぁぁ!』

と亀が戦闘前の威嚇の雄叫びをあげる。


「はいはい。お疲れさんでした」


<閃光>を構え、飛ぶ。亀の甲羅に着地すると同時に抜いた。

接した物を弾き飛ばす効果があり俺は吹き飛ばされそうになるがそれより速く剣を振るった。

今回は出来るだけ沢山。


亀は甲羅ごとバターのように切り裂かれ、血を噴き出した。


「はい。一つ目クリアだ」


亀に吹っ飛ばされた衝撃で離れ、二人の側に着地する。

そんな中アナウンスが流れた。


『ダンジョン玄武を制圧。貴方のギルドの新たな領地となりました』

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