vs吸血鬼
前の話を貼っていました!ごめんなさい!
指摘して下さった方、本当にありがとうございます!
エストリーたんが子どもらしい笑みではなく冷たい目で上から見下ろしてくる…
思ったのと違って全然興奮しない… 俺は幼女に冷たくされても興奮する性癖は無いようだった。いや、見た目がロリでも中身はBBAだからか?
よし!こっからが本番だな!
「これは失礼致しました。古く尊いお方。手前はニーナ モーガンの息子、ゼロともうします。
今までインペラ皇国の外れに母と二人で住んでいた為、母以外の吸血鬼と出会ったことが無いんです」
「へぇぇぇ〜〜! それは珍しいわね! 普通、吸血鬼は自分の血族を放り出したりしないわ。特に貴方の血族は仲間を大切にするので有名だもの!貴方のお母さん?それは主ってことよね?は相当厄介な問題抱えてるわよ?」
「僕は母から産まれたんです」
「貴方、ダンピールなのっ?」
「いいえ? 純粋な吸血鬼ですよ?」
「血族同士で子を成すなんて聞いたことない… っていうかあり得ないわ。
ますます謎ね。アンタ」
「僕も吸血鬼としての自分を全く理解していないので知りたいとは思っていたんですよね」
「お母さんに聞けばいいじゃない」
「それが、母は今行方不明で、探す旅をしている途中なんですよ」
「複雑なのねー。なんか戦う気失せちゃったわ」
いつのまにか空中であぐらをかいて逆さまになったり横になったりしながら俺と話をするエストリー
「じゃあ、もう止めにして僕の勝ちで良いですか? で、僕に吸血鬼講座してくださいよ」
「嫌よ。面倒くさい。そもそも何であたしが負けてあげないといけないわけ?」
「この国を良くする為です」
「どうでもいいわー」
「じゃあ、戦います? 僕が勝ったら言うこと聞いてくださいよ」
「え? アンタ、私に勝てると思ってんの?」
「さぁ? でも、魔の血統って言うくらいだから貴女の秘密は魔法であることは確信しました。で、魔法を透過することは出来ないみたいですし、光魔法は特に効くんでしょ?」
「! そう言えば、あんたさっき自分に光魔法かけて傷を直してたわよね! どうなってんの?!」
「秘密です。つーか、説明しても分かんないでしょう」
「まぁ、ちょっと興味出てきたわ。じゃあ戦いましょうか! 吸血鬼なら吸血鬼として戦ってみない?」
そう言って改めて乗り気になるエストリー
(吸血鬼として戦う! それは初めての経験だ!)
そう考えると俺も楽しくなってきたな。
吸血鬼の力を解放するイメージで魔力を展開。自分に垂れている前髪が赤くなるのが視界の端で見えた。目も赤くなっているだろう。心なしか犬歯も牙っぽくなってる気がする。
「それは楽しそうですね… 是非、お願いしますよ」
「あんたの髪… 真祖レベルで濃いわ… まさか、伝説上で言われていた真祖返り?」
エストリーの警戒心が上昇していく。
さぁ、こっからは吸血鬼として戦ってみよう。他の吸血鬼モーガンのプレイヤーの戦い方を思い出してやれえば何とかなるか。
自分で修行中に発明したモノも試させてもらうとしよう。
とりあえず制御出来る限界の炎を出す。
エストリーの周辺が燃え上がった。
「おわっ!!」
少し焦った様子のエストリーが回避行動を取ろうとする。
俺はその場に突っ立って視線でエストリーを追うだけ。俺の視線にそって炎が燃える。
「まったく! 相変わらず厄介な能力よね!モーガンってのは!」
腕に魔力を纏って炎を吹き飛ばすエストリー。そのままその魔力をこっちに叩き付けてきた。
俺は即座にその場から飛び退く。魔力は地面に当たり、地面を吹き飛ばした。
(これは、魔法じゃない… ただの高純度の魔力だ。本当の意味での無属性魔法だな。
初めて見た。対応がよくわからん。やり辛いぞ…)
エストリーが飛んできた。何か足場を発生させて跳んできたのではなく、羽が生えているかのように飛んできたのだ。
(見えない羽でもつけてるのか? つーか、接近戦やるのか)
俺は拳を握って迎え撃つ。
殴り合いはしたことが無いので少し不安だが、自分のステータスを信じてやってみる。
飛んできた勢いで俺に拳を打ち下ろしてくるエストリー。俺はそれを屈むように避けて腹に左拳を叩き込んだ。しかし、予想通り拳はエストリーの体をすり抜ける
(やっぱり、ただの物理攻撃は透過すると思った方が良いな…)
俺は魔力を纏うなんてことは出来ないので<根性焼き>を右手に発動させ追撃を試みる。
またも拳はエストリーの体に抵抗無く入る。
しかし、エストリーは「ぐっ!!」と苦痛の声を上げた。
(やっぱり魔法は効くのか!)
