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真理の探究者  作者: しま
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閑話3;ニーナの漂流記

新たにブックマークして下さった5人の方、ありがとうございます!




大まかな話の流れは結構頭の中にあるんですが、それらを繋ぐ細かい話を作るのがとっても大変だという事を知りました。

私はニーナ モーガン。吸血鬼だ。

理不尽な事件に巻き込まれ、理不尽な場所に転移し、息子と引き離された。


今は息子を捜して旅をしている。私はほとんど動いてないけど…

私には息子がどこにいるのか何となく分かるのだ。

落ち着いて話をしてから謎の女に力を与えると言われたことを思い出し、念じていたら何となく使えるようになった。気がする…



この天空都市ボヘミアに飛ばされて4ヶ月ほどが過ぎた。

この天国のような美しい街は後ろにある丘の上にそびえる城の下に広がる城下町だ。


今は城に主人はおらず、中いる者達も出てこないらしい。城が封印されて外から入れないそうだ。


一度城の前に連れて行ってもらったが、なんと言うか荘厳な城という言葉がぴったりだった。

外壁は白く、屋根は人が上れる平坦な作りになっていて、無駄な装飾はない。

飾る城というより戦いに使う城という感じだった。

中は美しい装飾がされているらしい。


私には今、世話をしてくれているプリトゥという女性がいて、その人がこの国のことを色々教えてくれている。

優しいが、ちょっと冷たい感じの人だった。 大切にしてくれているのは分かるが、会話が続かない。



そして、下に広がる街だ。大きく戦闘街と居住街に分けられているらしい。

二つは門で仕切られていて、戦闘街は今、城と一緒に封印されているらしく中に入ることはできなかった。

この国に攻める敵は基本戦闘街からしか入れない作りになっているそうだ。


そう、ここの住人はここを国と呼んでいる。

ここには多くの種族が住んでいて皆戦闘力を有していた。人間はいなかった。


しかし、プリトゥはここにいる者のほとんどは非戦闘員だと言う。

皆、そこらへんの魔物では手も足も出ない程強い方ばかりなのでは?と聞いたら、

「そこら辺の魔物がここに攻めて来れるわけないでしょ」とバッサリ言われた。

確かにそうだ。

ここで戦闘をするとなると来る敵はこの高さまで来れる手段を持つ敵ということになる。

ボヘミアの主は他国攻めることはしなかったらしい。

攻め込まれたことは2度あるらしいが、返り討ちにしたそうだ。


居住区は美しい町並みで、皆が自活している。子どもはいるが、老人はいない。


私は今城のある丘に上って雲の海と美しい空を見ている。

ここは丘と言ってもかなり急な作りになっており、長い階段が城に向かって伸びている。


階段以外の斜面から登ると死ぬから階段を使うようにと脅された。何があるのだろうか。

今日も息子の存在を感じる方向をボーッと見ていると声をかけられた。


「またここにいるのですか?ニーナ。 仕事が無い時には大体ここですね」


振り返ると使用人服に身を包んだプリトゥが立っている。

また近づいてくる気配がなかった。

使用人の服なんて着ているが、元々は城ですごす者だったらしく、住人からは様をつけて呼ばれている。態度も凄く敬われている感じだった。


「今ここはどこなのかなって思って。 基本雲しか見えないですし、地面が見えてもずっと森だし…」


「ここは恐らく魔境の上です。 今はひたすら南西に向かっていますね」


「そうですか。何か息子の気配も近づいている感じがしなくて…」


「まぁ、世界は広いですからね。 気長に待ちましょう。

…っと、珍しい。 お客様が来たみたいです」


「え?! 客! 私みたいな転移してきた人でしょうか!?」


「違います。招かれざる客です。 これはドラゴンですね。 数は3」


「ドラゴン!? そんな! こんな高さにまで来るドラゴンなんて絶対に凄いドラゴンですよ!?

 戦える人いないんでしょ? どうするんですか!?」


「ご心配なく。いない訳じゃありません。 貴方と無駄話をしている場合ではないので、失礼します」


そう言ってプリトゥは突然消えてしまった。


私は急いで街に向かう。

混乱に陥っているのではと心配になって息を切らせて走ったらそこにはいつも通りに暮らす皆がいた。


「大丈夫ですか!?」


「なにが?」


「プリトゥさんが、ドラゴンが来たと!」


「あぁ、そうだね。皆感知しているよ。 でも、ウェザードラゴンですよ?

