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美男・美女コン、カップルコンのランキング発表

 先に戻れば、ティナからは羨ましがられ、ドニからはイーヴァルに油断するなと怒られた。


 自席についていよいよランキング発表である。



「それでは皆が待ちに待ったランキングの発表だよー!」



 司会進行はイーヴァルとプルムのようだ。



「まずは、メインのクラスの発表だー! 今年の栄えある1位は……」



 イーヴァルが時間を開けるとプルムが声を出す。



「4年武術クラスの執事カフェだー! イーヴァル受けとれ! 副賞は食堂の食券1ヶ月分だ! 仲良く分けろよ!」



 会場から歓声が上がり、ザワザワと話し声がする。



「クラスの順位は後から張り出すから見てみてね!」



 ティナは悔しがり、ユーリアも落胆する。いろいろと身を犠牲にしていたからだ。

 2人で慰め合い、プルム先輩の話を聞く。






 *


「じゃあ私からは美男コンテストの発表だあ!」


「例年クラスの発表より盛り上がってるけどこっちサブだからねー……」



 イーヴァルが苦言を吐くが、プルムは気にせずシェルトから紙を預かり、ノリノリで読み上げる。


 会場も先ほどのクラスの1位の発表より盛り上がっている。



「今回は無効票も多くて面白いからそっちも教えちゃうよー!」


「無効票第3位さっき演劇にも登場したホルストさんのカフェの店員テディさん。

 第2位訓練場にて目撃例あり、謎の男イーヴァルを蹴り飛ばし猫娘に刃を突き立てた男ー!

 そして第1位は猫娘とデートを目撃されたイケメン猫娘の元婚約者ー!」



 ユーリアの父までランキング入りしていたので、友人からは同情の目で見られた。



「どうも今年は猫娘が注目を集めているようだね……」




 *


 そして、シェルトから次の紙をもらう。


「今度こそ学園のイケメンを発表するよ。

 第5位ルーカス先生、訓練場でビシバシ……。

 第4位我が生徒会長ドミニク!

 やはりできる男は違いますな……。しかし順位を一つ落としている。」



 先ほどからキャーギャーと黄色い声が上がるが、ルーカス先生は果たしてイケメンなのだろうかとユーリアが首を傾げていると、それを察知したティナから言われる。



「ユーリアいい? ルーカス先生はあの熱血と面倒くさがりな性格を知らなければ、本当にイケメンの部類なの……」



 ユーリアはとりあえず頷くと、ドニにも笑われる。



「僕たちは担任だからね……。近すぎて分からないけど、生徒を守ろうとする心意気が伝わってきて、本当にいい男だと思うよ」



 んー。とまたしても首を傾げていると、ランキング発表が続いている。



「第3位シェルトー! スマートな執事の対応が受けたみたいだね……そして第2位僅差で武術クラス一年のカフェ店員だー! ん。名前は未記入らしいけど、生徒会では誰だか分かってるから有効票となったらしいよ。」



