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虚無世界  作者: 天神
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3階・パソコン室にて

学校の校舎には実にいろんな形がある。

一般的なもの

オフィスビルみたいなもの

これが校舎なのかと思うような奇抜なものから近代的な形式の建物

など学校によって様々な形式がある。いわば校舎はその学校を象徴であり誇りと言ってもいいだろう。少年少女達は毎日そこに向かい勉学に勤しむのである。

そして今俺達がいる校舎はごく普通の一般的なものだ。変わっているところといえばこの校舎は4階建てなのだが、4階に行くために繋がる階段は校舎の右端にある階段しかない。理由は勿論4階部分がその範囲内にしかないためだ。だから最初中央の階段から上がった俺達はどっちみち迂回しないと目的地4階に行けなかった。

そして俺達は今その階段を登り3階にきている。なんですぐに目的地である4階に進まないのかというとまだここには謎が残っている、3階にはパソコン室や図書室など多目的教室がある、もしかしたらここについてなんか分かるかもしれない。と言った理由だ。

「なんか制服着て校舎の中を歩くなんて高校生みたいだね♪暑いことを除けば…」

「…ハハハ…、そうだね。」

あんだけ制服に文句をいっていたのに、今はのりのりの絵空とは違い俺は淡々と廊下を歩いている。

あの出来事以前は俺と絵空は基本二人並んで歩いていた。けど今は、俺の後ろに絵空がいるという構図だ。彼女には

「ここからはいろんな教室があるから俺が先頭に言って案内するよ!」

と言っているが、あれは嘘だ。

俺はあれ以来彼女の顔をちゃんと見ることができなくなっていた。あの時に見せた顔がどうしても忘れられない…。

前を歩いている時も後ろから包丁で刺されたような鋭い視線がきているように感じる。きっとそれは俺の勘違いだと思うが…。







多目的教室が多いとはいえ勿論普通の教室もある。そして今はその教室に生徒はいない、生徒は体育館と一緒に俺達が燃やして還したのだから当たり前か…。生徒も先生もいなくなった校舎を生徒ではない俺達が制服を着て歩いているなんていう皮肉なんだろうか。

「ほらここがパソコン室だ。」

「凄い、本当にパソコンがたくさんある~! 」

学校に行っていた人間だったらパソコン室をパソコンがたくさんあるのは当たり前だが、自分の本当の名前すら忘れていた絵空にはそれも新鮮だったのだろう。

「とにかくパソコンたちあげよう。」

「うん、わかった!」

俺はパソコンの電源のスイッチを入れたがパソコンは起動しなかった。けと薄々こうなることは予想していたならあんまり落胆はしていない。

「Y君~できたよ~!」

えっ、絵空のパソコンが起動した?ならなんでこのパソコンはつかなかったんだ?けど起動したならなんか調べられる!

「でかした絵…空…?なにやっての…?」

「なにってパソコンをたちあげたんだよ。 」

俺が見たのは彼女がパソコンを高くあげている姿だった。親切に電源ケーブルなども取り外してある。

「もしかしてたら…」

そう彼女がやってることは

パソコンをたちあげる

ではなく

パソコンを立って上にあげる

パソコンを立ち上げる。

だった。

「ごめん、言い方がまずかった。パソコンをたちあげるっていうのはパソコンの電源をつけて起動するって意味なんだよ。」

「な~んだ、それならちゃんと言ってよ!」

彼女は

「私はこんなに苦労したのに!」

って言ってるような顔でこっちを見てくる。

「けど電源つかないからもう大丈夫だよ。」

「えっ、なに言ってるの?電源ならあのパソコンついてるよ!」

俺は彼女の指指したパソコンをみた。確かに1つだけそのパソコンに電源がついている。俺達はそのパソコンに向かい色々試したが全く反応しない。

「う~ん。ダメだな~。」

「ダメみたいだね~!」

俺達は諦めてパソコンから離れようとした時…

ピローン

パソコンが謎の音をあげてある場面で映しだされた。

「あれこれって?」

パソコンが映し出された画面には人が3人倒れてる姿だった。そしてまわりにはなにもない。

「これ私が倒した人達だ。」

そう、その人達は何もない空間で絵空が倒した奴らだった。

そして映像の中でその人達が倒れながらにしてぶるぶる震えてだした。痙攣でもおこしているにはとても激しいくらいに…、しだいにその人達は震えが止まった

そして…

ボン!

その人達は音をあげて爆発した。3人だった人達は不規則な形をした塊になり画面が赤く染まった。

「嘘…だろ…。」

だがその映像がまだ終わらず画面が切り替わる。次に映し出されたのは体育館だ。そこには生気が無くなったように虚ろな表情をした生徒達が何かを探すように歩いている光景だ。

「これは絵空、見ちゃダメだ!」

俺は彼女にそれを見せまいとパソコンから引き離そうとしたが、彼女はそれを振り払う。

「大丈夫…大丈夫だから…」

彼女は彼女なりに自分がなにをしたかを見ておきたかったのだろう、その目は真剣だ。

しばらくたつと映像の奥のほうから煙が出てくる、そしてそれは炎となり体育館は炎に包まれる。

うわぁ~…うわぁ~…

そして炎の中から生徒達の苦しむ声が聞こえてくるのがわかった。いくら感情をなくされて喋れなくされたとしても生きようする本能はある。だから生徒達も最後まで生きようとした。

「くそっ…」

俺はその映像を直視できなかった。とても心が痛い。

「ん?ここどこだろう?」

「えっ?」

映像はまだ終わっていなかった。

「あっ…ここは…!」

そこに映し出されたのは地下鉄のホーム、そう俺が初めてここに着いた場所だ。

「あっ、Y君!」

映像は2つに別れ1つはホーム側、そしてもうひとつが俺の乗ってる地下鉄の中。

そしてその映像の中で俺は奴らをあの銃で奴らを消し去る様子が映し出された。

これを最後に映像は終わった。

全てを見終わった絵空は冷たく、そして淡々した口調で俺にこう尋ねた。

「Y君、これどういうこと…?」



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