一座の初公演
軽快な音楽が広場に流れ、沢山の観客を誘う。
「クリスタルクラウンの公演始まります!」
音楽に誘われてステージの前へ流れてくる人たち。
果物屋のおじさんも来てくれたみたい。
「最初は、道化師のピートとウェンディ!ふたりの芸にたくさん笑ってくださいね!」
ふたりは舞台上で華麗にジャグリングをきめたりパントマイムをしたり。
沢山のお客さんの笑いを誘う。
「ありがとう!次は…」
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みんなが演技を終えて最後はわたしの出番。
しっかりやらないと!
「最後は、我らが誇る花形!踊り子のルイーゼ!」
頭上を流れるメロディーにのって、わたしの足はステップを踏み始める。
フワフワの衣装を着て踊るのはとても楽しい。
果物屋のおじさんも楽しんで観てくれている。
音楽が止まり、沢山の拍手が交った。
エーデリアでの初公演はうまくいったようだ。
ニコリと笑顔を向けて、ステージの袖へ向かった。
大きな歓声が拍手とともに、後ろから聞こえた。
「大成功ね、ルイーゼ。」
「ありがとうございます、でもまだまだですよ。ミレアさん!」
「さあ、みんな。ステージに上がるんじゃ。」
座長の声でみんながステージに上がった。
大歓声の中、【クリスタルクラウン】のエーデリア初公演は大成功で終わった。
――――――――
「明日は今日よりいい演技するの!」
「気合十分ね。」
「もちろん!ミレアさん、レオンハルト見なかった?練習の手伝いしてもらいたいんだけど…」
「レオンハルトなら先ほどまでピートと話していたはずよ。」
「ありがとう、それじゃあ探しにいってくるわ。」
あたしはいつもレオンハルトのヴァイオリンで練習してる。
あんな女たらしだけど、ヴァイオリンを弾かせたらとっても素敵!
「あっ、ピート!」
「よぉ、ルイーゼ。」
「どうしたんですか?ルイーゼさん。」
「あら、ウェンディと練習中だったの?ごめんね…ところでピート、レオンハルト知らない?練習手伝ってもらいたいの。」
「ああ、さっき公園の噴水のほうで練習するって行っちまったぞ。」
「分かった。ありがとうピート!」
あの場所なら結構広いし、わたしも練習できそう。
「レオンハルト!」
「やぁ、ルイーゼ。愛しの僕に会いに来てくれたんだね、嬉しいよ。ぜひ、レオンと呼んでほしいね、君には。」
「冗談はやめてちょうだい。」
「冗談なんかじゃないよ。」
「どうかしら?」
「君のこと、僕は本気なんだよ?」
「分かった分かった。それでね、練習、付き合ってくれない?」
「君がレオンと呼んでくれるなら。」
「…レオン、お願いよ。」
「もちろんさ、ルイーゼ。」
このときキラキラとした目のレオンハルトに対し、わたしはげっそりしていたことだろう。
レオンハルトがヴァイオリンを構えて弓を引く。
流れる音楽に合わせて踊るわたし。
レオンハルトのヴァイオリンには癒しの効果がある。踊っているのに疲れないし、気分が良くなるみたい。
充実して楽しいひと時だった。
練習前の茶番を忘れる程度には。