 普通の街なら一瞬で滅ぶでしょうが、ここはボヘミアです。 何も起こりませんよ」


「え?! え!?」


「まぁまぁ、落ち着いて。 心配なら見に行きます? まだこの街の戦闘力を貴女は知らないですからね」


そう言って男性に門の近くに連れてこられる。

遠目に3体の飛翔物が見えた。あれがドラゴンだろう。


そして、門の外に立っているのは3人。

黒い髪の男性と白い髪の女性。そしてプリトゥだ。


「ネロ、ビアンカ。威嚇して追い払って。 無視して突っ込んでくるなら落としなさい」


「「はい! プリトゥ様!」」


二人は飛んでくる竜に向けて何かをしたのだろう。

1匹が動きを止め、雲の下に降りて行った。

しかし、2匹は「グオォォォォォォ!!」と怒りの声を上げこちらに向かってくる。


「はぁ、さすが魔境。アホで身の程知らずのドラゴンしかいないわけ?」


「まぁまぁ、ビアンカ。僕が改めて説得するから」


「プリトゥ様の命令はこっちの威嚇に従わなかった場合落とせ、だったわ。

このボヘミアに許可無く近づく輩なんて問答無用で落とせばいいのよ…」


「近づくだけで敵対行動を取っちゃダメだよ…」


そんな暢気な会話をしているので私はハラハラしてしまう。


「ほら。後ろで新人のニーナちゃんが怖がっているわ。この街の戦力を見せて安心させてあげなきゃ」


「ほいほい」


そう言って黒髪の男性が黒い靄に包まれて行く。それはどんどん大きくなり靄が晴れた場所には一匹の禍々しくも神々しいドラゴンがいた。


その姿を見ても突撃を止めないドラゴン2匹。

そこに向かってネロは一発の拳大の炎を吐いた。

ものすごいスピードで二匹のドラゴンの翼をかすめる。


すると炎は二匹のドラゴンに数十秒で燃え広がり、ドラゴンを消してしまった。

人に戻ったネロとビアンカ、プリトゥが仕事は終わったとこっちに体を向ける。


「なんか… 地味ね。 もっと、ドッカーーン! ってできなかったの!?」


「僕そういうの好きじゃないんだよね…」


「おつかれさま。助かったわ」


そんなことをいいながらこちらに近づいてくる3人

私はいまいち何が起こったのか理解していない。特に彼らの強さについて。


「こんにちは。私は白竜のビアンカよ。 こっちは黒竜のネロ」


「ちはー」


「こ、こんにちは! ニーナ モーガンです!」


「まぁ、コイツの地味な攻撃のせいで強さが分かんないだろうけど、ここには神が攻めて来ても大丈夫だから安心しなさい。私たちもこのボヘミアの中じゃ大したこと無いしね」


「そうそう。何かあってもプリトゥ様がいらっしゃるから」


「え!? プリトゥさんって戦えるんですか?」


「「はぁ?」」


「え…?」


「プリトゥ様はこのボヘミアのご主人様が1から作られた最高戦力である十二天の十席ですよ?」


「戦うより防衛が得意なんですがね。戦いは4席や8席に任せればいいんです」


「まぁ、とにかくこのお方より強い者は殆どいないってことです。

ちなみに、この国でこの方より偉いのは主人であるゼロ様だけです」


「っえ!? そんな方に私は世話をさせていたんですか!」


「知らなかったの!? 周りの態度見れば気付きそうなものだけど…」


「でも、格好が…」


「プリトゥ様はご主人様の身の回りのお世話もされているらしいですから」


何も気にしていなさそうな顔をしているプリトゥをビクビクしながら見る。


「十二天は基本戦闘狂ばかりですからね。私以外は見ればヤバさが分かりますよ。

私は他の連中に比べれば戦闘は得意ではありませんが、それでも主人から『天』を頂いた身です。この街の防衛には自信があります」


「は、はい。無知で申し訳ありませんでした…」


「そうかしこまらないでいいです」


そう言って街に戻るプリトゥ。


これからの人間関係に大きな心配を抱えた襲撃事件であった。

そして、ここにいる連中の強さは計り知れないということが分かった。


早く息子を見つけてここから出なきゃ!そう改めて誓ったのであった。


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