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真理の探究者  作者: しま
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vs 蠍

サソリの連中はさすがに組織立って行動しており、中々数を減らせない。


「やつの武器は受けない方がいい!相当な業物だ! 俺たちの武器ごと斬られる!」

「絶対に3人以上で斬り掛かれ!」

「魔法を使う奴らは仲間の強化を主にするんだ!」


互いに指示を出し合って俺を包囲しようと頑張っている。


俺は<魔断ち>で応戦している。


(なんか、対応されてきているな… 久々に蹂躙じゃなくて面白い)


今俺は右手に太刀、左手に小太刀を持って戦っている。

敵はその間合いを掴んできて避けるのが上手くなってきているのだ。


(ちょっと戦い方変えるか…)


俺は柄の部分を合わせて天秤刀の形を取る。ダースモールの武器みたいな感じ。

実際、この武器ははったり用でまともな武器として使われたことは現実には無いらしいが、ここはゲームの世界。俺は隙無く器用にクルクルと剣を回す。剣の柄は土魔法でくっ付けてみた。

刃の長さの違う剣が見えない程の早さで振り回され、俺はアクロバットな動きで敵の中に突っ込んでいった。


「マズい!戦い方を変えやがった!」「なんだ、あの動き!見たことねぇ!」

状況は再び混乱に陥り、死者が一気に増える。


「全員!この建物から逃げろ!!」


そうリーダーが叫んだ。

良い判断だ。これ以上戦っても全員死ぬだけだしな。だが、こっちはもちろん全員殺す気で来てんだよ。逃がすか。


「風よ 纏え」


俺は風魔法を剣に纏わせ振る速度を上げた。それはまるで台風のようになり、近くにいる者は抵抗出来ずに斬り飛ばされていく。

数十秒後、生きているのはリーダーと、その後ろにいた数名だけだった。


「おいおい… なんて事してくれやがる… ウチの上位陣しかいなかったんだぞ?」


「今までの人生の戦闘で一番楽しかったぜ?ちゃんと集団として纏まった動きだった。でも、相手の動きが予想出来ないものに変わってから対応を取るのが遅すぎだ。こっちはそれを狙って動きを変えてんだから取りあえずそっちも何かしら手を打たなきゃ死ぬに決まってるだろ。思考を止めたらその時点で死ぬってことだ。まぁ、来世に生かせ」


「想像以上の化け物だな… 戦闘のセンスが桁外れだ… しかし、俺も元は冒険者だった。

貴様の様な強者と出会えて少し楽しくもある。一対一でやってくれんか?」


「俺はもとより一人だ。お前らの問題だろ?」


「いいか、お前ら!こっから手を出すんじゃねぇ!」


「そんな!親分!殺されますよ!」


「しょうがねぇな… お前が死んでも後ろの奴らは襲ってこなけりゃ殺さないでおくよ」


「おぉ、今それも頼もうかと思ってたんだが… ただの狂人って訳でもないんだな…

でも感謝はしねぇ。お前は俺の仲間を殺し過ぎだ。じゃあ、仲間とアジトを壊しやがったツケ、払ってもらうぞ!!」


そう言ってリーダーが背中から2本の両刃剣を抜いた。

俺は柄を離して再び二刀流スタイルに戻る。


互いの剣がぶつかり合った。やはりリーダーの剣は良いものらしく、俺の剣で切れることはない。

リーダーは1mちょいの剣を振るっている。剣の幅は俺のよりもずっとある。

今俺は小太刀を向こうの攻撃を捌くことにしか使えず、太刀の方でのみ攻撃を当てようとするスタイルになってしまっている。

近づけば太刀が活かせず、太刀の丁度いい距離だと小太刀は相手に届かない。

そのまま膠着状態が続く。コイツの相手がメインじゃない。そろそろ本命の所に行かなければ。


(この武器、一対一だと難しいな… また変なの試してみるか)