 ユーリアは頭を抱えた。そして、ティナを見つめる。

 ティナは首を横に振り、ユーリアの肩に手を置いた。



「ユーリアは頑張って我がクラスのために働いた……」



 友人達も頷いている。



「そして、猫娘も間違いなくランクインしてるだろうからダブル受賞だね……」



 ユーリアは顔を青ざめさせ、プルプルと震えている。目立ちたくなかったのに、考えれば考えるほど目立っているのは間違いない。



「そして、栄えある第1位執事姿の甘いマスクに癒された女性は数知れず……イーヴァル!」



 今日1番の歓声が会場内に響き渡る。



「はい、じゃあ対象の人で衣装ある人は、着替えて登壇してね!」



 イーヴァルとシェルトが着替えるために舞台を降りれば、ランベルトが舞台に上がる。




 *


「あー、続きまして、僕からは美女コンテストの順位を発表します……。

 第5位猫娘のポニーテール! 第4位服飾コースの発表で現れた姫。はい、これも生徒会で名前を把握しておりますので、有効票です。

 そして、第3位は生徒会副会長ルミドラ。

 はい、第2位は雪女をクラスで演じていたベティーナ。

 そして、第1位はツインテール猫娘のユータンです。」


「ランベルト! もっと盛り上がるように間を置かなきゃだめなんだよー!」



 淡々とランキング発表をしたランベルトにプルムが怒りをぶつけているが、武術クラスで顔を青ざめているのはリュリュとアネットだ。


 ユーリアに救いの目を向けているが、ユーリアは腕をとって控え室に向かう。


 その後もカップルランキングが発表され、とりあえずユーリアはどの姿に着替えるか迷った挙句、ベティーナに相談した結果衣装は決まった。






*


「それでは、登壇してください」



 美男コン先頭はイーヴァルからだ。それに続きシェルト、ルーカス。美女コンはベティーナ、リュリュ、アネット。

 続いて入ってきたのは、カップルコンテストにもランクインしていたドミニクとルミドラだ。

 ドミニクはルミドラをエスコートして壇上に上がり、美女コンの位置に送り届けると、自分も美男コンのところへと向かった。



「お、男子陣には悲報だー! なんと猫娘は恥ずかしがり屋で登壇を拒み、同級生の子が変わりに登壇するよ!」



 プルムのアナウンスに男子陣がブーイングをする。


そんな中登壇してきたのは、漆黒の騎士姿をしたユーリアと猫娘の姿をしたティナだ。


 ティナは抱き抱えられ、ユーリアが立つはずだった美女コンの一位の場に立たされる。


 ニヤニヤとベティーナとユーリアがすると、ムスッとしてティナはそっぽを向いた。


 ベティーナに提案されて、話題作りのために最大限ユーリアを利用したティナが壇上に立つことになったのだ。


 ブーイングの嵐だった会場は、ティナの猫娘姿を見て一変し、男達の雄叫びに変わる。



「いいーぞ」


「ピンク髪のツインテール最高!」


「幼さがまた一段といい!」



 どうやら、リュリュ同様、コアなファンが根付いたようである。





*


「それでは、表彰を始めます」



 どんどんと名前を呼ばれて表彰されていく中、イーヴァルが隣でポツリと呟く。



「ユータンは出てこなかったんだね……残念」



 ユーリアはイーヴァルを見ると、クスリと笑われ茶化された。


 シェルトはシェルトで恨み言を言う。



「ここに並ぶのも不本意だが、女に負けるとは……」


「でも、僕たちベストカップルに選ばれたじゃないシェルト」


「それが毎年1番不本意だ」



 カップルコンは必ずしも男女ということではなく、二人組で選ばれる。


 今回2人は2位に入ったようだ。



「それでは続いて第2位。名前は伏せられてますが、一年武術クラスのイケメン。

バーテンダー服、騎士の服など多彩な衣装を着こなし、女性から大人気。一人一人との時間を大事にしてくれたと高評価です」



 ユーリアは表彰を受け、前の人たちに習い一言残す。



「私を選んでくださった皆様、感謝いたします。甘い香りを運んできてくださる皆様とお話する時間は私にとって癒しでございました。

 またいつかお会いすることを楽しみにしております」



 テディが言いそうな事を選んで言葉にしてみれば、会場からは黄色い声が上がる。

 テディに感謝である。


 自分の場所に戻れば、イーヴァルが肩を竦めている。



「ユーリアの後、ものすごくやりにくいんだけど……」



 そう言いながらも表彰を受け、一言残す。



「嬢様方にお仕えできたことありがたき幸せ。それだけでなく票まで入れてくださるとは言葉では言い尽くせない思いでございます。

 これからも一つ一つの花を愛でさせていただく事お許しいただけますか?」



「愛でてー!」


「イーヴァル私にもキスしてー!」


「執事服姿、来年も楽しみにしてるー!」



 黄色い声の嵐だ。イーヴァルは微笑むと、いつもの調子に戻る。



「ふふ、皆本当にありがとー! これからもよろしくね!」



 そう言うとウィンクして元の場所に戻ってきた。

 黄色い声が止まない中、フーとため息をつく。



「ユーリアに女の子取られたー! 去年より受けが悪いもん。」



 去年はどれだけ凄かったのだろうか……。

 ユーリアは呆れていると、ドミニク達三人が話しかけてくる。



「去年は悲惨だった。このコンテストの後が大変なんだ……」


「ええ、ダンスの時間はほとんど生徒会の動きができなくなったましたね……」


「今年はユーリアが変わってくれるだろうから、いいだろう」



 4人がニヤニヤとするとユーリアは断言する。



「ふ、普段の格好に着替えるからいい!」


「ユーリア、その姿でいなさい。下手に詮索される同級生の身にもなってみなさい。正体がバレるぞ……」



 ルーカスにニヤニヤとした顔で言われ、ユーリアの顔は青ざめる。



「くー。いいもん。もうやってやるー!」







 半ば自棄になったユーリアを置いて次々と美女コンが表彰されていく。


 最後にティナの番だ。


 変わりに表彰され、ムスッとしているが、一言残せとプルムに言われている。



「私は代理ですが、猫娘はダンスタイムに出現します。皆様どこにいるかお探し下さい!」



 おーという雄叫びが聞こえている。ティナにも無茶ぶりされた。

 ユーリアは1人頭を抱えて、皆に笑われている。


 ティナは意趣返しができたとニヤニヤとしたり顔だ。そんな中野太い声が聞こえ始める。



「ピンク猫娘もいらっしゃいますかー!」


「踊ってー!」



 ティナは顔が引きつるとプルムが何故か回答する。



「ピンクも参加だー! 皆楽しめー!」



 勝手に回答されたティナはムスッとするが、一度宣言されてしまって撤回できる雰囲気ではない。


 そのまま自分の場所に戻り、プルムを睨み付けている。







「続いてカップルコンテストの表彰に移行します。第5位ルーカス先生と騎士ー! 一瞬しか絡みはなかったようですが、噂が噂を呼びこの場で掛け合いが見たいと票が集まったようです」



