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【書籍化】家族と移住した先で隠しキャラ拾いました  作者: 狭山ひびき
厨二病魔王と〇〇に!

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魔人との交渉 5

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「マルトリッツは父親の敵討ちを謳っています。そのために、共存派を黙らせるだけの人数を集めるつもりのようです。排斥派が先代魔王を殺害した時にもかなりピリついて危険な状態だったというのに、まだ諦めていないようで……」

「先代魔王を殺害?」


 えーっと。

 ちょっと待ってよ~。

 伯父様たちが討伐した魔王は、先々代魔王ってことよね。

 で、トルデリーゼが当代魔王。

 その間にもう一人魔王がいたってことだけど、人間たちに認識されていないってことは、その魔王は共存派の中に誕生した魔王だったのよね?

 魔人の情報が一気に増えて、整理しながら聞かないと混乱しそうだわ。


 ……ていうかもう、この世界の元になった乙女ゲーム要素なんて欠片も残ってないわね。まあ残ってたら残ってたで、悪役令嬢さんなわたしとしてはとっても困るんですけどね。


 って、あれ? そう言えば……。


「あの、ミヒェルさん。水を差すようですが、先々代魔王……二十二年前に討伐された魔王は、人ではなく巨大なカバみたいな見た目だったらしいですけど、マルトリッツさんもそんな感じなんですか?」


 わたしが言えば、伯父様がポンと手を叩いた。


「確かにそうだな! 人語を喋るカバだった!」

「ああ、そこからですか」


 なるほど、とミヒェルさんは困った顔をした。


「まず前提ですが、魔族は人に近い見た目をしています。それは魔王になっても変わりません。ただ、魔族は自由にその見た目を変えることができますので、先々代魔王のような見た目になることも可能です」


 ああ、そう言えば魔人は見た目が変えられると言うのは聞いたことがあるわね。


「先々代魔王は人類を恐怖させるためにあえてあの姿を取ったのだと思われます。……あとは、魔力暴走を起こすと、本人の意思に反して姿が変わることもありますね。多くは巨大化しますが」


 なるほどなるほど。それでカバ……。まあ、巨大なカバが目の前に現れたらそりゃ怖いわよ。だけどカバにこだわらなくても、巨大なだけで怖いと思うわ。他人(先々代魔王)の趣味についてとやかく言うつもりはないけどね。


 だけど、これで一つの謎が解けた。

 乙女ゲームでライナルトが巨大な兎になったのは、魔力暴走を起こして体が巨大化したからなのね。納得!

 よし、疑問が解決できたところで、話を続けましょう。

 ええっとつまり、先々代魔王が伯父様たちが討伐したカバみたいな見た目の魔王で、先代魔王がトルデリーゼの前の魔王。

 わたしがもう一度頭の中を整理していると、ライナルトがミヒェルさんに確認を入れた。


「先代魔王というのは、人類共存派に誕生した魔王と言うことでいいのしょうか。魔王トルデリーゼの前の魔王、ですよね?」


 ライナルトの発言で、ミヒェルさんはわたしたちがそこも理解できていないと気づいたようだ。


「そうです。この国で討伐されたのは先々代魔王。そして、先々代魔王が討伐されたのち、共存派の魔人の一人の魔力が膨れ上がり魔王となった。それが魔王トルデリーゼの前の魔王であり、彼女の兄です」

「……え?」


 トルデリーゼの、お兄さん?


「魔王トルデリーゼの兄、魔王アルブレヒト。彼は共存派の中でも特に穏やかな気質の青年でした。まだ年も若く、彼が魔王であれば長らく魔人たちも安定するだろうと期待されていたのです。けれど、排斥派は違った」


 ミヒェルさんはここでいったん言葉を切って、少し悩むように視線を下げた。





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家族と移住した(仮)
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