5-4rep
「ソレジャア、誰カラヤルンダ?」
腕相撲屋の巨大オーガが、太い腕を組みながら促してきます。
「俺がやるぜ!」
ガストンさんが腕をブンブンと振り回し、鼻息荒くやる気満々で前に出ました。
(……ごくり)
「オォ、人間ニシテハ良い筋肉ダ。ヨシ、ヤルゾ! ソコの豆、お前ガ審判タノム」
「へ? わ、わたし……ですか!?」
(やっふー! 審判ってことは……審判ですよ! これでこの地獄の死亡遊戯からの『一抜け』確定です!!)
「し、仕方ないですね〜……へ、へへ」
(ダメだ私! まだ笑うな、奴ら(アドニス達)に勘ぐられる……っ!)
「ハヤグシロ!」
「わ、わわわ、ごめんなさい! それじゃあ、見合って見合ってー?」
「レディー……ゴーー!」
グッ、ガンッ!!
「うぉ!?」
ドンガラガッシャーン!!ニャー! ガランガランガラン! キャー!! ニンゲンガトビコンデキター!
「ぎゃーーー!?オーガのパワーが強過ぎて、ガストンさんがその場で一回転してからバウンドし、隣のテントに激しく突っ込んで全壊させ、何故か中から猫が飛び出してきたーーー!?」
(わ、わたしは何を見せられているのでしょうか……?)
そして、長年の仲間がそんな大惨事になっているというのに、アドニスさんとバジルさんは何事もなかったかのように超ハイスピードで腕立て伏せをしてアップを始めています。……こいつら、実は仲が悪いんじゃないかと真剣に心配になります!
「ガハハ! 痛ぇなぁ?」
頭をかきながら、ガストンさんが全身擦り傷だらけで戻ってきました。……無事で何よりですが、隣の壊れたテントからオーガが凄まじい顔で睨んでいるので、早く謝ってきてください。
「さて、次は私の番ですな?」
「お? バジルが先かい? いきなり僕でも良いんじゃないかな?」
「何をおっしゃる、迷える魔導ゴーレムよ。たまには私が……」
オーガとバジルさんが、グッと太い手を握り合います。
「良いところを見せても……」
「レディー」
「よろしいんじゃないかと思いまして」
「ゴー!」
グッ、ガンッ!!
「おや!?」
ドンガラガッシャーン!! バキッ! ザバァー!
ニャー! ガランガランガラン! キャー!! ニンゲンガトビコンデキター!
「ぎゃーーー!?オーガのパワーが強過ぎて、今度はバジルさんがその場で一回転してからバウンドして、二つ隣の『肉食魚掬い』のテントに突っ込んで全壊させ、水ともども弾け飛び、またしてもどこからか猫が飛び出してきたーーー!?」
お父さん、お母さん。
わたしはお祭りの正しい楽しみ方を、完全に忘れてしまったのかもしれません。




