重なる過去
(あった!これは運が───)
───果たして、ようやく見つかったことを『運が良い』と言えるのだろうか?
倒れた箱の中で中身が出ている箱の中に少年の探し物はあった。
急いでその箱の中から、持って来ていた箱に詰めると周囲を警戒しながら、自室へと素早く移動する。
(始めから不安定な箱たちが崩れても疑われは.....しないか)
自室の扉を音を一切立てずに開けて中へ入る。
すると少年は緊張が解けたのか、その場に尻餅を付く。
静かな部屋の中に響く音は、少年の未だ落ち着いていない鼓動と、少し上がった呼吸音。
少年の両親はもういない。そのため、部屋に静寂が訪れることは少なくない。
少年の両親は少年が幼い頃に魔物に襲われ、深い怪我を負って帰って来たものの、なんとか生きてはいた。
しかし、哀れなことに人間は高い治癒能力を持つ治療薬など持っていなかった。
少年の両親は多量の血を流し、まだ幼かった少年と幼すぎる少女に見守られながら息を引き取った。
この時、少年は強く思った。
───殺戮の為の薬なんか要らない.....
だが、現実とは残酷なもので。
少年の考えは否定され続け、数年後の現在から数日前の少年は、ある一つの考えに辿り着いた。
───なら、自分で作ればいいじゃないか!───と。
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