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真理の探究者  作者: しま
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独り立ちしました

新たにブックマークしてくださった4名の方、本当にありがとうございます!

ここら辺からスピーディーな展開になっていくと思うので、末永くよろしくお願い致します!

初依頼から3ヶ月が経った。


俺は今ゲイルと盗賊討伐依頼の真っ最中だ。


贖罪値の獲得のため盗賊討伐依頼は出ていたら必ず受けている。

その功績もあって俺は今やEランクになっている。

街での評判もすこぶる良い。

恐らく魔導士のおっさんから奪った<信用獲得>が良い仕事をしてくれているのだろう。


盗賊も俺たちの事が有名になってからは中々姿を見せなくなった。

暇な時は依頼が出ていなくても盗賊の討伐をやったりしているので俺はめっちゃ恐れられている。

今日もお掃除をして一汗かいた所で待ち望んだ声が聞こえる。


『ステータスが必要量に達した為<如月(きさらぎ)>が使用可能になりました』


(お、これがきたか)


<如月>はマントの形状をした盾。全ての物理、魔法攻撃を1.2分間無効化する神級装備だ。

そして、他の神級装備と一緒に使える。

説明はシンプルだが、最強の盾であることは分かるだろう。

ようは無敵になり、かつ他のぶっ壊れ武器を担げるのだから。



段々解除される装備の予想を立てやすくなってきた。ようは入手が困難な程解除されにくいのだ。

次は<閃光>か<下駄>だな。そう思い盗賊の装備をテキパキ奪っていく。


「なんだ、ニヤニヤして。なんか良い事でもあったか?」


ゲイルに言われる。


「笑ってました? お金が増えるなーと思って」


「守銭奴かよ。もう十分稼いでんだろ」


「まぁ、そうなんですけどね」


街に戻り、組合に寄って盗賊討伐依頼をこなした事を伝えるとセリーさんに呼び止められた。


「ゼロ君。組合長が呼んでるわよ」


「え? 組合長が? なんでですか?」


「最年少でEランクになるほどこの街に貢献している子と一度話をしてみたいんですって。 安心して。 組合長さんは凄くいい人だから。今二階にいるから向かってちょうだい」


そう言われた。


「あいつが冒険者を説教以外で呼び出すなんて珍しいな。俺は今日は報酬をもらったら行きたい所があるんで先に帰るぜ」


「あ、師匠。そうですか。お疲れさまでした。 明日はどうしますか?」


「明日は依頼は受けねぇが、お前に用があるんで朝に宿へ行くわ」


そう言った。


「ふぅん。珍しいですね。 用については楽しみに待ってます」


「おう。楽しみにしとけ」


そう言ってゲイルと別れる。


まぁ、特に何も起こらないだろう。そう思って俺は「組合長室」と書かれたプレートのついた扉を叩く。


「冒険者のゼロです。セリーさんから組合長様がお呼びだと聞き参上しました」


「これはご丁寧に。どうぞ、入ってください」


そんな優しげな声が聞こえ俺は扉を開ける。


中には少しふくよかな人の良さそうな、しかし瞳に力を宿した男が立っていた。


「こんにちは。私チャーリー=レイス。このホウガンの街で冒険者組合長をしています。 貴方がゼロさんですね? 

