庶民ロベリア4
「あれ······、私寝てた?」
気がついたらイスに腰かけたまま寝ていたみたいだ。
貴族時代だったらこんなはしたない事は出来ないけど庶民だったら関係ない。
何せ注意するメイドや執事がいないのだから。
この3年間でいかに貴族の生活が堅苦しくて窮屈だったかが痛い程にわかった。
「私は生まれてきた所を間違っていたのね、本来は庶民として生まれるべきだったのよ」
結局、収まる所に収まった訳だ。
と、扉がノックする音が聞こえた。
私が扉を開けると近所のおばさんがかごを持って立っていた。
「ロベリアちゃん、これ良かったらどうぞ」
「いつもありがとうございます」
「良いのよ、困った時はお互い様なんだから」
そう言っておばさんは豪快に笑った。
このおばさんは私がこの家に越してきてから何かと私の面倒を見てくれている。
「これが本来の人の姿なのよねぇ······」
おばさんを含め近所の人達と話しているといかに私が狭い社会で暮らしていたのか良くわかる。
貴族が裕福なのは庶民のおかげ。
国が成り立っのは国民が税金を収めているから。
貴族は決して特別な人材では無いのだ。
人は学んで成長する。
当たり前だけど身に染みてわかった。
私は例え何があろうと貴族社会には戻るつもりは一切無い。
せっかく手に入れた自由をそう簡単に手放したくはない。




