作戦開始
ご指摘があったため1話のMMOの箇所をVRMMOに変更しました!
細かい概念を理解していないのでそのような指摘は大変嬉しいです!
これからも自分の無知によるミスなどありましたらご指摘頂けると嬉しいです!
更に同じ方からこの世界観がゲームの中なのか異世界なのかよく分からないというご指摘がありましたが、キーワードにもある通りこの世界はゲームの中です。
今はわざと分かりにくくしているのですが、NPCが現実のように意思を持って喋っている事などにはちゃんと理由があります。
そしてそれがこの物語の結構重要な要素になっています。
主人公もここがゲームの中なのか、異世界なのかよく分かっていません。
所々にその辺に関する伏線を張っていくのですが、かなり分かりにくくなっています。
ちゃんと物語の中で世界観に関する説明を出しますので今暫くこの異世界なのかゲームの中なのか分からない世界を楽しんでいただきたいです!
分かりにくくて申し訳ありません。ちゃんと設定を考えていないように思っちゃいますよね…
朝、俺は門の前で立っている。まだ冒険者を装った騎士達の姿は見えない。
まぁ、見えないだけでこっちを監視してるみたいだが。
少しして8人が動いた。俺は今気付いたふりをして手を振る。
「おはようございます! 今日はよろしくお願いします!」
「あぁ、おはよう。待たせてしまったかな?」
「いえ! 先輩より早く来るのは若輩者の勤めです!」
「おぉ! 良い心構えだな! では、出発しようか」
「はい!」
俺たちは出発した。 さぁ、コイツらは何を企んでいるんだ?
道中は和やかな雰囲気だ。俺は積極的に自分の話をする。
コイツらは様々な所を旅して貴族の依頼もこなすみたいな設定らしい。
「今回、森の調査っていうことですけど、具体的にモンスターはどんなのが発見されたかっていう報告はあるんですか?」
「うーん、それが数が増えてるって事しか聞かされていないの」
そう答えたのは女性の短剣使いであるミエリだ。
「数だけでは本当に対策の練りようがないですねー」
「そうなのよ」
そうこう話しているとモンスターが見えてきて交戦する。
さすがに騎士はそこそこ強い。 だが、人間相手に鍛えられているせいかいまいち動きが冒険者っぽくない。まぁ、これに気付く人間は殆どいないと思うが。
モンスターを倒し剥ぎ取りを終えた所で、昼食にする。
「いやー、皆さんお強いですね! 何より連携が凄いです! どうやって練習しているんですか?」
「仮想の敵を皆で共通して思い浮かべるんだ。後は訓練用の剣を使って練習したりもするぞ?」
「訓練ですか。珍しいですね。冒険者はとりあえず現場で敵を倒して経験を積む人が多いみたいですけど」
「っ! まぁ、我々はそこそこ名が知れているから、練習をさせてくれる貴族様がいたりするのだ」
「へぇ…」
(こいつら、取り繕うの下手すぎるだろ)
「それにしても、君の強さは凄まじいな。何でも魔の森に住んでいたそうだが…」
「えぇ。魔の森の近くの家に住んでましたよ」
「君は半年程前からホウガンに来たらしいね。 その道中で人に会わなかったかい?」
「人、ですか? 一度村に寄りましたが、道中で出会ったのはイグノーさんの商隊だけです」
「村? その村の名前は?」
「聞いていません。でも、ザインとマリーという方の家に泊めてもらいました」
「ザイン… タレ村か? そこなら数日でミグ村に着く…」
「あの、どうかしましたか?」
「いや、何でも無い。そろそろ行こうか」
そう言って出発の準備を始めた一行
コイツらは別に俺を殺そうとしているわけじゃない。ただ、なにか怪しい所が無いか疑っているだけだ。
まぁ、疑いをかけられた時点で都合が悪いので消えてもらうんだが…
1時間程歩いて俺は少し確信に迫る質問をしてみた。
「あの、先ほどの質問なんですが、もしかしてお知り合いを探しているんですか?」
「ん? どうしてだい?」
「僕がこの街に来る途中で人に会わなかったかと尋ねられましたよね?」
「あぁ… そうだったな。 そうだ。私の友人の騎士が数名行方不明でね」
「ほう。それで、僕を連れてきた本当の理由はその友人に関係があるんですか?」
「何を言っているんだい?」
「馬鹿にしないでください。貴方達8人パーティに僕一人を加える意味なんてないでしょ。
貴方達は僕を街から出す為にこの依頼を組合長に出したんでしょ?」
これは、組合長と騎士が繋がっていることに気付いていない振りをする為だ。
「そ、そういうわけではない!」
「自分たちの身分を偽っている人間は信用出来ませんよ?」
「! 何を言っているのか理解出来ないんだが…」
「貴方は冒険者じゃなく騎士でしょ? 戦い方で分かりますよ」
「君はいったい…」
「まぁ、貴方達は僕の人気の為に犠牲になって貰います。あ、ウラゴスさんは聖騎士なので少しお話ししましょう」
「貴様! 一体何者だ! 皆、やはりコイツは普通じゃない! 戦闘準備を!」
「ははは。俺は戦わねぇよ」
俺は<韋駄天の下駄>を装備してそのまま空に飛んだ。
そして<契約の指輪>を装備してモンスターを召還する。
「サモン、トロール。 サモン、ハーピー」
一体の5mを超す化け物が現れた。手には錆びた剣というより鉄の塊を持っている。
「ハーピー。俺が指差した男を眠らせろ。トロール、それ以外は殺せ。トロールは殺し終わったら帰還。 ハーピーは俺が戻るまで待機だ。眠らせた状態を維持しておけ」
俺はパニックになっている地上を見ることも無く<風纏>を装備して街に戻った。
フェリスは上手くやってんだろうな?
