5-8rep
荒れ狂う肉と鉄のぶつかり合い!
さしものマッスルモンスター達も、訓練された軍隊相手には、いつも通りのナイスバルクでマッチョでパンプとはいかずに苦戦している様子です。
私は輿の上で痛む体を治療されつつ、指揮を執り続けます。
「右翼と左翼を閉じて半包囲に持ち込み、オーガの女子供は隙間から逃しなさい! それ以外は一人3回は頭とお尻を叩いて良し!」
そこに、最前線からの悲報が届きます。
「せ、聖女さま! 大変です!」
「何事ですか? 落ち着いてアイソメトリック的に正確に報告しなさい!」
「はっ、そ、その……最前線が崩壊寸前です!」
「なんですとーーー!?」
「やはりバジル大司祭と聖騎士様達が圧倒的なマッチョでして……此方の先鋒を務めた軽量級の細マッチョ達では、圧倒的にバルクが足りず……ゴフッ!?」
最前線からの伝令は、口からプロテインを吐き出して倒れてしまいました。
……戦闘前の補給はEAAだとあれほど言ったのに、ナムナム、パームプッシュです。
将軍が冷や汗を垂らしながら私に問いかけます。
「どうします? 火を放ちますか? ケモノは火を怖がります」
「将軍、私達は解放軍です! 火なんて放ったら危ないからダメです!」
「これは大変申し訳ありません……!」
「マッチョを……もっとバルクのあるマッチョを各部隊から厳選して、本陣まで連れて来なさい!」
「御意!」
さっそく集められた50人のマッチョ達。あのマッスルモンスター達には少し劣りますが、皆ギラギラとした一級品のマッチョです。
「集まってもらった皆に、これを配りなさい」
私は将軍に、50枚の純白のタオルを手渡します。
「全員それを頭に巻いてください! 貴方達はこれより『白タオル決死隊』としてあのマッスルモンスター達へ突撃、前線の崩壊を食い止めるのです!」
「「「応!!」」」
死すら恐れぬ白タオル決死隊が、決意に燃えた瞳で別れのプランクの姿勢を取ります。
私も痛む体と、それを止めようとする治療班を手で制して、共に美しいプランクの姿勢を取ります。
白タオル決死隊の隊員達の目から溢れる熱い汗(涙)が、乾いた大地にポタリと染み込んでいきます。
(あぁ……猛々しくも儚き白タオル決死隊……荒野に咲く純白の薔薇。無事に帰ったら彼等を称える歌を作らせましょう、そうしましょう! 彼等の尊い犠牲を無駄にしてはいけません!)
お父さん、お母さん。
わたしは死地に赴く戦士達に流すはずの涙も、どこかに忘れてしまったのかもしれません……




