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真理の探究者  作者: しま
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宣戦布告

翌朝

俺は朝食を摂って家を出る。これからはフェリスと共に行動するのは避けることにした。

あいつはこれから俺の影として動いてもらう。一緒にいる所を大勢に見られるのは避けたかった。


今はカリノフが教えてくれた屑を探している所だ。基本1日1回はどこかで騒ぎを起こすらしい。


街を歩きながら感じるのはやはり種族の多さだ。結構潜在的に強い種も多くいる。しかし、生活環境が悪いため、力がつかないようだった。


(コイツらがちゃんと戦えるようになったら皇国は終わりだな…)


街をぶらつき、店を冷やかし店の人と会話を楽しむ。

すると、待っていた出来事が発生した。


遠くで果物が散らばっていくのが見えた。

そして、そこには尻餅をついた獣人の少女とその子をニヤニヤと見る太った男、そして無表情で男の側に立っている二人の騎士のような男だ。

三人とも頭にドクロを浮かべている。


(あれがガイアスか)


周りの者は自分たちが目を付けられないようにその場を見ないようにしている。

そして、ガイアスが腰の剣を抜き少女に突きつけた。


俺はその瞬間走り出し、一瞬で距離を詰めてガイアスを蹴り飛ばした。もちろん骨を折る程度の強さで。


吹っ飛んでいくガイアスと入れ替わりに少女の前に立つ俺。

そして俺は言い放つ。


「大丈夫ですか!お嬢さん!」


呆然と俺を見る少女と取り巻き。

騎士は「ガイアス様!」とか言って豚野郎の元へ走っていった。


少女は自分が剣を向けられたのも忘れてたかのように

「何をしてしまったんですか! 私なんかの為に… 貴方殺されてしまいますよ!

あの人はこの国で最も残虐で危険な人なんです!」


「いや、君のような子に剣を向ける屑なんて死ねばいいと思うんだけど…

僕はこの国に昨日来たばかりなんだが、あんなのが偉そうにしていられるのが意味不明だ」


「こ、ここは力が全てですから… 力が無い者は殺されても何も言えません…」


「なら、僕がアイツを殺しても問題ないな。アイツに力が無いだけだから」


「そんな! 無理です! あの人の近くにいた二人は本当に強くて、誰も太刀打ち出来ないんですから!」


そんなことを言っていると叫び声が聞こえてきた。


「痛い!痛い! 誰だ!僕を蹴った不届きものは! 殺せ!あの女もさっさと殺して僕の前に引きずってこい!」


「「はっ!」」


「お! 来たな!」


「に、逃げてください!」


「自分のことじゃなく、他人を心配してくれるんだね。君のような人が国を良くしていくんだな… でも大丈夫だ。僕がこの国を良くするから」


「え?」


俺はステータスの縛りを解除して騎士二人に近づいていく。二人は剣を抜いてこっちに歩いてきた。

相手は特に笑みを浮かべたりはしていない。仕事でやってますって感じなんだろう。

男達が俺を挟むように剣を振るう。 しかし、俺の目には遅い動きとして映る。


最小の動きで回避して抜刀し、首を落とした。

男達は恐らく自分が死んだと分からないまま絶命しただろう。


すれ違った俺たちの周りの予想と正反対の結果に周りは静まり返る。


俺は気にせず呆然と俺たちを眺めていたガイアスに近づいていった。

ガイアスはそれに気付くと


「来るな!来るなぁ! 僕を誰だと思っている! もうすぐこの国の王となるヘイアスの甥だぞ!貴様のような馬の骨が僕に近づくな!」


「残念だが、ヘイアスは王にならない」


「なに?!」


「聞け! 私の名はゼロ! ラクローサ様の思想に感動し、闘技大会に出る者だ!

この国の腐敗は私が優勝し、ラクローサ様が王になることで消え去る!

この男のような屑は全て掃除しよう!皆、長かった夜がようやく終わるぞ!

私は今ここで、このアレナ共和国の闇に宣戦布告をする!!」


そう言ってガイアスの腹を剣で貫く。即死しない為だ。


「ぎゃあああああ! なんで!僕がこんな目に! 嫌だ!死にたくない!

誰か、この男を殺して僕を助けろ!おい! 聞いているのか!」


そう叫びながら這いずり回るガイアス。

俺は再びガイアスに近づき、首を落とした。


「皆さん!なんてことをしてくれたんだと思っている人もいるでしょう!

だが!今がこの国を変える最初で最後のチャンスだ!

恐ろしいでしょう。でも、逃げずに最後まで見届けて頂きたい。私とカリノフ様が必ずこの国を変えてみせる!」


そう言うと皆は期待と不安が混ざった目でこちらを見てくる。


「また力を誇示し危害を加える者がいれば私は容赦なくこの剣を振ろう」


俺はその日、3回ヘイアスの部下を斬った。人数は10人ほど。


意気揚々と屋敷に戻ると、ちょっと疲れた顔でカリノフが迎えてくれた。


「ゼロ君。6人の権力者との会合は明日開かれることになった…

だが、ヘイアスは怒り狂っているぞ」


「それを狙ったんだからそうしてくれないと。冷静だったら逆に困ります。いやー、楽しくなってきました!」


「君ね…」


明日は舌戦だ。煽りに煽ってやるぜ!






