武封国への旅路
話が思ったより長くなり年内に区切りをつけるにはどうすれば良いのか考えました。
1、一話当りの話を長くする
2、一日に沢山投稿する
これが自分の出した結論です。
なんの解決にもなってない!
短くまとめると薄っぺらい話が更にスケスケになってしまうのでこうさせて頂きます!
アレナを出て3日。馬車の上で仰向けになり空を見上げる。我がギルドは一向に見つからない。腹の上には<潜蛇>を乗っけ、馬車の外に剣が伸びていた。
周りの景色は砂漠から荒野に変わり所々草が見え始めている。
そんな状況でもモンスターは元気よく俺たちを襲ってくる。
しかし、今は<気配察知>で敵の位置を把握し、<潜蛇>で斬るという発明のおかげで俺は寝たまま敵を排除する方法を生み出した。
今俺の左耳にはイヤリングの様な物がぶら下がっている。小さな人形がくっついていて、その人形はフェリスをデフォルメした様な見た目だ。
これは俺が作ったアイテムである。効果は相手の魔力の流れを見る事が出来るというもの。
俺はコレを作る事になった経緯を思い出す…
「というわけで!吸血鬼は眷属にしたい者に自分の血を飲ませて契約を結ぶの!その契約が結ばれると主従の関係になって暫くは一緒に行動し、吸血鬼の力の扱いを教えるんだ!ここまでで何か質問ある?」
「へぇー。あ、そう言えば、俺魔力の扱い方がよくわかんないんだが、どうやるんだ?」
「え?お兄ちゃんはもう魔力を完璧に使いこなしてるじゃん!」
「そうなの?なんか自覚ないんだよ。魔力の流れが見えなくてな。それを見えるようにしたいんだけど」
「え?!見えてないの?じゃあどうやって濃縮したり移動させてるわけ?」
「こうなれーって念じる」
「そんな… 暴走するよ…?」
「俺の力は問題なく使えるんだ。でも、敵の魔力の流れを見たいんだよ」
「あ〜。そう言う事か。それは少し難しいねー。そういうスキル覚えるよりいっその事アイテムで補った方が早いよ?」
「そんなアイテムあるのか!」
「うん。凄く希少だけどね。<魔感石>ってのを使って作られるんだよぉ」
「それって、高濃度の魔力が近くに存在すると光って教えてくれる石だよな?」
「そう。それを応用して感覚的に相手の魔力の移動を感じられるの。鍛錬次第では目に見えるようにもなるらしいよ?だから一般的には目に近い場所に装備するんだってー」
「よし。早速作ってみよう」
俺は<買い戻し>で高純度の<魔感石>をいくつか買い戻した。
QT時代の産廃だ。だって使わんもん。
「どっから出した!!」
そんなエストリーの叫びが聞こえる。
「四次元鞄ー」
そんなくだらない事を言いながらエストリーに作り方を教えてもらう。
目に近い部分という事でイヤリングを作る事にしたのだ。
そこで反応したのが二人の乙女()だった。乙ってる女だ。
曰く、俺とお揃いの物が欲しいらしい。
「ご主人様!それを私のご褒美にして下さい!形状はご主人様の人形で!ご主人様には私の人形を身につけてもらいます!」
「はぁ?何だそれ?!痛すぎるわ!」
「最低限の礼儀を守れば良いって言ったじゃないですか!こんなの緩いですよ!もっとハードなお願いしますよ!?作って作って作ってー!」
「お前って魔力見えないっけ?」
「え?見えますよ?ガルーの力で」
「羨ましい!!」
そう叫んでフェリスを馬車から放り出した。
仕方ない。作ってやろう。たまにはデレてやるのも必要か。
横からエストリーが私も私もーと言っているのがうざい。
そんなこんなで作ったネンドロイドのような人形。丸二日かけた。ちなみに魔感石で作ったのは俺のだけ。しかも魔感石で作ると可愛くならないのでその上に樹脂の様な物をコーティングして色を付けるという職人魂を見せてしまった。俺の<錬成><鍛冶>スキルを全力で使った本気の一品。商品化できるな。
乙女()達にも好評だった。二人には軽い素材で作ってやった。
予備はない。
実際装備してエストリーに魔力の移動をしてもらい、それをずっと見ているとぼんやりだが見えるようになってきた。サーモグラフィが薄く見えてる感じ。
フェリスはイヤリングを眺めてニヤけている。怖い。
馬車に揺られながら次は武封国についてエストリーから教えてもらう。
武封国はまさに冒険者国家。冒険者の為の店しか無いと言っても過言ではない。
国の支配者も冒険者で治安はむしろ良いらしい。喧嘩はしょっちゅう起きているが下衆な者は少ないそうだ。
冒険者が4割、商人が4割、犯罪奴隷が2割という構成。
