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真理の探究者  作者: しま
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闘技大会

城から戻る途中、カリノフが吐いた。親子共々吐くのが好きだな。


「カリノフさん。僕はこれから街を回るんで。失礼します」


「あ?あぁ… いや!待て!これ以上奴らを刺激するんじゃない!!」


「ひゃっほーーーぃ!」


俺は走り出した。俺の顔は一日で大分知れ渡った。最初は皆ビクビクして接してきたが、俺が笑顔で親身になって話すと心を開いてくれるようになった。

皆涙ながらにこの国は変わるのか?変えてくれるのか?と聞いてくる。


「僕はきっかけを与えるにすぎません。この国を良くしていけるのはこの国の悪い部分を一番知っているあなた方です」


そんなことを至る所で言いながら街を歩いていると、<隠蔽>で姿を隠しているフェリスを見つけた。こっちを見てる。俺は手招きして人のいない所に連れて行った


「おう。上手くやってるか?」


「今日だけで40人は殺しましたー」


「多すぎだろ…」


「まだまだいるはずだったんですけど… なんか突然皆走ってどこかに行っちゃいました」


「あー。それ、俺のせいだわ」


「何したんです?」


「さっきのお話で、闘技大会が終わるまで市民に手を出すなって言っといたんだよ」


「えぇ〜 じゃあ、私の仕事減るじゃないですか〜」


「その代わり、俺とカリノフの闇討ちOKって言っといた。これからはカリノフの近くにいろ。そしたら敵来るから。まぁ、敵対勢力の家を襲撃してもらったりするから、仕事はむしろ増えるぞ?」


「あれ? 意外と嬉しくない!」


「まぁ、派閥に関係ない奴も大勢いるはずだから、ソイツら狙ってくれ。

俺も街を回って市民の皆さんと仲良くなるついでに狩りするから」


「はーい。なんか一緒に行動出来ないと寂しいですね。今日は一緒に寝ましょう!」


「いーよ」


「やったー!」


そして別れる。

その日の夜は野獣と化したフェリスを<パーカー&バロウ>の麻酔弾で眠らせ、廊下に投げ捨てたのだった。



その後は本当に派閥の連中は街で暴れることは無かった。そもそも街にいない。


俺は最初に助けた女の子の店でその女の子と会話する。今では仲良しになった。名前はカタリナちゃんだ。


「ゼロさん… 明日から闘技大会ですが、本当に大丈夫ですか? ヘイアス様の私兵が最近姿を見せないんです… きっと闘技大会で何かをする準備をしてるんですよ!」


「でしょうね」


「でしょうねって…」


「相手が全力でかかってきたモノを叩き潰すから意味があるんです。

相手は力を全てとしてますからね。それ以上の力で潰すのが最善の策なんですよ」


「言いたいことは分かりますけど… お仲間はいるんですよね?!」


「いませんよ? まさに一騎当千の実力をお見せします!」


「無謀です! 最初も思いましたが、死にたいとしか思えません!」


「大丈夫です。僕は死なない。是非闘技大会見に来てください。

一般の方も見れるようにしろと言っておきましたから」


「頑張ってください。これ、こんな物しかあげられないんですけど…」


そう言ってカタリナはリンゴのような果物を渡してきた。


「ありがとう。闘技大会で勝った時に皆に見える位置で食べます!」


「ふふっ! その姿見せてくださいね」



その日の夜

カリノフはやはり襲撃された。フェリスに護衛を頼んでいるので傷は一切つけられていない。というか、カリノフはその事実を知りもしない。


「明日が闘技大会だ。ルールも不明、人数も不明、相手がどのような手を使ってくるのかも不明。そんなんで大丈夫なのか? いや、本当に疑問なのは君なら何とかしてしまうのではないかと考えている私の頭だが…」


