彼女の正体2
「じゃあ君が───」
「うむ!私こそ──」
「龍なの!?」
「いやそれ私が言おうとしたのに...」
スッゴい!じゃあ僕は今、龍と会話してるってこと!?
「本当に君は、龍なの?」
「ああ。私があの有名な龍だ」
......。
「本当の本当に?」
「本当じゃ」
「....本当?」
どうにも疑わしい。
この女の子が言ってることが仮に真実だとして。
龍って人間の容姿になれるのだろうか。
「ああ!もう!しつこいです!何度も言ってるじゃないですかっ!」
...そこまで怒る?ひょっとしてお腹でも空いているのかな。
まあ、龍だって生き物だし、お腹も空いているのだろう。
「落ち着いて落ち着いて。僕の昼食のパンあげるから」
「あ、ありがとうございます...」
ほら落ち着いた。やっぱりお腹空いていたんだね。
もしょもしょとパンを食べる姿が小動物にしか見えない。
どうしよう。かわいい。
「そう言えば話し方変わっ───」
「わ・た・し・は龍ですっ!」
「う、うん」
疑ってたこと気づかれていたのかな?
話を切ってまで言うなんて、そんなに大事だったのか。
「ねぇ?」
「なんですか」
「その話し方が君の素の話し方?」
彼女の頬が薄赤く染まっていく。
あれ?怒らせるようなこと言ったつもりないんだけど...。
「ななな、にゃにを言ってるんですか!?」
......えっ。
なんでそんなに焦ってるの?
しかも噛んでる。
僕はそんなにマズイことを聞いただろうか。
「なんでって───」
「お母様の真似なんて断じてしてません!単純にカッコイイなどしか思ってません!」
彼女は何を言っているのだろうか。
もしかして僕のあげたパンには毒物でも入っていたというのか。
「えーと、整理すると。自分の母親の口調がカッコイイと思ったから、無理して自分もその話し方を真似してたってこと?」
「.........はい」
やばい。どうしよう。
超おもしろい。今すぐにでもお腹を抱えて大声で笑いたい。
───でも堪えなければ。
だって相手は龍人だよ?子どもだけど。
......精神も子ども───もうダメ!
どう考えても悪い方向に進む!
「...今、私のことを子どもだと思いましたね」
「いや、そんっ、なことっ思って...なっ、いよ」
嘘です。めっちゃ思ってます。
まずい、腹筋痛い。
「あー!今、笑ったー!」
「だってっ、君がっ、全て話すから...もうダメお腹痛いっ」
───この後、笑いを我慢しながら、怒られたのは説明するまでもない。
......まさか怒られている最中に笑いを堪えるのが、あそこまで苦しいとは。
あれは新手の生き地獄と言っても過言ではないと思う。
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