 ユーリアはカップルの方はあまり聞いていなかったので、驚愕する。


 ルーカスに肩を掴まれ連行される。



「腹くくれー!」



 表彰されれば、何故か手合わせするように言われ、デモンストレーションとして手合わせが始まる。



「よし、木剣だ!」



 ルーカスはノリノリで打ち合いが始まり、ユーリアも始まってからは本気で返していく。

 ユーリアは体制を崩したところにルーカスに剣を突きつけられ敗北すると、ルーカスに手を掴まれ立ち上がる。

 そして肩を組んでルーカスはピースをすれば、黄色い声が鳴り止まない。



「きゃー! 戦いの中にもルーカス先生が気遣う姿が見れて、2人の愛が見えますわー!」



 ユーリアは顔を引きつらせると、ルーカスの小声で問う。



「この反応いいんですかー?」


「後夜祭だ。楽しめればなんでもいいだろう。去年のイーヴァルとの組み合わせよりはマシだ」



 ルーカスが耳打ちすれば、さらに悲鳴が聞こえる。



「あ、ルーカス先生が燃え上がらせた」



 ユーリアの一言にルーカスが頭をグリグリすれば、益々会場の熱が上がっていくので、さっさと自分たちの場所へ戻った。




「第4位服飾コースの発表で声が上がったベストカップル。騎士と姫」



 ユーリアとリュリュは溜息をつき、ユーリアがリュリュをエスコートして表彰を受けにいく。


 パフォーマンスは特に打ち合わせしていないので、自棄になったユーリアがリュリュの前に跪くとリュリュの手の甲に口付けする。


 リュリュの戸惑う顔を置いて、ユーリアはリュリュをお姫様抱っこする。


 リュリュの耳元で「笑って、手を振って」と囁きリュリュが手をふれば、男達の声が聞こえる。


 2人は早々に退散した。




「第3位武術クラスの猫娘組!」



 ティナとアネットが表彰を受け、2人で棒立ちになっていたので、ユーリアがルーカスにジェスチャーと視線を送り2人のサポートに入る。


 ユーリアが横笛をルーカスが弦楽器を舞台袖から借りてくるとアップテンポの曲を奏で始めた。


 ルーカスが2人に「踊れ。なんでもいい2人で楽しくしてればいい。」と言う。


 ティナとアネットは少し戸惑いを見せたが、乗ってくれば2人の可愛らしさが存分に発揮されたパフォーマンスとなった。


 黄色い声と野太い声のコラボが会場からは聞こえてきていた。




「第2位はイーヴァル、シェルトの執事コンビ!」



 2人は小さなテーブルにクロスをかけ、お茶を注ぎ見事な執事ぶりを見せた後にウィンクした。


 それだけで声援がすごい。

 2人の根強いファンがいる事が露見した。



「最後は皆の憧れ我が生徒会長と副会長のカップル。ドミニク、ルミドラペア!」



 2人が表彰台に上がれば、それだけで大きな拍手が起きる。全校生徒公認のカップルらしい。


 2人は表彰されると会場を振り返り手を振る。


 それだけで黄色い声が響き、皆の憧れの的である事がわかった。


 ユーリアはプルムの指示を受け一発大きな花火を打ち上げた。



「さあ、後夜祭恒例のダンスパーティーの始まりだー。ランキング上位者のダンスが始まるよー!」



 ユーリアはリュリュと、イーヴァルとティナ、ドミニクとルミドラ、シェルトとベティーナ、ルーカス、アネットでダンスの始まりだ。


 ワルツが会場内に響き渡る。


 生徒達は皆即席で作られた立ち見席まで押し寄せてくる。


 その間に会場整理が終わり、広い空間と後ろには立席の食事スペースが出来上がる。


 ユーリア達が踊り終わると歓声の荒らしだ。


 舞台から降りるとリュリュは一目散に着替えに行き、ユーリアはルーカスに耳打ちする。



「先生、きっと上級生も楽器の演奏よりダンスしたいんですよね……」


「そりゃ、混ざりたいだろうが……まさか……」



 ユーリアは逃げ場を作った。何故かルーカスもニヤニヤとして付いてくる。


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