ゲイル君の弟子だそうで。活躍は報告書で見させてもらっていますよ。

今回は貴方とお話をしてみたくてお呼びしました」


「こんにちは。チャーリーさん。ゼロです。それで、お話とは?」


「そう身構えないでください。別に悪い意味で貴方を呼び出したのではありません。

ちょっと貴方の事が気になったもので。まぁ、座ってください。お茶でもどうぞ」


そういって目の前の椅子を指し、カップに紅茶を注ぐチャーリー。


「そうですか。僕に答えられる事であればお答えします。なにぶん田舎者ですので組合長さんが興味を持つ事などあまり無いかと思いますが」


「本当に田舎の出身なんですか?それにしては言葉遣いが丁寧ですね。

しかも、魔の森に住んでいたとか… 村に住んでいたのですか?」


「村には住んでいません。僕と、父と母で暮らしていました。

言葉遣いは昔首都に住んでいた母からちゃんとした言葉遣いができる事は生きて行く上で役に立つからと教えられました。

父は元冒険者で森の中で訓練を受けていました」


「ご両親の名前をお聞きしても?」


「父はレオナルド、母はニーナです」


「ふむ。どちらも皇国ではよくいる名前ですね」


「そうなんですか?」


そう答えるが俺はもちろんその事を知っている。

ニーナが結構いるのは驚きであったが。


「えぇ、どちらも昔存在していた偉人の名前なのです」


「へー」


その後も、ゲイルとの出会いやイグノーと懇意にしている事などを話した所で


「最後に、一つ質問なのですが… これからする話は他言無用でお願いします。

貴方はコーネリウス=マークスという人物を知っていますか?」


「えぇ。名前だけならこの街で聞いた事が。たしか、この国のトップだと聞いた事があります。あと人族の中で至上最も偉大な魔法使いであると」


「そうです。そして、そのお方の行方が分からなくなっているんですよ…」


「それって凄くヤバくないですか? どうしてそんな重要な事を僕に? まさか捜索隊に加われなんて言いませんよね?」


「まさか。しかし、貴方の出身や来た時期がどうにも気になりまして。

というのも、マークス様が失踪されたのは3ヶ月前。魔の森へ亜人を討伐する為に出立された時なんです。

貴方と似通ったところがあると思いませんか?」


「それに関しては何も知らないとしか言いようがありません。

そう言われればそうなのかもしれませんが、魔の森はとても広いのでしょ?

亜人に会った事もないですし。道中でそれらしい方も見ませんでした。

お一人で出かけるとも思いませんし、騎士や魔法使いの方々も同行したのでしょ?

戻ってきた人はいないのですか?」


「それが、一人もいないのです…」


(え? 帰ってきた奴いないの?)


「ならば、まだ遠征中という事も考えられるのでは?」


「そうですね。国でも既に捜索隊は出しています。変な事を聞いて申し訳ありませんでした。もう聞きたい事はありません。 

繰り返しますが、この事は他言無用でお願いしますよ」


「もちろん。そのような重要な事をお話ししてくださったということはこちらを信用してくださっているのでしょうし。これからもこの街の為に、そして自分の為に頑張りますよ。

良ければ早く冒険者ランクを上げてくださると嬉しいです。」


「ははは、善処しましょう。といっても貴方の実力や貢献度ならすぐにトップレベルになりますよ」


「ありがとうございます! 失礼します」


扉を閉め俺は笑みを浮かべる。


(あのおっさん、<情報開示>と何かこちらの嘘を見抜くようなスキルを使っていたな。

さすが組長さんだ。なかなか良いスキルを持っている。

だが、俺の<詐称>は神レベルにならないと見抜けないぜ?)


