28/32
彼女の正体
「そ、そうか...それはよかった」
ほら、明らかに引いてるよ...。
な、なにか話題を──そうだ。
「そこにあった石像は...」
女の子は無言で視線を向ける。
彼女の視線の先を見ると、石像は見事なまでに砕け散っていた。
やっぱり、か。
特別な思い入れがあった訳じゃない。
でも、いつもこの山に登る度に拝んでた石像が砕けているのは、なんだか胸が痛む。
「そう言えば、ここにいた龍は?」
「そんな者は、どこにもいなかったぞ」
じゃあ僕の夢...?
しかし、こんな現実のように生々しい夢があるのだろうか。
ふと、視線を彼女に向けると、彼女と目が合う。
僕と目が合うと彼女は口を開き。
「私を除けば、な♪」
───文字通り、言葉を失った。
《ブックマーク・感想・評価》頂けると幸いです!とても励みになります!




