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虚無世界  作者: 天神
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秋葉原

俺は今一体なにを見ているのだろう…

親友を失い監禁した俺を1人で助けてくれたあの委員長が秋葉原で今まで見たことのないテンションではしゃいでいる。

「これが秋葉原…オタクの聖地!あっちにはゲーマーズ!えっ、このビル全部がアニメイトなの!?しかも秋葉原のアニメイトはここだけじゃないの!」

「あ、あの…委員長、ちょっと静かにして…なんか恥ずかしい」

「なに言ってるのY!秋葉原よ、秋葉原!田舎から来たオタクには憧れの場所よ!」

「委員長ってオタクなの?」

「えっ、あっ…う…うんそうよ、なんか文句ある?」

「なんにもないです。」

また委員長の新たな1面が見れた気がしたがまさか委員長がオタクだったとはおもいもしなかった。委員長の部屋には危ない武器ばっかりでそういったものはなんにもなかったぞ。 もしかしたらあらかじめ俺を部屋にいれることを予定していてそういったものを隠していたのかもしれない。本当は委員長はそういったものを持っていないという人もいるだろう。しかしそれは絶対ない。なぜかというと今委員長は俺のもとから離れ数々のグッズを買いあさっているのだ。

しばらくして戻ってきた委員長の手には大量の紙袋がありその顔は凄い満足感に満ちた笑顔だった。

「凄い買ったね~。」

「いいでしょ?今度はいつこれるか分からないから心残りのないように買ってきたわ。」

「…またこれるよ、すべてが終ったらまた二人で来よう。」

や…ヤバい俺はなんてことを言ってしまったんだ。これじゃまるで告白みたいじゃないか!

「そうね…」

あれ?委員長なら絶対怒るはずなのに、もしかして気づいてない?それはちょっと寂しい。

「ところでこの荷物はどうするの?さすがに持っていけないよ。」

「東京にはいたるところに一時的に荷物を預けるロッカーがあるのよ、知らないの~。」

なんだそのどや顔は…。

委員長は駅にあるロッカーに荷物を預けた。

「委員長、別にここじゃなくても」

「すべてが終ったら二人でまた来るんでしょ?ならいいじゃない!」

「委員長…そうだね!」

「さて日も落ちたところでそろそろ行きますか!」

俺達はそこに向かった。長い長い遠回りをしながらやっとそこにたどり着いた。ここで全てを終わらせることができる。たどり着いた俺達の目の前にあるものは高い建物が無数にある東京の中でもひときわ高い建物、東京スカイツリー。


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