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4-16rep ダンジョン攻略です!

「ナンデ!? ニンゲン!? ココニ!? アイエー!?」


流石のムキムキな三体のオーク達も、扉を開けたら人間の子供が出てきたことに激しく戸惑っています。


(落ち着け! 落ち着くんだ私! 働け、私の灰色の脳細胞!)


ですが、私の魔力はさっきのアンロックで完全に枯渇。ジェットバットを振り回したところで三体……いや、一体倒すことすら無理でしょう。見てくださいよ、このオークの枠に収まっていない恐ろしい筋肉を……!


(あぁ、もうお終いです……! せめて美味しくカリッと素揚げにしてください! あとトンくんとチンちゃんは見逃してくだせぇ〜、お代官様ぁ〜!)


「お、おねぇちゃん、怖いよぉ……」

トンくんとチンちゃんが、泣きそうな顔で私の破れたローブの裾をギュッと引っ張ります。


「だ、大丈夫! お姉ちゃんが何とかするから! ……グエッ!?」

私達は三体の巨大オークに、まるで子猫のように一人ずつ首根っこを摘み上げられ、会場へと連れ戻されてしまいました。


(やばいやばいやばいやばい! せめて……せめて隙を作って、この子達だけでも逃がさないと――!)


ボスン!


勢いよくVIP席らしき椅子に座らされました。


「サイン、ハ、アトデナ」

「サテハ、オデタチ、ノ、ファンダナ」

「タノシンデイケ」


マッチョなオーク達は、私達の頭をポンポンと優しく撫でてから、堂々とステージへと向かっていきます。

(……ハッキリ言って、撫で方に関してはうちのマッスルモンスター達より遥かに紳士でした)


ステージの上では「なんか三匹多くね?」という一悶着が若干ありましたが、元から数字に強くないオーク達と脳筋マッスルモンスター達は、3秒で数字への興味をなくし、再び大いに盛り上がり始めました。

それを、完全にハイライトの消えた目で見つめる私。

対照的に、「しゅごい……!」と目を輝かせてステージのマッスルショーを見つめる子ども達。


私は鞄の底に残っていたキャンディを餌に、夢中になっている二人をそっと誘導し、混乱に乗じてダンジョンの外へと無事に脱出しました。


ダンジョンの外では、コナーさんが般若のような顔で待っていました。

トンくんとチンちゃんは、コナーさんの特大ゲンコツを脳天に落とされた後、力いっぱい抱きしめられて泣きながら謝っています。……あ、コナーさんの締める腕力が強すぎて、二人がチアノーゼ気味にコナーさんの腕をタップしています。


ともあれ、本当に良かったです!

無事に孤児院『カマッチョベイベ』に戻り、コナーさんが作ったPFCバランスが完璧を超えて限界突破している肉、魚、豆、プロテイン盛り盛りの晩御飯をいただきました。背中の傷も回復魔法で綺麗さっぱり治してもらい、跡一つ残っていません! 凄いですコナーさん!


◇

――一方その頃。

ダンジョン最奥部の南方大陸オークフィジーク会場では、ウチの筋肉獣達が表彰台を独占していました。

景品の子供達がいつの間にか消えていたので、会場でまた一悶着あったようですが、「まあ、人間の子供じゃタンパク質が不足気味だしな! いっか!」と謎の納得を果たしたらしく、代わりに出現したダンジョンのお宝を巡って、オークや観客のマッスルファン魔物軍団と壮絶な殴り合いに発展。


今朝方、モンスターの返り血に塗れた状態で、チャンピオンベルトや金の王冠をしこたま抱えて大爆笑しながら帰ってきた三人は――コナーさんの超特大ゲンコツを喰らいました。


ゴーーーンと教会の鐘の音のような音が続けて3回


孤児院全体を揺らす三人の凄絶な悲鳴で、私は飛び起きました。


お父さん、お母さん。

私は目覚まし時計をかける時間を、根本的に間違えたのかもしれません。

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