最後の扉
何事も始まりがあるものには必ず終わりがやってくる。
それは誰ひとり例外もなく平等に訪れる。
なので当然この物語にも終わりがある。
とても短く、そしてとても長い経験を何度もしてきた俺は暗い一本道にたどり着いた。
そしてその一本道の終着点にある1枚の扉。
その扉を開いた時、俺の最後の物語、終わりが始まる。
そこはこの前まで俺達が閉じ込められていた部屋とは全く逆だった。暗く狭い室内、家具なんて当然なくこじんまりとした部屋だ。一つ特徴があるとすれば、机が1つ部屋のまんなかに置かれている。当然机があるというなら椅子があるはずだ、しかし今俺達に確認できるのは不自然に見えるように明かりを照らされているその机だけだ。
「Y君、あの机なにかな?ちょっと調べてくる!」
絵空がその机に近づこうした。だが
「やめろ!絵空!」
俺はそれを即座に止めた。
「なんで~、今これしか手がかりないじゃん!」
「いや、絶対ダメだ、それに…。」
これは明らかに罠だ、いくらなんでも不自然すぎる。それに俺が彼女を止めたのは別に理由がある。
「そこにいるんだろ?」
「いるって誰がいるの?」
「俺達をさんざんおちょくってくれた奴だよ、俺達を監視して、自分はただ笑ってるだけの…。」
中年の声なのに、妙に人をイラつかせる口調、 もう二度と聞きたくなくなかった…、
あの声の主がそこにいる。
「よくわかったね…、Y君、ようこそ。」
「そんな挨拶はいい、さっさと正体を見せろよ!」
「ならこっちに来なよ♪」
俺はそんな挑発には乗らない。さっきもいった通りこれは罠だ。
「あら残念~、この机に近づいたらこれでぷすっといこうと思ったのに~。」
そう言って声の主は俺のところに何かを転がした。それを俺は拾ったが
「いてっ!」
それを手にした瞬間、それが見えなくても何かが分かった。
それはあのメイドが使っていたナイフよりも鋭い鋭利な刃物だ。
やはりあの時絵空を止めたのは正解だった。
「やっぱりな、こんな卑怯なことしかできないなんて…。いいから早く顔をを見せろ!」
「分かったよ、君は本当にせっかちなんだから~。けど本当にいいの?僕の顔を見たら君は驚くと思うよ?あっ、驚かないか!だって君はあの時全く気づいていなかったんだもんね…。 」
そう言って声の主は指を鳴らす。
その合図で今まで暗かった部屋に明かりが灯される。
全ての明かりがついた時、そこにいたのは…。