犯罪奴隷とは名前のまんま。犯罪の重さによって仕事の危険度が変わる。盗み程度なら宿の下働き、殺しや強姦などになるとダンジョンに潜らされるらしい。
なぜそんな国になっているのか。
それは武封国に点在するダンジョンが関係している。
というか、ダンジョンにヒトが集まって国になったのが武封国なのだそうだ。
この世界ではダンジョンとは神が作ったとされる遺跡である。
中にはモンスターがいて地下にはいくつもの階層が広がる。下に降りる程敵が強くなっていき、区切りのいい階にはボスと呼ばれる強いモンスターがいる。
そして、最後の階を攻略するとその遺跡周辺の領域が自分の物になるのだ。
自分の物になると自分には敵が襲って来なくなる。命令を聞くわけではないらしい。
おおむねQTのダンジョン攻略と同じだ。
今の支配者はダンジョン攻略者。3人いるそうだ。二人は神に認められたとか言っているからギルド武器を持っているみたいだ。ギルド作ってるのか…
武封国に暮らす者達にとって国という意識は無いらしい。そもそも武封国に他の国が喧嘩を売るわけが無い。
力とカリスマを示し周りの者が憧れる、そんな存在になりたい奴らが集まっているのが武封国。
楽しそうな場所だ。
「もうね。完全に実力主義。でも、力に任せて好き勝手やると他の強い人が集まって潰されちゃうんだよ。だから治安は意外といいよ。弱いと食い物にされるけどねー」
「強者について教えてくれ」
「それは何と言っても支配者たちだね。特に二人の持つ武器が神様の領域の武器らしいよ?」
「まぁ、そうだろうな。それにも色々強さがあるんだが…
その支配者の攻略したダンジョンには入れるのか?」
「特に禁止されてないけど、入るヒトなんていないよ?なんで入るの?」
「敵になるかもしれない奴の強さを知っておく為かな」
「よくわかんないけど。支配者とは喧嘩しない方がいいと思うよ?」
「それは相手の態度次第だ。お前は武封国ではどういう立場なんだ?」
「この体になる前は伝説として扱われてたねー。そもそもこの体になってから武封国に行ってないよ」
「なんだよ。さっきの話は150年も前の話なのか?」
「いやいや。今の話は知り合いから聞いたんだよー。私が行った時はまだダンジョン攻略した奴なんていなかったしねー。そのころは冒険者なんて括りはなくて、皆敵でダンジョンの中でも互いに殺し合ってたんだよー」
「お前も相当殺したっぽいな… 伝説になるくらいだし」
「んふふー。私も冒険者になろっかなー」
「そいつは面白そうだな」
「あと、種族によって扱いに差があったりはしないよ。私は堂々と吸血鬼として振る舞うけど、お兄ちゃんはどうするの?」
「人間に決まってんだろ。カリノフの知り合いも武封国にいるんだぞ」
「そっかー。また偽るんだねー。んふふー。でも、エステリーが人間に従ってるってなったら侮られないかな?」
「そのときは文字通り体に刻み込んでやろうぜ! 売られた喧嘩は全て買う!」
「ぃやっほーー!」
「エストリー。宿とかはどうなっているんです?」
「えっとぉー。宿にもランクがあって強さによって使える宿が違うんだって」
「ご主人様!強さを見せつけていい宿に泊まりましょう!」
「冒険者ランクはすぐに上がるのか?皇国と違って強ければ上げてくれそうな感じがするんだが」
「それは分からないよー。冒険者組合のヒトに聞いてー」
「そりゃそうだな。今の武封国について詳しい奴に早く会いたいな。あー、ここら辺で冒険者が自分の身の丈に会わない敵と遭遇して命の危機になっているというテンプレに遭遇しないものか!」
「おぉー。いいですねぇ! 探してみます?」
「よし!エストリー、<千里眼>だ!手分けして探すぞ!」
「あーい!!」
そうしてテンプレを自分たちから探し始めた。
2時間後。とうとう見つけた。
「おぉ!!襲われてる、襲われてる! 女2人に男2人のパーティーだ!」
「テンプレきたー!早速助けにいきましょう!」
「そうだな。でもまだ余裕あるっぽいから馬車で移動だ。おっさん!あそこに色んなモンスターに囲まれている冒険者がいるから助けにいく!進路を少し変えてくれ!」
「あいよ!」
おっさんは最近とても素直にこちらの言う事に従ってくれるようになってくれた。
前払いで大金貨1枚渡してやったからだな。あと、俺達の強さに絶対の信頼を寄せている。
「よーし。人助けだ!もしも助けた奴らが屑だったら教育するぞー」
「はーい!そのままモンスターに殺された方が良かったという目に遭わせてやりましょう!」
こうして冒険者らしい行動で俺たちの武封国編は幕を開けた。