またこの街で動きやすくなったな。そう考え階段を下りた。



———————————————————————————————————-

彼が出て行って私は息を吐いた。


彼には好印象を持った。申し訳ないが<情報開示>で彼のステータスを調べ、会話中は<看破>を使い嘘が無いか調べた。

私は職業柄このスキルを多様しており強化されているので私を欺く事はできないと思っている。


あのゼロという少年は年齢にしては逸脱した強さを持ってはいた。しかし貴族のような丁寧な言葉遣い、物腰だった。


会話の中に嘘は一つもなかった。

マークス様の失踪に彼は関係ない。これからは彼と仲良くし、この国に貢献してもらおう、そう考えた。


—————————————————————————————————


次の日、約束通り朝ゲイルが宿にやってきた。


「よう」


「おはようございます。それで、どんな楽しい事をしてくれるんです?」


「今回は話をしたくてな」


「珍しい… あ、拳で語るというやつですか?」


「それもいいが、魔法使われたら負けるかもしれんのでやらない。

普通に会話をしにきたんだよ」


「そうなんですか。なら、最近見つけたおしゃれなカフェに行きましょう。

おごりますよ。」


「何言ってんだよ」


俺は頭をはたかれ宿をでる。


そして、カフェで男二人向かい合う…

「なんか、客観的には想像したくない絵面ですね…」


「そう思うならこんなとこつれてくんじゃねぇよ。つーか、お前、この待ちにきてから一回も浮いた話を聞かねぇが、彼女つくんねぇのか?」


「うーん。 今まで他人に接してこなかったので簡単に人を信じないんですよ。

特に異性には気をつけろと母から聞かされてきたもので」


「なるほどな。いや、お前の母親は正しいよ。じゃあ、いっその事奴隷でも買ったらどうだ?金もたんまり持ってるんだからよ。」


「そういう事の為に女性を金で買うのは嫌です。僕は別に種族が違うからという理由で差別するのは大嫌いなんで」


「へぇ、珍しいな。まぁ、俺も種が違うから差別するなんて馬鹿らしいと思うけどな」


「で、話って何ですか?」


「あぁ、そうだったな。 俺、一週間後街を出るんだ」


「そうなんですか。お土産よろしくお願いしますね。それで?話っていうのは?」


「街を出ることだよ! 何だよ。冷たすぎんぞ!」


「だって二度と合えない訳じゃないでしょ?」


「いやいや、こんな稼業だ。明日は死んでいるかもしれないんだ!」


「Aランクなんですから。神にでも喧嘩売らなきゃ大丈夫ですって」


「はぁ、もういいや。なんか、一緒にいくか?とか、お前なら俺がいなくても大丈夫さ、とか一応考えてたんだぞ」


「まだこの街で稼げるんで一緒には行きませんねー。いってらっしゃい。」


「本当にかわいくねぇガキだな! まぁ、一応お前は俺の荷物持ちとして3ヶ月頑張ったから餞別としてこんなものを用意した!」


「さすが師匠! 僕をおいて行かないで!」


「うるせぇ! これやるよ」


そう言ってゲイルは俺に小さな球がいくつも入った袋を渡してきた。


「何ですかこれ? 人にぶつけるんですか?」


「何、その発想。 違ぇよ。これはな、魔蓄石(まちくせき)っていうんだ。

お前、最初に魔法は使えるけどそんなに魔力は無いから一点突破の魔法を使ってるみたいな事言ってただろ」


言ってません。


「これは、魔力を蓄積できて必要な時にそれを出せるんだ。だから、いざって時にそこに魔力をためておけばお前でも広範囲の魔法が撃てるってことさ。ちなみに魔力を籠めすぎると魔力を出す時に溢れて暴発するらしいから気をつけろ」


「おぉー。凄いですね! ありがとうございます!

 いざという時に使えるアイテムを選ぶとは流石プロです!」


「なんか、お前の煽てには最近素直に喜べねぇんだよな…」


「本心ですよ?」


「分かってるよ」


その日、一緒に飯を食って別れ、1週間は普通に一緒に依頼をこなした。

そして、送別会なんて開く事も無く、1週間後ゲイルは街を出た。


俺は一人で活動するようになった。時々パーティーに誘われる事もあって依頼を手伝う事もある。しかし、あまり俺に近づいてくる奴はいなかった。






ゲイルが街を出てひと月経った。

俺はDランクになった。

今日も組合所で依頼を見ていると後ろから声をかけられる。


「おい!ゼロ! 俺の依頼を手伝ってくれ!」


そう声をかけてきたのはこの組合所で一番最初に声をかけてきたグースだった。


(そろそろこいつのポイントを頂こうと思ってたところだ。向こうから声を掛けてくるなんて運が良い)


そう思い俺は笑顔でグースに振り返った。グースの頭の上には以前よりも禍々しくなったドクロが浮かんでいた。

ここら辺から主人公の異常さが出始めます!

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