ロベリアが悪役令嬢になった事情
あれは確かまだ私が貴族学院にいた頃の話だ。
あの頃の私は王太子の婚約者として王妃教育の他、学院の生徒会の副委員長として頑張っていた。
ある日のお茶会の時に参加していた令嬢達からある話を聞いた。
最近、入って来た聖女候補の男爵令嬢―エミリア様の事だけど―、に令嬢の婚約者達が良い仲になっているらしい、との事。
余りに愚痴るので『じゃあ私が言いましょう』と言ったのだ。
で、その現場を見たので私は殿方達に言ったのだ。
『婚約者がいる身にも関わらず他の令嬢に声をかけるのはどうなんでしょう』、『誤解を招く行為はよろしくないのでは』、と。
彼等は『聖女様を助けるのは当然の事だ』とか何か色々言ってましたけど聞く耳持たず。
『度が過ぎる行為がありましたらそれぞれのお家に報告しなければなりませんので』と言ってその場を去った。
が、その翌日にウォールズ様に苦言を言われた。
『他人の恋愛に口を出すのはよろしくない』、『君は言葉に棘がある。誤解を招くのは君の方だ』とか。
その言い方にカチンと来たけど、そこは一応謝った。
それから数日後にウォールズ様とエミリア様が仲良くされている姿を見かけて『あぁ、そういう事か』と理解してしまった。
と、同時に私にある計画が頭の中に浮かんだ。
『上手く利用すれば婚約破棄されて家も追い出されるんじゃないか?』と。
その日から私は悪役に徹する事にした。
嫌みは勿論、エミリア様の持ち物を盗んだりノートを隠したりとか色々やった。
勿論、わざと証拠も残したりした。
当然、ウォールズ様には注意をされたけど、私としてはもう婚約破棄する気満々だったので私は止まらなかった。
そして、卒業式が近くなった日、私はエミリア様を呼び出し階段から突き落とした。
ただ、これには裏があって流石に大怪我をさせるのは不味いので軽くポンッと押したのだ。
それに魔力で大怪我をしない様にリカバリーをした。
結果、エミリア様は足の骨に皹が入ったぐらいで済んだ。
「······と言う訳なんですよ。多くの生徒の前でやったから言い逃れも出来ない状態ですから」
私はローズさんに事の真相を話した。
「頑張り所が違うわよ······、そこまでしてウォールズ様との婚約が嫌だったの?」
「嫌では無いんです。ウォールズ様は優しいし頭も良いし素敵な方です。······ただ、周りにいる方が問題でして、あの方と一生付き合うのは無理だと思うんですよ」
「あぁ~、前王妃様ね。あの方は性格がアレだからねぇ」
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