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幻想舞曲~crystal message~  作者: 芹薺
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7/8

初めての感情 side V

軽快な音楽がどこからか聞こえてきた。

何かと思いふらりと立ち寄ってみると、色鮮やかなステージが公園に一つ。

その上で見せ物をしているようだ。

【クリスタルクラウン】だった。


「これが…」


師匠キアラの残したヒント。

ここに俺の答えがある。


『最後は、我らが誇る花形!踊り子のルイーゼ!』


ふわふわとした衣装を身に纏った少女。


「あの娘は!」


忘れることはない。

頭の上で結ったお団子から少しこぼれた金色の髪。

大きな琥珀の瞳。

彼女だ。あの日、町でぶつかったあの娘だ。

舞台から遠く離れた木にもたれ掛っていた肩は、驚きでそこから離れた。


「ルイーゼ…。」

ルイーゼという名前なのか。

口にすると鼓動が高くなった。

また逢えた。

君に逢いたかった…

ルイーゼ。


俺には気づかないまま、彼女はステージから下りていった。

なんて綺麗なんだろう。

凛としたあの姿。

君の笑顔は、世界で一番輝いている。

ああ、ルイーゼ…。

もっと近くで、君の姿が見たい。

君と話がしたいんだ。

この気持ちがなんなのかは知らない。


ただ、会いたい。


――――――――


公演が終わり、オレの足は自然と一座のテントへ向かった。

女性がいた。とても優しそうな人だった。

聞いてこよう。


「すいません、ルイーゼさんはいらっしゃいますか?」

「あの…」

「?」

「ごめんなさいね、ルイーゼは今練習でいないわ。それに、部外者との面会はしてはいけないことになっているのよ。」

「そうですか…。分かりました。」


帰ろう。

やはりこんなことは無理だったんだ。

しかし、これから毎日見に来ることは許してほしい。

ほんの少しの希望を信じたい。

そういえば、キアラについて聞くの忘れてしまった。

まあいいとしよう。今日はとてもいい気分だ。


「ん?」


公園の中を歩いていると、かすかに誰かの会話が聞こえた。

ちょっと聞いたことがある声だったため近づいた。


「練習、付き合ってくれな い?」

「君がレオンと呼んでくれるなら。」

「…レオン、お願いよ。」

「もちろんさ、ルイーゼ。」


彼女だ。

楽しそうに踊っている。

あの男は、一座のヴァイオリン奏者…

ふたりは仲がよさそうだ。


「はぁ…」


急に気分が落胆した。

歳も近そうだし。付き合っているのだろうか?

考えると頭がぼうっとした。

何でこんなに落ち込んでいるのだろう?

悔しいのだろう?

嫉妬、しているんだろう?

そうか。


俺は恋をしたんだ。

叶わない恋なのに。

あの娘を、好きになってしまったんだ。

でも、もう止まらない…

この気持ちだけは。

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