そして翌日。今日からフェリスに<迷彩>で狩りをしてもらう。

俺がいなければ市民に危害を加える輩が絶対現れるから。

フェリスには殺した奴の右手を取るよう伝えておいた。



そして俺は国の元王城にいる。今は王がいないので住んでいる者はいないが、6人の代表が何かを決める時はここを使うんだそうだ。


「ここが会議をする部屋だ。ここでは武器を使った戦闘は行われないが別の戦闘が起こるぞ」


「楽しみですねー」


俺は満面の笑みを浮かべたまま部屋に入る。


即座に10人以上の者から殺気を浴びせられた。この程度なんでもない俺は笑みを浮かべたまま座る。どいつもこいつも頭にドクロ浮かべやがって…


「おい!ガキ! そこはカリノフ殿の席だ! 勝手に座るなど、なにを考えている!」


そう一人の椅子に座っていた女がヒステリーに叫ぶ。


「は? じゃあ、俺には床に座れってのか? それともお前が椅子になってくれんのか?」


「貴様! いい加減にしろよ!」


「静まれ! 子どもの挑発に乗るな!」


そう筋肉隆々の男が怒鳴る。コイツらに話させるつもりは無いので俺は早速口を開く。


「じゃあ、自己紹介だな。俺の名前はゼロ。カリノフさんに雇われた冒険者だ。今回の闘技大会にカリノフさんの戦士として参加する。はっきり言ってこの国は魔の森以下だ。

頭の足りないバカが無駄に権力を持ち、それを弱者に振りかざして悦に浸ってやがる。

お前らはモンスター以下だよ。そんな下衆な動物を駆除してこの国に秩序と平和を取り戻す為に来ました。頑張りますので皆さん仲良くしてね」


そう椅子に座ったまま足を組んでいった。

周りの奴らの殺気がヤバいことになっている。


「ふっ。良く吠える子どもだな。私はヘイアスという」


「あぁ、昨日の猿の群れの大将か。いや、一匹ブタが混じってたか?」


ヘイアスの頭に青筋が走る。


「お前がこの国の発展を遅れさせてんだよ。自覚あるか?あるならここにいないか。

あんたはせいぜい片田舎で小さな山賊やってるのがお似合いなんだよ。それが無駄に偉ぶって…」


「いい加減にしろ! 言わせておけば! ヘイアス様、このガキたたっ斬りましょう!」


「そうです!よそ者の分際でこの国に関わるとは! カリノフ!恥を知れ!」


「うわっ カリノフさんに絡むなよハゲ。今は俺とお話しよう。今回は俺が敵の程度を知りたくてこの場をカリノフさんに作って頂いたんだ。

まぁ、見る限り脳筋、ヒステリー、アホなハゲ、辛気くさいモブが2人と碌なのがいないな。

おい、そこの二人のお兄ちゃん。アンタらが第ニの派閥の人だろ?こっちについた方がいいぜ?こんな頭がスカスカなのについてても未来は無いだろ?」


「わ、私は…」


「テイニー! 貴様は黙っていろ!」


「おばさん… そうやって怒鳴りつけて他人を威嚇するとか、マジでオークみたいだな」


「ぐっ!」


怒りで言葉も出ないらしい。


「まぁ、アンタらとまともな話をするつもりは無い。それは俺の態度から見ても分かるだろ?

俺が言いたいのは二つだ。


一つ、闘技大会の内容はそっちで決めていい。人数も形式もな。俺は一人で出る。お前らは100人でも1,000人でも連れてこいよ。どんな姑息な罠を使ってもいいぜ?俺個人を狙う物ならな。でも、闘技大会って言うくらいだから命を賭けた戦いがいいな。スポーツはやめろよ?


二つ、これから闘技大会が終わるまで市民を虐げることは止めろ。俺はこれから毎日街を回るからそこで市民に危害を加える奴がいたら斬るぞ。


後は俺やカリノフさんに対して闇討ちしてもいい。まぁ、真っ正面から戦って勝てないと認めるようなもんだがなぁ?」


最後はヘイアスを見ていった。カリノフさんは卒倒しそうだ。


「一つ目に言った条件、変更はないな?」


「あぁ。しかし、民衆が見れるような形を取ってくれると嬉しい。

お前らが負けた時アホみたいにダダをこねられたら困るんだ」


「……いいだろう。お前の条件を飲もう」


「よし。これで僕の言いたいことは全てです!皆さん、貴重なお時間を割いて頂いてありがとうございました。 せいぜい楽しませてくださいね? 昨日の猿レベルじゃ楽しめないですから…」

俺は勝手に話したいことだけを話して部屋を出た。

あいつらマジで切れてるだろうなー。ぷぷー。


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