第2のテンプレ、男の夢
最初は騎士隊長のハウンド視点です
ゼロ君が背に動かなくなったグースを背負って息を切らせ街に戻ってきた。
私はすぐに詰め所に案内しもう死んでいるグースを引き取り事情を聞いた。
何でもコボルトの討伐をしている際オーガに教われたらしい。
細かく内容を聞くにつれて私は呆れてしまった。
なんとグースはゼロ君一人にコボルトの群れが潜む洞穴に入らせ自分は安全地帯で待っているという冒険者として考えられないような行動を取っている最中にオーガに襲われたそうだ。
ゼロ君が何とかコボルトを倒し外に出るとグースは既に腹に剣が刺さっている状態だったそうだ。
彼はオーガが剣を抜くのに手こずっている間に何とかオーガを倒したらしい。
死んで当然だ。
その話を聞いた皆が思ったことだ。
昔から言動や行動は最悪で犯罪行為にも手を染めていたらしい。
なんとか捕まえようとしたが、組織立っての犯罪でなかなか尻尾を掴めなかった。
ゲイルさんが街を出てからは心の優しいゼロ君相手にやりたい放題だった。
なんでも報酬の大部分を取っていくくせに自分では何もしていなかったのだという。
こんな小さな子に寄生する神経が理解できない。
そんな屑の死に対しても彼は自分を責めていた。
身近な人間の死がよりによってあんな男だなんて不憫にも程がある。
彼はあの後依頼を受けていないらしい。 あんな奴の事は早く忘れれば良いのに…
なんとかして元気を取り戻して欲しいものだ。
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俺はグースの死に心を痛め、るはずも無くここ最近は宿に籠ってニーナを見つけるためどうやって我がギルドのボヘミアを探すか考えていた。
宿に籠っている理由に今街に出ると俺を心配している連中から声をかけられくるのが面倒くさいというものもある。
試しに心麗に呼びかけてみたが返事はない。そろそろまた話してみたいんだが…
ギルド探しだが、<韋駄天の下駄>で無意味に空を飛び回っても絶対見つからない。
何とか当りを付けていかないと。
<韋駄天の下駄>
これはこの世界にもある神山にいる大天狗を倒して得られる装備だ。
俺が倒してきたボスの中で装備が欲しいから倒した唯一のボスである。
他は敵を倒す事が目的で得られた装備はおまけみたいなもんだ。
俺は下駄を得るため他プレイヤーから一番レアなアイテムを必ずドロップするド級アイテムを奪った。そして大天狗を倒し手に入れたのである。
効果は『空中に足場を作る』というもの。他の神級装備との同時装備も可能。
これで俺は平面だけでなく空中も含めた縦横無尽な動きを可能にした。<風纏>を装備して高速で空中に上がり、上から<潰命>で叩き潰す凶悪なコンボをよく使ったものだ。
これを使って何か有効な手段を思いつかないか。
暫く考えているのだがなにも思いつかない。
天空都市は基本雲の上にあって地面から見ても発見するのが困難なのだ。
<パーカー&バロウ>の狙撃銃の方で雲を透過してみるというのが今の第一候補か…
考えが纏まらないまま新鮮な空気を吸いたくて俺は街に出る事にした。
今思うと彼女との出会いは運命であったと思う。普段ならあり得ない状況だった為、今まで行った事の無い道を歩き、そしてあの店になぜか導かれるように入った。
全てが仕組まれていたかのようだ。
俺はこの日、『神』に出会う。
街に出たはいいが、案の定色々な人に絡まれ早々に人気のない道に逃げ込んだ。
初めて通る道だ。何となく辛気くさい雰囲気が漂う。
治安悪そうだな。そんな事を考えながら歩いていると一つの小屋に目がいった。
そこは何も書かれていない看板がぶら下がっていた。
なんの店なんだ? そう思った俺は中に入る。
すると、薄暗い部屋に頭上にドクロを浮かべた一人の痩せた男が座っていた。
「いらっしゃい。冒険者か。まだガキだが、ここには誰かの紹介できたのか?」
「えっと、そう言う訳じゃないですが。なにも書かれていない看板が気になって入ってみたんです。ここは何を売っている店なんですか?」
「ここは奴隷商だ。よく見たらお前、最近有名な英雄様じゃねぇか。金持ってんだろ、どうだ、見ていくか?」
そう言ってきた。
奴隷商か本当にあるとは。俺は興味を引かれ頷く。
「へへっ。 ついてきな。 うちは基本的に一見は断ってんだが、アンタは金もってそうだし特別だぜ?」
そう言って奥に案内される。
地下に降りるとたくさんの牢屋が並んだスペースだった。決して奇麗とは言えない。
「気に入った奴がいたら教えてくれ」
そう言って俺の後ろに回る奴隷商人。
<情報開示>を発動させながら見て回る。
(やはり獣人が多いな。人間の子どももいる。)
可哀想だが、ここで英雄のように皆を助けようなどとは全く思わなかった。
奴隷を買うなら戦える奴じゃないとダメだ。ステータスがいいヤツを探さないと。
そう思って見るが中々心惹かれる奴がいない。
そして他の奴隷から離れた所にいる鎖で繋がれた白い髪をした獣人を見て俺は目を見開いた。
「あ、あの子は?」
そう聞くと
「ん? あの白い髪の獣人か? 買ってくれるなら嬉しいが、あいつはおすすめしないぜ。
白い髪の獣人は不吉の象徴なんだ。黒髪なら高く売れるんだけどな…
しかもコイツは時々凄く凶暴になる。それが理由で親から売られたのさ。 アンタなら殺せるかもしれないが、そんな奴買ってもしょうがないだろ?
そろそろ処分しようかと思ってるんだが中々しぶとくてまだ死なねぇんだ」
(凶暴になる…ね。それはそうだろう。)
俺は<情報開示>で見える彼女のステータスを満面の笑みを浮かべて見つめる。
名前;グラシア | ガルー
性別;女 | 雄
ジョブ; 獣人 堕神
Lv. 41 | 999
生命力 108/1,250 | 103,000
魔力 61/438 | 82,000
物理防御 2,130 | 91,000
魔法防御 920 | 120,000
腕力 860 | 88,000
敏捷 3,200 | 62,000
運 18 |
贖罪値 | 0
……コイツはゲットするしかねぇ。




