最後の姿
帰りの電車はもはやお通夜状態だった。それがいくら自分のせいだったとしてもあんなのを見せられたらさすがにショックを押さえきれなかった。委員長曰くあれが現象に巻き込まれたものの最後の姿、砂もなにもない地面が広がっている光景。
俺達は最初に東京に降り立った駅に戻ってきた。そこにはさっき俺がワクワクした街の姿、夜でも明るい街、そして沢山の人達。おそらくさっき見てきた街も本当はこんな姿は広がっていたのだろう。
「ここも最後はあんな姿になっちゃったのかな?」
「ここだけではなく最後は世界中あんな姿になっちゃうわよ、特異体質の私達を残してね」
「委員長はあそこがああなるってわかってて連れてきたの?」
「私は田舎に住んでたでしょ?だから東京とかに興味があったの。だからよくネットや雑誌で調べたてた。でもつい最近からあの街の名前が消えた、それから怖くなって調べるのやめたわ。」
委員長はその時わかってたんだ。現象によってそこがどうなっていたのかを。
「そして今日電車の路線図を見てはっきりした。路線図にその街の名前がなかった、ああ…もうないんだって…だから」
「だから」
「あなたのさっきの発言でちょっとムカついた。だから本来ない山手線の終点=次を消える街を見せようとしたのよ。まあただの嫌がらせよ。」
「けどその嫌がらせのせいで現実がよく分かったよ。」
「けど現象の最後ああなるなんて私も初めて見たわ、そして最後に残ったのが駅なんてね 。あの状況だと明日にはあの駅も消えてあそこは完全に消滅する。」
そう、あの街はもう明日には消える。だが他の人達はそんなことも知らずに普通に暮らしていくんだ。覚えていられるのは俺達特異体質の人間だけだ。
「まあでもこれでせっかくたてた計画がめちゃくちゃよ。いったいどう責任とるの?」
「計画狂ったの俺だけのせいだけじゃないよね?委員長だってあれとかあれとか…」
「あー聞こえないー。」
「今日はもうどっかに留まって明日やろう。もう心 と体はぼろぼろだよ。」
「ったく、分かったわよ、けど今回は部屋は別々ね、また眠れなくて寝不足は勘弁よ。」
「はいはい、わかりましたよ~。」
こうして俺達は宿を探しに夜の街に繰り出した。




