はじめてのグーパン
「あっ…」
「あっ…じゃないよ!あっ…じゃ!」
しまった…あいつらに逃げることに必死でなにも考えずに逃げてしまった。
ヤバい、完全に地図から外れてしまった。
地図のルートに戻ろうとしてもなにもないここじゃ目印にになるものも当然ないため戻ることもできない今俺達はどこにいるのかも分からない状態だ。
完全に遭難?だ。委員長よ、こんな場所だから地図の書きようがないのはわかる。けど迷った時の対処法くらいは書いておいて欲しかった…。
「…でこれからどうするの?」
「ハハハ…どうしようか…ハハハ…」
俺はもう万策が尽きてしまった。このままなにもできないまま朽ちていくのか。
「ありゃりゃりゃ、完全に壊れちゃってる、な~ら!」
ドカァ!
俺の頬に強い衝撃が伝わる。それと同時に鈍い音が聞こえた。
「痛っ!」
もちろん殴られたのは俺、殴ったのは絵空だ。しかも普通なビンタだろ、だが俺が喰らったのはグーパンだ。もちろん女の子からグーパン喰らったのは初めてだ。
「ったく弱音を吐いちゃって、今までいろんなことをくぐり抜けたんでしょ?そんなんで落ち込まないでよ。」
「ごめん…でも絵空には危険な目に合わせな…」
「あーあーあー、謝罪なんて聞きたくないもんね、そもそも私の勝手で着いてきたんだから自分の身は自分で守るわよ。それに…」
「それになに?」
「誰も居なくなった街でY君を見つけた時は凄い嬉しかったんだよ。それからいろんなことをしてここにまで一緒にきた。さっきだって遠くだったからよく見えなかったけどあいつらを倒すY君はかっこよかったよ!だから私今みたいなくよくよしてるY君は嫌い。」
絵空の目にはうっすら涙が浮かんでいた。そうか俺はそんなふうに思われてたのか。
「それにY君にはUさんを助けて私を外の世界に連れ行くって使命があるでょ!だからしっかりしなさい!。」
バシッ!
今度は背中に衝撃が走る。やっぱりとても痛い。しかしその痛さはなんか心地のいい痛さだった。
「わかった、もうくよくよしちゃいけないな!」
「そうそう、それでこそ私の知ってるY君だ。」
もう立ち止まってはいけないな、前に進まなければ。
だが根本的なことが解決をしていない。
「じゃあまずは地図の位置まで戻らないと」
だがそれをする手段がない。無理に動くと逆に効果になる恐れがある。
「えっ、別に戻らなくていいじゃん?」
俺は絵空のその言葉の意味がわからなかった。
「いや戻らないと出口までたどり着けないよ。」
「もしかしてY君ってバカなの~?」
なんか今の言葉はムカついた。がここは押さえよう…
「じゃあなんか考えがあるの? 」
「だからさ~少し考えて見なよ、さっきやっつけた人のことを」
「あいつらは目的は分からないけどどこかに行こうとしてた、それが俺達かそれが違うとこか分からない。」
「そうそう、じゃあ私達はなんで迷ったのかな~?」
「それは地図のルートからはずれたから」
「じゃああの人たち目的地に向かってなおかつ遠くの火と爆発音だけでここに迷わずこれた。それはな~んでだ?」
「だからそれは俺達よりいい地図や装備が…」
そこで俺が絵空がなにを言いたいかわかった。はっきり言って俺は絵空が余り頭が良くないと思っていたがそれは今日限りで撤回しよう。彼女は俺以上に頭が切れる女だ。
「ふぅ~、やっとわかったか~ 」
「だから絵空はあいつらから地図や装備を奪って出口に行こうってことでしょ?」
「そう正解~!きっとY君が倒した人たちが仲間を連れて私達を襲おうとするでしょ?そこを逆に狙います。」
いい考えてだけど絵空は一つ勘違いをしてる。俺はあいつらを追い返したわけではない、現象によって消したのだ。だから仲間を呼ぶことはない、仲間も消えた人のことなんか覚えていないだろ。
だかしかし、まだ希望がある。それはさっき起こした火だ。消しようがないので放置してあるが、それを不信に思った仲間が来る可能性は十分にある。
「分かった、それでいこう。」
「どお、私の作戦?凄いでしょ~!」
「絵空にしてはなかなかいい作戦だね。」
「してはってなによ~!」
俺達は火の近くで奴らが来るのを待った。俺は結構かかることを覚悟はしていたがそれはすぐにやって来た。
「y君来たよ、仲間の人」
「じゃあ行ってくる、絵空はここで待ってて」
俺が行こうとした時絵空の手が俺を引き留めた。俺は振り向くと彼女は子供のような無邪気な笑顔でこう言ってきた。
「ここは私に任せなさい!」