距離をとって太刀をしまい、両手で小太刀を握る。

俺が何かをすると考えたリーダーは両方の剣の距離を近く構え直し、俺の攻撃に備える。


俺は小太刀を振りかぶり、全力でリーダーに投げつけた。

咄嗟に剣を交差させ、俺の攻撃を防ぐリーダー。

結果として貫かれることはなかったが、リーダーの剣には俺の小太刀が貫通しクロスして縫い付けられた状態になっていた。


「そんなのありかよ… 負けたな…」

そう呟くリーダー。 剣から手を放し、うなだれる。


「回避出来ない速度で投げたから。まぁ、貴方も一緒に貫くつもりだったんだけど」


そう言って太刀を抜きリーダーに近づいていく。


「おい! 親分は負けを認めたろ?! そんな男をお前は斬るのか!?」


そう後ろの子分が叫んだ。


「黙ってろ! 俺は負けたんだ! 敗者はどうなろうと拒否出来るわけねぇだろ!みっともねぇことするんじゃねぇ!」

リーダーが怒鳴りつける。


「悪かったな。さぁ、一思いにやってくれ!」


「いや。気が変わった。貴方には生きてもらおう。そして、ある仕事をしてくれないか?」


「仕事?」


「そう。仕事だ。これからヘイアスじゃなくて、カリノフに仕えるんだ。

この国は王が変わってもまだ血の気が多い奴が沢山いるからすぐに平和なんて訪れないだろ?

でも、蠍がカリノフについたって聞けばその暴れん坊達も早いうちに大人しくなるんじゃないかと思うんだ。早い話、アレナの自警団になってもらえないだろうか?

貴方の仲間をここまで殺した俺が言うのもアレなんだけど…」


「そ、そんなことをいきなり言われて決められるか! 第一、ここまで仲間を殺しといて新しく生き直せだ?!」


「今決めろよ。ちなみに、最初に俺たちを襲ったのはお前の部下だ。あれは正当防衛だよ。お前はまだ話が通じそうだからこの話をしてるんだ。元冒険者なんだろ?また弱い者の為に力を振るってみないか?」


「ぐっ! い、今更…」


「大丈夫! 人間いつでもやり直しが利くさ!」


「だ、だが…」


「じゃあ、ここで死にます? 勿体なくね? 犯罪をもうしなければ貴方を罰することが無いようにカリノフに言っておくよ? さぁ、決めよう! 3、2、1!」


そう言って俺は太刀を振りかぶった。

こうやって長く考えさせずに混乱の中決めさせればやるって言う気がしたからな。


「や! やろう!!」


俺の刃がピタリとリーダーの首に添えられた。


「本当に?」


「あ、あぁ。 やる。 新しい国作りに手伝う」


「よし! おっさん! 名前は?!」


「ガルバルだ」


「ガルバル! 別にアンタは俺に仕える訳じゃない!だから俺を恨んでくれても構わん。

でも、俺はこの闘技大会を終えてカリノフが王になったら早いうちにこの国を出るつもりだ。

だから、是非俺のことを気にせずにカリノフの為に働いて欲しい!お願いします!」


そう言って頭を下げた。


「あ、頭を上げてくれ。ゼロさん。俺たちは力で従う人間だ。俺が本気で戦って負けた相手にこれ以上文句は言わねぇ。

でも、この国を出てくのは本当なのか?このまま闘技大会が終わればアンタは英雄として何不自由無い生活を送れるんだぞ?」


「詳しい話は闘技大会が終わってからだ。貴方はこれから権力者のテントに行ってこれからカリノフにつくと話してきてくれ。俺はこの闘技大会を終わらせる為に最後の仕事をしてくるんで。

あ、さっきアンタの武器壊しちまったから、これやるよ。仲直りの証だ」


そう言って俺は<買い戻し>から上級装備の双剣を渡してやった。金貨2枚。まぁ、良かろう。


「なんだ!こんな良い剣見たことねぇ! どっから出した!」


「じゃあ、やるべきことをやってください。後ろの連中は貴方がどうにかしてー」


そう言って俺は廃墟から出て走る。



少し前からターゲットの少女が動きだしたのだ。

今は大きな通りを歩いている。


数十秒後、俺はその子の前、10m程離れた所に立って言った。


「見ーつけた!」


その少女は歳は10歳程。金髪ツインテール、ピンクと白のロリータファッションで身を包む。トラディショナルロリータが入ったスウィートロリータと言った感じだろうか。おっと、何か別の思考が俺の口を動かしたようだ。

つまり紳士がよだれを垂らす雰囲気の少女だった。

目も髪と同じ金色をしている。


その子は俺を見て「見つかっちゃった!」と可愛らしく言ったのだった。


萌え〜

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