「大丈夫です。正々堂々じゃ無い方が僕もやりやすい」


「というと?」


「向こうは僕が知りもしないことをやります。すると、向こうは多少緩むでしょう。

しかも、人数も相当用意するはずです。あんだけ煽ったんだから力で潰そうとしてくるはず。

僕の見た目的に絶対に侮っているに決まってます。今頃、あのガキをどう苦しめて殺してやろうとか話してるんじゃないですか?」


フェリスと顔を合わせて笑う。


「その油断が戦闘では何よりも致命的なのです。油断したAランク冒険者より一瞬を逃さないように動くGランク冒険者の方が命の取り合いでは怖いんですよ」


「そう… だな」


「ではもう休みます。明日は早いですしね」


俺とフェリスは廊下を進む。


「あ、フェリス。ちょっと俺の部屋寄れ」


「え!? ご主人様が私を部屋に誘うなんて! ダメですよ!弱気になっちゃ!」


「は? 明日のお前の仕事の指示を出すんだよ。明日はカリノフとシェリルは闘技大会の会場にいるんだ。だからお前は権力者の家を襲撃してもらう」


「えぇ〜! ご主人様の勇姿見れないんですか!」


「関係者が一つの場所にいるときが一番の好機だろ。俺だけじゃなく第三勢力がいるのかとか思ってくれれば儲けもんだ」


「ご褒美ください!」


「あ?」


「私がスマートに仕事をこなしたらご褒美下さい!!」


「いいぞ。俺の戦闘奥義を伝授してやる」


「いらないよ! 私をこれ以上化け物にしないで!」


「す、すみません… 何をご所望で?」


「それは後で考えます!」


「おいおい、何でも言うこと聞けってのはナシだぞ?」


「最低限の礼儀は弁えます!」


「本当に最低限っぽいが、まぁいいや」


「本当ですか!? 約束ですよ?」


そう言って俺の部屋から出て行くフェリス。まさか、これがフェリスを見た最後の姿になるなんて…… ってことは無いので安心して頂きたい。






翌日。闘技場。

闘技場と言ってもただの崩れた街だ。

昔ここに一つの街があったらしいが、戦争で滅んだらしい。

観客は所々の広場で空間魔法を使いライブビューイングのように見せている。

そんな魔法あるのか。


俺は廃街の近くのテントに通された。そこには権力者6名とシェリルだけがいる。

シェリルを見たときの3人の顔見たかったなー。後で本人に聞いてみよ。

ちなみに護衛はテントの外で待機している。いないってことはない。


「では、ルールを説明する」


「頼む」


「この既に廃墟となった街に一人子どもが隠れている。その子を捕まえろ。以上だ」


これは… ひねったな… 闘技大会で子どもを捜すのか… つーか、本当に子どもか?


「質問しても?」


「答えられることには」


「そのかくれんぼには敵が出てくるか?」


「さぁな」


「もし仮に命を狙う者が現れたらその敵は殺していいのか?」


「構わんよ」


「子どもの年齢は?」


「それは言えんな」


子どもに<偽装>した奴もいるな。


「なるほど? 制限時間はあるのか?」


「今日の日没まででどうか?」


「いいぜ。その子どもは殺しちゃダメなんだろ?」


「構わんよ。 殺せるならな」


「へぇ。相当強さに自身のある子どもを用意したみたいだな…」


「ふふっ」


「ちゃんと市民には隠さず全てを見せろよ?」


「そこに関してはもう準備済みだ。音声は流せないが、映像は流せる」


「ならいい。質問は以上だ」


「では、健闘を祈るよ? 生意気な冒険者よ」


「ありがとー 首を洗って待ってろよ。大将」



さぁ、これは俗にいう『隠れ鬼』だ。

しかも、捕獲対象が一番厄介なのは間違いない。

人間ではないだろう。


俺は街に入った。そこは大きな広場だ。コロッセオみたいな。まさしく闘技場。

俺が闘技場の中央に行った時、大きな声が響いた。



「これより! アレナ共和国の王を決める闘技大会を開始する!国民よ、しかと見届け新たな王を迎えよ! 皆、死力を尽くし戦うことを望む! では、開始!!」



始まったか…

さぁ、俺は今どこにいるんだろうな…


そう思って周りを見回す。

観客席に200人を超す様々な種族が俺に剣を向けていた。


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