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虚無世界  作者: 天神
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引き裂かれた二人

「全くせっかちな女子高生なこと、いいよ話してあげる。」

さっきまで泣き崩れていた委員長は再び立ち上がりどこから流れてるか分からない声の主を睨み付けていた。

「操作してるって行っても私達は現象の力を他より強めただけなんだよ。」

現象の力を強めるなんてそんなの可能なのか?台風とかも周りの環境によっては強くなることはあるがこれはあくまで不可抗力のはずだ。

「特異体質の人間が近くにいると現象の力が加速することはもう知ってるよね?だから私達はそれを応用した。なぜなら私達はその力を持っているからね。」

「それってまさか…」

「そうだよ、君たちから絞りとったカプセルを使うんだ。あらかじめ消したい所の近くにカプセルを仕込んで起き時間になったカプセルを破壊するようにしとく。そうするとそこは一時的に特異体質の人がいる状態になる…あとはわかるね?」

周りが特異体質になったことにより相対的に現象の力がそこに一転集中する。それによってまだ消えるはずのないものが消えてしまう。そういう仕組みだったのだ。

「けどそれをやっていくうちに現象のバランスが崩れてきたみたいで最近は大規模な現象が起きてるんだよね。」

「あんたたちがなにをしてるのが分からないの!そんなことをしているうちに国民は知らないうちに消えていくのに…」

「おいおい、なにを勘違いしているだ。私達はちゃんと国民に注意をうながしているのに~」

「そんなこと全くしてないじゃない!」

「物が突然消える事件…」

俺はそこまでの話を聞いていてやっと核心が持てた。初めて現象のことを聞いた時からこれだけが突っかかっていたのだから。

「よくわかったねY君、でもどうして?」

「現象のことは特異体質の人間しか認識できない。なのに物が消える事件はテレビやは新聞で普通に報道してる。そんなことありえないんだ。だって普通の人なら無くなったことにも気づかない…」

「そうだよY君大正解!私達はあえて現象に似た事件を起こさせて国民に気づかせようとしたけどやっぱり無理だったね。」

「本当の目的は違うだろ?」

「なにを言っているのかね?」

「あの報道は国民を注意を知らせてるんじゃない、特異体質の人間を炙り出すために仕組んだ罠だ。委員長とSさんと同じように…」

「それってどういうこと…」

委員長は不思議そうに俺を見つめている。あまりこれは言いたくなかったが今言わなきゃ行けない気がした。

「これは俺の推測だけど委員長の街は結構栄えてたんだと思う、けど委員長とSさんが生まれたことにより現象が急速進み街からいろんな物が消えて田舎街になってしまった。当然街の人はその事を覚えてない。政府のやつらはそこに目をつけた。だが最初は1人だと思っていた特異体質の人間が実は2人いるとわかった。けどにわかに信じられない、そんな例は1度もなかったし二人は親友だからどちらか話を合わせるかも知れない。だからその街唯一のスーパーを消して二人の反応を確かめたんたんだ。そうでしょ?」

本当にこれは俺の推測だ。内心的には外れてほしいと願っていた。

「まさかそこまで見透かしてるとは流石だね。正解だよ。」

委員長ごめん、どうやら当たってしまったようだ…。

「私達を誘き出すためにそんなことを絶対に許さない。」

「べつに許さなくていいよ、私達の計画は着々と進んでいるからね。」

「計画ってなんだよ、お前は一体誰なんだ!こっちに来て話せよ!」

「君とはもう合う必要はないよ、君にはね…」

声の主はそう呟くと俺達が入ってきた扉から武装をしてきた何者かが大量にでてきた。自衛隊とも警察とも違う全身黒ずくめの防護服をしており手にはライフルが持たれておりヘルメットにガスマスクが装備されていた。俺達は一瞬の出来事になにもできずに囲まれてしまった。

「あんたたち卑怯よ!二人がかりにこんな大勢で!」

「なにを言っているんだ。君たちだって武器を持ってきてるじゃないか、万全の準備でくるのが普通だろ?」

いくら武器を準備できる時間があったとしてもこんな大人数俺達が処理できるわけがないのに

「 安心してくれ、君達は殺さないよ、貴重な特異体質だから」

ドン!

隣で鈍い音がした。振り向くと委員長が黒ずくめに腹を殴られ意識を失わされていた。黒ずくめは念のため何かの薬を嗅がせ委員長を担ぎ出しどこかに連れていこうとする。

「お前ら委員長をどうするつもりだ!どこに連れていこうとする!!」

「君には知らなくていいことだ。Y君、君はもう使い物にならないからね…」

その言葉ともに謎の煙が部屋を覆った。黒ずくめのやつがガスマスクをしてたのはこれをするためだったのだ。

「あ…あっ…」

大量にそれを吸ってしまった俺は遠退く意識の中で俺達が入ってきた扉を見た。そこには委員長も黒ずくめもやつらもいない。煙を出る前に脱出したあとだった。

「よい夢を…」

俺はそのまま意識を失った…。

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