希望のタブレット
絵空によって倒れた3人の武装集団、その中で俺を襲おうとした奴を恐る恐る触れてみる。確かに意識は失っている。
「そんなにビビんなくて大丈夫だよ~、しばらくは起きないようにバッチリやっといたから!」
「ちょっと聞いていい?」
「な~に?」
「この人どうやって倒したの?あまりにも突然で全くわからんなかった…。」
「ああこの人はね…」
絵空は倒れた男に近づきあるものを首から抜き取った。
「これを使ったんだよ。」
そう言って俺に見せたのは小さな普通の針だった。
「そんなものでどうやってこんな大きな男の人を?」
「人にはなんかいろんなツボがあるじゃん?首にはあるピンポイントを狙えば簡単に意識を失わせるところがあるの、私はここを狙ったのです!」
彼女はどや顔で俺に説明してきた。
「じゃああの一瞬で針を投げて首のツボに当てたってこと?」
「そうだよ、それがなにか?」
さっきの身体能力といいこれといい俺はまだ絵空という女の子のことをまだ全く知らなかった。しかし今言えることは彼女を起こらせては絶対ダメだということだ。
「けど何でそんな難しいこと知ってたの?」
「私もよくわからない、けどもしかしたら記憶を失う前の私が知ってて体が覚えてたのかもね!」
今はそういうことにしておこう、さあ本題はこれからだ。倒れた奴らはから地図とか使えるものを探さなければ。
俺と絵空は分担して奴らの荷物をあさった。泥棒見たいでいい気分はしないが今は仕方ない、そうしないとここから出れないからな。
小さなバックの中に入っていたものはナイフや銃の弾薬など主に武器だった。流石に大型の銃は持っていけないので小型のピストルとナイフを貰っておこう。あとは水と少しの食料があった。もちろんそれももらった。この量だとすると迷わなければ簡単に出れるということなのか?しかし肝心の地図は持っていなかったためもうひとりの荷物をあさったが中身はほとんど最初のやつとほぼ同じで地図らしきものはなかった。
「ねーね、これなにかな~?」
なにかを見つけた彼女が俺を呼んでいた。俺は彼女のほうに駆け寄った。そこには豪快に荷物の中身をぶちまけてあった。中身はさっきのふたりと同じだったが絵空の手には他とものとは違うものがあった。
「これなんだけど~なにこれ?」
少し大きな四角く真っ暗ら画面、それは紛れもなくタブレットだった。
「タブレット…?」
どうやら絵空はタブレットを知らないようだった。意識を失わせるマイナーな知識は知ってるくせにタブレットのことは知らないなんて凄い違和感があるがそれも記憶を失ったせいなのか?そんなことはいいとして俺は彼女にタブレットのことについてを簡単に説明した。
「うぉ~、タブレットすげぇ~!そういえばなんかあの街で見たような気がする!」
「へぇ~、そうなんだ…。」
あの街は様々な店があったので当然携帯ショップや家電量販店もあっただろう。彼女も絶対見てたはずだ。
「じゃあ電源つけるよ?」
「ちょっと待って…!」
今電源つけると仲間に俺達の位置を知られたりするかもしれない。だからもう少し慎重いかなきゃいけなかった。だが時すでに遅し
「タブレット起動~!」
絵空はタブレットの電源をいれてしまった。けどそれは正解だったのかもしれない。
「Y君…これって…?」
「うん、俺達が今欲しかったものだよ…!」
タブレットに表示されていたのはここの地図だった。さらにスライドしてみると絵空がいた街の全体図や俺がきたホーム、さらには上の階のことも書かれていた。
「これで俺達はここを出れる!」
「やったーーー!!!」
俺と絵空は思わずハイタッチそれほどまでにこのタブレットに表示されたものは大切なものだ。
一つ電源をつけたことによって位置が知られるか心配だったがタブレットの電波はOFFになっているしwi-fiにも繋がっていない。ひとまず大丈夫ってことだ。
タブレットを持っていたやつはおそらくこの部隊のリーダーだったのだろう。だからこんな重要なものを持ってたし、最後まで絵空を襲わなかった。
「必要なもの持ったか~?」
「うん、持ったよ!」
欲しいものは見つかった。なら意識が戻る前に早くここからでなければ。念のため俺は奴らが持っていた大型の銃を持っていくことにした。さっきは持っていかないと言ったがやはり護身用として必要だし仮に奴らが起きた時武器を持っていたら厄介だ。
「この人達どうする?」
「このまま置いていこう、残念だけどそんな余裕はよ」
奴らは地図を失ったことでさっきまでの俺達と同じ状況になった。彼らが目覚めた時一体何を思うのだろうか?武器もない、地図もない、こんな状況にさせられた俺達をきっと恨むだろう。そんなことを考えながら俺は倒れる奴らに背を向け出口に向かって出発した。




