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自業自得

───...まずい、どうやって話を逸らそう...。

────.....いやいや、その前に───『夜這い』なんて言葉をどこで覚えた!?


「...ぽっ♪」

(何が「ぽっ♪」だよ...)

 先ほどから、固まったままの少年と上体起こした少女はじーっと見つめ合っている。

 少女は一定のリズムで、雪のように頬を赤らめては見つめてを繰り返している。


───もうこの際だし、逸らすことが出来れば何でもいいか...。


「よ、夜這いはさて置き。何で外に出ていたのか聞かないのか?」

───これなら話題を逸らせないはずがない!


 少女に悟られないよう、顔には出さないものの、少年は安心しすぎていた。

(我ながら見事───)


 次の瞬間、自分の思考を遮った少女の言葉に、少年は軽く絶望した。

───しまった!──と。


「えっ?そう...だったんだ。へぇ~~そっかぁ~。あははははは♪」

「顔、笑ってないんだけど....」

(....まさか)

───気づいて...なかった.....?

───....と言うことは....早く離脱しなければ。

───()られるっ!


 だが、少年は気づくのが遅すぎた....。

 スッ。と、音も立てずに、ゆらりと立ち上がった少女は後ずさる少年の肩を、素早く掴む。


「ど・こ・に・行・く・の・♪」

「...え~っと...トイレ?」

「そんな見え透いた嘘が許されるとでも~?」

 肩を掴んだいる少女の手にゆっくりと力込められる。

「....思ってません。」

───....おかしい。絶対おかしい───圧倒的に俺より強いんだけど。

───普段は、か弱い女の子でいらっしゃるはずですが?

───一体どこにこんな力があるんですかね...!


 そんなことを考えていた少年は、少女の目に殺気に似た何かが籠もって行くのに気づいていなかった。


「.....な~んか、反抗的...」

「えっ...?」

(まずい、この流れは───)


「───正座」

「でも─」

 もはや聞く気のない少女に、少年の反論は話す前から遮られた。


「正座」

「....はい」


 そして、少年が正座から解放されたのは......日が登ってからだった。

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