左拳にも<根性焼き>を発動させ、両手が赤熱した状態になっている俺を見て再び距離を取ったエストリーは顔をしかめた。
「アンタの拳、どうなってんの?そんなの見たこと無いわよ。私が傷を付けられるなんて何百年ぶりかしら」
「まぁ、モーガンの力を少し研究して手に入れた力です。凄いでしょ?」
「えぇ。久しぶりに楽しいわ!」
俺はエストリーに対してある違和感に気付く。服が一切破れたりしていないのだ。あんなフリル大量の服が炎に巻かれて、脇腹に拳を受けたのに。
(あの服も魔法で作られてんのか?)
「さぁ、ここからは拳で語るとしましょう。おしゃべりはお仕舞い」
エストリーが地面を蹴って俺の懐に飛び込んできた。
蹴った地面に土ぼこりが発生し、改めて今コイツはここに存在しているという考えを持った俺は<根性焼き>の範囲を肘まで広げエストリーの頭に左肘を叩き込み右腕はエストリーの攻撃を防ぐ形を取る。
エストリーも両手に魔力をグローブのように纏っているのが分かる。そしてエストリーは足を20
センチほどあげて俺の足に振りおろしてきた。
俺は回避が遅れ、足を踏まれてその場に縫い止められる。足にも魔力を纏わせてやがった。
そして、ゼロ距離の殴り合いが始まった。
互いが互いの拳を弾き、体を殴る。エストリーは俺の胸の位置に頭がある状態で俺はエストリーの頭を殴ろうとし、エストリーは俺の腹と顎を狙って拳を振るった。
状況はエストリーに有利だ。なんせ、相手は俺の拳を弾くついでに俺の顎を狙えるのに対し、俺がエストリーの攻撃を防ぐ為には腕を下げなければならない。当然ボディーも狙うが威力が無い。
エストリーの拳は幼女とは思えない鋭さを持っていて、籠められた魔力も多い。更に、俺の体に当たる際はその魔力を体内に打ち込んでくる。
俺も彼女の体を焼くが、エストリーに傷が一切つかないのだ。殴っている感覚もない。
まるで幻と戦わされているみたいだ。
このままだと打ち負ける。
そう感じて俺は<オーブン>を発動し、目に見えない熱でエストリーに攻撃を仕掛ける。
そのまま殴り合って暫く、エストリーが自分の頭部になにか違和感を感じ始めたようだ。
そして数秒後、耐えられない熱を感じたエストリーは俺から一度距離を取ろうと足を離す。
しかし、逆に逃がしたくない俺は「光よ 縛れ!」と叫んだ。
俺とエストリーを縛り付けるように、太いフラフープのような物で縛る。
魔法の威力は全開で。ド級には少し届かない程度か。
「がぁぁぁぁ!」
本気で痛そうな声を上げ俺をハンマーパンチで叩くエストリー。威力はあまり無い。
俺は光魔法のダメージを受けないので少しキツく縛られている程度だ。
初めてエストリーに触れたことで俺は改めて違和感を感じ、分析をした。
(体がなんとなく、フワフワしてる? なんか、体と俺の間に分厚い膜があるみたいだ…
何かで肉体を守ってんのか?)
「くそっ! 光魔法か! 忌々しい! 仕方が無い使うしか無いか!」
そう叫んだエストリーが何か力を蓄える素振りを見せた。俺は縛る力を強くして妨害を試みる。
しかし、突然エストリーが細かい光の粒子となって形を失い、縛っていた抵抗が無くなった。
その光の粒子は少し離れた所で凝縮し、そこには少し疲れた顔のエストリーが立っていた。
「疲れた顔をしていますね。治療しましょか?」
そう俺が言うとエストリーは舌打ちをした。
「アンタ、ほんとに真祖返り? 私の拳をここまで受けて立ってるなんてあり得ないわ。
でも、もっとあり得ないのは光魔法を使っているのに何もダメージが無いこと…
吸血鬼の常識壊してんじゃないわよ」
「それよりも、貴女のことが気になりますね。でも、一つの仮説は立てられましたけど」