————————————————————————————————————
ご主人様が出発されてから取りあえず私はガルーと作戦を練る。
「とりあえず、組合長の家を探さないと! どうしよう?」
『匂いで見つければいい』
「そっか。どうやって拉致しよう?」
『普通に加減して殴ればいいのでは?』
「そっか。お友達は誰を誘おう?」
『組合関係者が良かろう。セリー嬢はどうだ?』
「いいね!」
『少しは自分で考えたらどうだ… なんか、だんだんアホになっていないか?』
「いーじゃん! 分からなかったらガルーに聞けってご主人様も言ってたし」
『それはそうだが… まぁ、今は街に出て色々な人間に自分が事件に関係ないことをアピールするんだな』
「そーね! 行こう!」
私は街を歩く。今日はいつもの冒険者装備じゃなくてお洒落な服で。
夜の仕事に備えて今は楽しく休暇を過ごしているとアピールする。
「今日はお洒落な格好をしているのねー。 ご主人様は一緒じゃないの?」
「なんか、用があるって詳しいことを言わず朝早く出て行かれました。
今日は少し寂しいですけど、初めての一人の休日なんです! お小遣いももらっちゃいましたー」
「あらあら、なら美味しいモノとか欲しいもの買いなさい!」
「そーします! あと、街を探検しようと思ってるんです!」
私は街を歩きながら組合長の家を特定した。 今は当然家にはいない。
中には護衛のような鍛えられた人間が2名と使用人が3人いた。
そのまま次は組合所に向かう。
セリーさんが仕事をしていたので近づいて行った。
「こんにちは! セリーさん。 今日の夜ってお暇ですか?」
「えぇ、仕事は6時に今日は上がりますが…」
「じゃあ、その後でご飯食べましょうよ! 今日ご主人様がいなくて寂しいんです!」
「構いませんよ。 一度家に戻って支度してからでもいいですか?」
「はい! では、7時と8時の間くらいに組合の前で会いましょう!」
私は街に出て時間を潰すことにした。 組合長に動きがあるかどうかはガルーの超感覚に任せる。
『中々動かないな… これは、家に戻るのを待っていたらセリー嬢との約束に遅れる可能性がある… フェリス、作戦変更だ。<迷彩>を使って家に行き、家にいる者を殺せ。そして、組合長は帰り道で拉致するんだ』
「おー。そっちの方がいいか!」
裏路地に入った私は<迷彩>で姿を隠す。そして全力疾走で組合長の家に向かった。
組合長の家の扉を叩く。
「はい? どちら様でしょうか? あれ? 返事がないわ…」
そう言って扉が少し開けられた。
私は勢いよく扉を開け、頭を片手で掴んで持ち上げながら家に入る
「何!? 痛い痛い!!」
家の中に入ったので頭を離し、剣を抜いて斬りつける。
「なにがあった!」
そう上から声が聞こえた。大声で叫ばれるのはマズい。
私は姿を消したまま他の人間の命を奪うため走った。
家を襲撃してまた街をぶらつき時間を潰す。ご主人様にあげるアクセサリーを買うと
『動いたぞ』
とガルーが教えてくれた。
「まだ約束の時間まで余裕があります。 早く帰宅してくれるようで助かりました!」
私は店を出て再び裏路地で姿を消して組合長の後をつける。
組合から組合長の家は歩いて15分程だ。
どこにも寄り道せずに帰った組合長が家の扉を開けようとした瞬間、私は彼の頭を殴って昏倒させた。
彼はそのまま気を失って動かなくなる。
速やかに袋につめて屋根を音も無く走り、離れた位置にある小屋に放り込んでおいた。
「よし、これで重要なお仕事は終わりました! これからディナーです!」
『少し時間が押しているぞ。急いだ方が良い』
「はーい」
私はある程度まで<迷彩>を発動させて走り、小屋と別の方向で姿を現してから一般的な速度で待ち合わせ場所に向かった。
「ごめんなさい! 待たせてしまいましたか?」
「こんばんは、フェリスさん。私も今来た所です。そんなに走らなくても良かったのに」
「ごめんなさい。ちょっとご主人様に渡すプレゼント選びに夢中になちゃって…」
「ふふっ それじゃあ、行きましょうか」
「はい!」
————————————————————————————————————
8時頃、二人が食事をしている時間、騎士の詰め所に一人の騎士がやってきた。
「私は首都から組合長殿に用があって参ったウラゴスという者だ。
これが身分証。 街に入れてもらえるかな?」




